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第45噺 (145噺中) 「性同一性障害と男性女性化症候群」

Uetoayaドラマの主人公が「性同一性障害」という病気で苦悩するという場面をみることが多くなりました。
有名な「金八先生」で男子学生服を着用した女生徒の苦悩を描いたのが初めて見たドラマでした。デビューしたての上戸彩が苦しむ女生徒を熱演しました。
実際に外来で男性になった元女性を二人り、女性になった元男性を二人診察したことがあります。彼らは肉体的には無理している形になりますが、精神的には満足な状態です。
「性同一性障害」とは、心の認識する性別と実際の肉体的性別が乖離している状態を意味します。恐らく中枢神経の性別認識レセプターが誤作動あるいは無反応のために生じる病態なのでしょう。現在、保存的治療法がないので、ホルモン治療と外科的手術による肉体的改造が行われます。最近では、男性から女性へ、女性から男性への戸籍変更も認められるようになりました。

「男性女性化症候群」という病気があります。
体つきは大人の女性になっているのに「生理がない」とか、不妊症で来院される女性を調べてみると子宮が認められない場合があります。染色体検査を行うと完璧に男性であることが判明するのです。血液検査では男性ホルモンと女性ホルモンの分泌量は一般男性とまったく同じなのです。
原因は、身体の全ての細胞に男性ホルモンレセプターが欠如していて、男性ホルモンに全く反応しないために起こる病気です。ご自分を女性と思っている患者さんには、男性であることを秘密にするのが一般的なようです。

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