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第34噺 (145噺中) 「過敏性腸症候群」

Ibs過敏性腸症候群と呼ばれる病気を見聞きしたことがあるでしょう。この病気は日本で全人口の14.2%にこの病気があるされています。
下痢などのお腹の症状を中心とした、ハッキリした原因の分からない機能性疾患です。常にトイレの事を気にしなくてはならないので、QOL(生活の質)を低下させてしまいます。20~40歳代の比較的若年者に多いことから学業や就業に支障をきたすので、最近重要視されています。先進国に多く、ストレスが原因?、一種の文明病とも考えられています。

原因は未だハッキリしていないので、色々考えられていますが、様々な要因が影響しあって発症するのだろうと考えられています。

症状は、「便秘型」と「下痢型」、そしてその両方を交互に繰り返す「交替型」に分類されます。
どのタイプにも共通の症状として、排便により軽快する傾向のある下腹部の痛みや不快感、おなら、腹鳴、膨満感、吐き気などがあります。
さらに、めまい・頭痛・動悸・肩凝りなどの自律神経失調症状や不安感・落ち込み・イライラ・不眠などの精神症状がみられることもあります。

診断は、大腸癌、潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室症などの腸疾患や腎泌尿器系、婦人科系、後腹膜疾患など器質的疾患を除外して判断・診断されます。

治療は、原因がハッキリしないので保存的治療が行われます。つまり生活習慣の改善(ストレスをためない、睡眠を十分に取る)と食事療法、消化管運動機能調節薬の服用が中心となります。薬物療法は便性状に合わせた腸管運動および内容物を調整する薬剤を用います。また内臓感覚や脳の過敏性を調整するため、あるいは自律神経失調症状や精神症状がみられる場合は、抑うつ感や不安を抑える薬を使うこともあります。

以上、教科書的な優等生的な内容ですが、実際に私の臨床現場では、排尿機能障害が隠れている患者さんで水分摂取が多い人に、この病気が出現するようです。そのような患者さんには水分摂取を控えていただきます。水分(お茶・コーヒー・アルコールを含む)は極力控えて1日1㍑以下に制限すると症状は軽快します。悩まれている方がこれをお読みでしたらお試しください。

【参考資料】
日本消化器病学会HP
日本医師会ポスター

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コメント

いつも拝見させて頂いております
貴重な情報 とても参考になります
ありがとうございます

投稿: | 2014/11/03 17:56

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