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第九噺 (145噺中) 「片頭痛・偏頭痛」

Migrainelight
片頭痛(偏頭痛)の前兆症状の一つとして視覚異常があります。その典型的な症状が視野の中に光る点(閃光輝点:せんこうきてん)がギザギザのカミナリ模様に動き、いつまでも輝いている見える症状です。

Goryokaku
時には写真のようにヨーロッパの要塞都市を模した北海道の五稜郭の城壁の平面図のように見えるのです。その動きは秒速3mmで時間にして20分~25分です。

 これは大脳皮質視覚領域野(後頭葉)を電気伝達専門の神経線維ではなく、細胞から細胞へと化学的変化が直接移動して脳細胞を刺激し視覚として表れていると考えられます。そしてこのギザギザは脳内の組織構造をトレースしているらしいのです。生体内にこれほど遅い生体変化の移動は他にありません。強いてあげれば「気の流れ」が秒速10mm以下と言われていますから、「気の流れ」とは何らかの化学的変化が解剖学的構造を無視し、細胞の間を効率の悪い「ドミノ倒し」のように、ゆっくり伝わっている現象なのかも知れません。ゆっくり伝わる現象で有名なのが、狂牛病騒ぎの発端となったクロイツフェルト・ヤコブ病で脳内の異常プリオンタンパク質が正常なタンパク質を次々に異常プリオン化して広がって行くのが病気の本質です。ただしこちらの速度は年単位ですが。

片頭痛の原因は、様々なことが言われていて結論は出ていないようです。上記に掲げた「閃光輝点」の成因の箇所で解説したように脳細胞の「脱分極」が原因とする説もあれば、「血管説」を主張する医師もいます。血管説では、脳血管の血管収縮と血管拡張に原因があるとされています。教科書的には血小板からセロトニンが放出されます。その結果、脳血管は収縮します。しかし、セロトニンが放出され続けてなくなると、今度は血管が異常に拡張して傍にいる三叉神経を刺激し、サウブスタンスPなる訳のわからない物質が放出され痛みが出現するというものです。

治療としては発作時の治療と発作予防の治療に分けられます。薬剤は多種にわたり、セロトニンを抑えるものから抗うつ剤や抗てんかん剤まで様々です。医師としては患者さんにピッタリ合った効果のある物を見つけなければなりません。専門医の腕の見せ所でしょう。

治療は兎も角として、偏頭痛が発症するきっかけや誘発物質があるようです。食べ物だったり、天候や環境だったり、疲労やストレスだったり、いろいろです。食べ物では調味料・グルテン・カカオなどが上げられます。日記や日誌を毎日付け、片頭痛発作が出た時の食事・飲み物メニューや天気図・湿度・気圧などをチェックしてみるのも自衛策でしょう。

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コメント

先生
毎日チェックしてます 毎日一つの病気を勉強出来てます 145の話もあれば病気を網羅出来るでしょうね! 個人的に気になる病は不整脈期外収縮と最近よく筋肉がピクピクします瞼もです慢性前立腺炎症の関連症状かとも思いつつ過ごしてます

投稿: 慢前患者 | 2014/09/25 04:50

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