第六噺 (145噺中) 「医食同源」
漢方の考え方で、「医食同源」という言葉があります。
食事も医薬品(ここでは漢方薬)も同じ次元のものだと言う考え方です。その証拠に漢方薬の服薬は、「食間」となっています。例えば、1日3回食間というのは、朝食・服薬・昼食・服薬・夕食・服薬のタイミングで服薬することです。漢方の見方から考えれば、服薬=食事ですから、6回服薬しているとも言えますし、6回食事をしているとも考えられます。
漢方の考え方で重要なのが、陰と陽です。「陰」は身体を冷やしますし、「陽」は身体を温めます。陰と陽がバランスよい状態が健康と考えます。ですから、少なくても食事だけは陰陽バランスの良い食事を取ることが肝心と考えます。
食材の基本は、食材そのものを全て食べて陰陽バランスが良い=中庸と考えます。土の下にある食物は「陽」、土の上になる食物は「陰」と考えます。例えば大根は陽ですが、大根の葉っぱは陰です。大根を葉っぱ毎食せば中庸になります。果物は木の上になる果実ですから陰です。
人間が加工したものは「陰」と見なします。例えば白米は陰ですが、玄米は中庸です。サトウキビは軽い陰ですが、精製された砂糖は極陰です。
動物の肉や魚は陽と考えます。中華丼は、陰の強い白米の上に、陽の肉・エビ・イカ・ニンジン、陰のシイタケ・タケノコ・ピーマン・白菜を混ぜ、陽の片栗粉でとろみを付けていますから、全体で中庸になります。
発酵茶(番茶・ウーロン茶・紅茶)は陽のお茶です。緑茶は陰のお茶です。サフラン茶は、その中間・中庸のお茶です。食事で陰陽のバランスを得ているのにお茶でバランスを崩してはいけませんから、中華料理では食事の時に飲むお茶はサフラン茶なのです。
夏は陰の緑茶を冬は陽の番茶やウーロン茶が適していると言えます。夏に番茶を飲んだり、冬に緑茶を飲むことは身体の陰陽バランスを崩すことになるので、たとえお茶と言えども注意が必要です。
| 固定リンク
コメント
テレビや巷では緑茶はとても体によい抗がん作用のある飲み物とあります 必ずしも過ぎたるは良くなしですね
投稿: 慢前患者 | 2014/09/22 13:23