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第11噺 (145噺中) 「脳細胞の死」

以前に質問を受けたことがあります。脳細胞は毎日たくさん死んでしまう。最後にはどうなるのか心配で仕方がないというのです。そこで、次のように答えたことがありました。
Neuronnet
脳細胞は、主にニューロン細胞で、その数150億とも200億とも言われています。
150億として1日10万個の脳細胞が死滅すれば(これも推定ですが)、脳細胞がなくなるまで単純計算で410年かかります。見方を変えれば、100年生きたとしても4分の3は脳細胞が生きている勘定になります。死んだ4分の1の脳細胞の中に、知性・感情や本能をコントロールする重要な細胞が含まれると、人間的な社会生活を送って行く上で支障になる「認知症」という症状が現れてきます。ところが原始生活であれば本能剥き出しの状態ですから、認知症は問題になりません。また高齢になり体の衰えが著しく死の間際にもかかわらず、脳だけハッキリしているのは逆に不幸ではないでしょうか。
【写真:neroscienseから】

以上は、仮説のお話です。
ところで、私たちの体で20年以上変わらない組織や臓器はありません。髪の毛は毎日抜け落ち、体表の皮膚は垢やフケ・爪として死んでいきます。肝臓の細胞も常に死滅し新しい細胞が再生しているので有名です。また赤血球は120日の寿命しかありません。
人間の細胞には必ず寿命があります。当然人間の寿命よりもはるかに短い寿命です。そう考えると現代医学が唱えてきた脳細胞は生まれると再生しないが脳細胞の寿命だけが他の細胞と違って人間の寿命と同じだと考えるのは、少し無理があるようでは?と私は考えます。それを裏付けるように、脳細胞が高齢者でも新しく再生するという研究報告が最近発表されました。

人間の本来の寿命は40年から50年くらいです。それを現代医学と豊富な栄養で100歳近くまで寿命が延びているのだと思います。ですから20歳前後で脳細胞が死に始めると言うのは不思議ではありません。ダメになり始めた脳細胞は正常な機能を果たさないばかりでなく、異常放電(スパーク)を出すことがあります。この異常放電は周囲の正常な脳細胞に一瞬にして急速に伝播し、相当な数の脳細胞が死滅してしまいます。これが「てんかん発作」です。ですから脳が自分自身を守るためにも、ダメになりかけた脳細胞は死ななければならないのです。

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