裁判の結果
以前に、民事裁判の証人喚問を受けたエピソードをブログでご紹介しましたが、その裁判は患者さんの勝利に終わったそうです。
事件のいきさつは、ある男性患者さんが青山の美容クリニックで性器の手術を受けました。内容は大きくするためでした。自家脂肪移植という方法で、腹部の皮下脂肪を吸引して脂肪組織を採取します。採取した脂肪組織を特殊な方法で洗浄して、注射器で性器に注入して太くするという方法です。
ところが、注入された脂肪組織は性器に均一に拡散せずに部分的に山のようになり、つまりラクダのコブのようになってしまい患者さんは途方にくれました。手術を実施したクリニックに掛け合っても、そのうち治るの一点張りです。業を煮やした患者さんは、私のクリニックに来院して、私が修正手術で治しました。
さて、問題のクリニックの医師がニセ医者だったということが判明し、その患者さんは、ご自分の経緯や私が役立つかも知れないと手術中に撮影していた写真を持って赤坂警察署に訴え、そのニセ医者は逮捕され、裁判で有罪になりました。ここまでは、マスコミに取り上げられました。
患者さんの性器は私が手術しても完全には戻らず、なおかつ亀頭に痛みの後遺症が取れませんでした。刑事事件では慰謝料を請求できませんし、そのニセ医者も無一文で訴える対象にもなりません。そこで患者さんは、医師の名義を金銭目的で貸したある医師を民事で訴えたのです。ところがこの医師は懇意にしている地方病院の形成外科部長を応援に頼みました。そして患者さんの痛みの後遺症は、修正手術の私の技術が未熟だからと逆に反証してきたのです。
患者さんの弁護士さんからの依頼で私が証言台に立つことになりました。未熟と言われた怒り心頭の私の証言と詳細に書いたレポートを裁判長は全面的に採用され、形成外科部長の反証を却下して、患者さんは勝訴したのです。かかわった私はヤレヤレです。
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コメント
裁判お疲れ様でした。
高橋先生の修正手術を受ける前から亀頭の痛みはあったのでしょうか?
にしても酷い話ですね
週刊誌や新聞にもあちこち陰茎増大などと謳い広告があります 怖くなりました
投稿: 慢前 | 2014/06/27 11:50
先生お世話になります、あの裁判ですね!!ひどい案件でしたね「地方病院の形成外科部長に応援を頼み、患者さんの痛みの後遺症は、修正手術をした私の技術が未熟なため」とは全く余地なしの釈明ですね、頼む方も権力にだけ頼っただけでしょう!お疲れ様でした!!
地方病院の形成外科部長?何処のだれかが気になりますね
投稿: けんじ | 2014/06/27 11:52