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手術後90日以内の死亡率

医療ニュースで、こんな記事を見つけました。

胃癌手術の胃全摘手術での術後90日以内の死亡率は2.3%だそうです。一般的に行われている胃全摘手術ですが、43人に1人は術後90日以内に亡くなる計算です。つまり、胃癌で亡くなるのではなく、手術の合併症などで亡くなるという事実にビックリです。
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【参考資料m3.comから】
胃癌全摘の手術死亡は2.3%
 熊本大学消化器外科教授の馬場秀夫氏が、胃癌全摘手術の成績を報告した。対象は2011年の1623施設の2万11人の患者の成績。その8割を対象として実態の解析を行い、リスク因子に基づく予後の予測モデルを構築。残り2割で予測モデルの評価をした。患者の平均年齢は68.9歳、男性が73.7歳。緊急手術は2%。要介護4.6%などだった。
 最も重要な結果である術後30日以内の死亡率は0.9%だった。術後日数によらず術後入院中に死亡した在院死亡率は2.2%。術後90日までの手術関連死亡率は2.3%だった。
 胃全摘手術の合併症の頻度は26.2%。手術部位感染が8.4%と高く、縫合不全が4.6%、膵液漏が2.6%、肺炎が3.6%などだった。』


また、食道癌手術では、3.4%の人が術後90日以内に亡くなっています。食道癌手術の29人に1人は術後90日以内に亡くなっているのです。
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【参考資料m3.comから】
第68回日本消化器外科学会総会の7月19日の特別企画「National clinical data base(NCD)のデータから見た我が国の消化器外科医療水準と今後の展開」では、慶応義塾大学外科の竹内裕也氏が、NCDの集計から判明した食道癌切除術の死亡率を報告した。術後30日死亡率は1.2%、90日死亡率は3.4%。開胸と胸腔鏡下(内視鏡)との死亡率の差はないものの、合併症は胸腔鏡下で多いという結果も説明した。』


この事実からすると、胃癌手術にしろ食道癌手術にしろ、かなり無理な手術を実施しているのでは?と疑問を持たざるを得ません。外科医が完璧な手術を望む気持ちは理解できますが、過ぎたるは尚及ばざるがごとしです。程ほどの完成度の手術で手術を納めるべきなのでしょう。

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コメント

ほどほどの手術の完成度とはどのような意味でしょうか? 癌患者さんは完璧な手術を望みます。完治を期待するからです 仮に高橋先生が食道ガンにかかった場合手術されますか?
【回答】
執刀医が完璧と思える手術で、術後何人の患者さんが死んでいったでしょう。
アナウンサーの逸見さん然り、歌舞伎の勘三郎さん然りです。
医師が思い込んでいる完璧さは、あくまでも術式上の解剖学的根拠であって、延命にかかわる生理学的・免疫学的根拠ではないのです。
「根治的」という完璧さを装った術式が、実は医師の独りよがりでしかない訳です。
ですから、消化器学会でも事例のようなデータを挙げ、警鐘を鳴らしているのです。
私が食道癌の手術を受けるのであれば、根治的ではない術式を選択します。
つまり、リンパ節廓清をしない術式を選択します。
そうすれば、縦隔を傷つけることなく、勘三郎さんのように縦隔洞炎や肺炎にならないで済むでしょう。
もしも進行しているのであれば、食道内にチタンネットを挿入し、食道の流れを確保する対症療法を選択するでしょう。
あなたが思い込んでいるほど医師は完璧な根治的な手術をしている訳ではありません。

投稿: | 2013/08/17 21:15

先生は仮に食道ガンであっても根治的を選択しないとなると延命を優先し苦しまない死を選ぶという意味ですね?
【回答】
質問の主旨が分かりません。
根治的手術も非根治的手術も、延命のためであり、苦しまない死を選択しようとするからではないですか?

投稿: | 2013/08/19 09:03

根治的治療は患者さん的には完治を目指している しかし非根治は治さないわけで死をまつのみという理解です
【回答】
根治的と思っている治療が、実は根治的ではないので問題視しているのです。
前々回で解説したように、根治的と言っている手技は解剖学的根拠であって、外科医の独善的判断です。
しかし、乳癌手術の歴史から分かるように、解剖学的根拠である根治的手術の広範囲女房切除手術も、非根治的手術のリンパ節廓清しない乳房部分切除も、その予後はほとんど変わりないことが分かっています。
その結果、今では乳癌手術はほとんどが部分切除が主流です。
また、腎癌手術も、昔は腎臓摘出でしたが、今では癌の部分だけを切除する腎部分切除になっています。
これも昔からすれば、非根治的手術に他なりません。
現在の医療で根治的と思われる治療法は、必ずしも貴方がおっしゃる完治手術ではありません。
完治手術ではないにもかかわらず、解剖学的根拠でギリギリの手術を行うことは、生体にそれだけ負担を強いることになるのです。
その負担が、結局は死期を早めるのであれば、程ほどの非根治的手術では良いのではありませんか?

投稿: | 2013/08/19 20:00

先生
歌舞伎の坂東みつごろうさんが膵臓腫瘍とありましたがやはり悪性の可能性が高いでしょうか? もし膵臓ガンだとしたら治るのはほぼゼロとなりますか?
【回答】
癌でしょう。
ゼロとは言えませんが、可能性は低いです。

投稿: | 2013/08/28 01:33

先生
ちなみに膵臓ガンだと敢えて手術などしないほうがいいんでしょうか? どう対処していけばベストでしょうか?
【回答】
膵臓ガンは手術が可能なくらい小さいと思っていても、実は事前検査では分からないくらいに進行していることがほとんどです。
ですから、膵臓癌手術の予後が悪いのです。
しかし、癌が小さいと分かっていて何もしないではいられないのが外科医です。
恐らく、早晩、手術になるでしょう。
残念ながら、悪い結果になるでしょう。

投稿: | 2013/08/28 16:49

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