アスファルト

散歩道でアスファルト道路のつなぎ目から雑草が顔を出している。とても珍しい光景である。
コンクリートのつなぎ目から雑草が顔を出している光景はよく見かけるが、アスファルト は本当に珍しい。
アスファルトは石油から精製されるコールタールが主原料である。
石油の発生起源は未だ不明であるが、大方の考えでは、地下深くに眠る太古の生物（植物や微生物）の遺骸・死骸の熟成結果（成れの果て）と考えられている。
その石油から作られたアスファルトの車道や歩道を見て分かる事だが、ペンペン草の1本も生えないのである。
これは不思議な現象である。土は見えないけれど砂利やコンクリートの隙間から雑草が顔を出すのは、よく目にすることである。
しかし、アスファルトの間から雑草が顔を出すのを見たことがあるだろうか？ アスファルトは生命力の強い雑草をも拒絶するほど、毒性が強いと考えられる。
アスファルトが、太古に生きた生物のエキスだとすれば、一体どれだけ毒性の強い生命体だったのだろうか？
太古の海は、酸素が無く、鉄や鉱物や硝酸がたっぷり溶け込んだ劣悪の環境であった。
その劣悪な環境で生き抜いた太古の生命体の本質や毒性を今の私たちは想像出来ない。
この毒性の強い生命体のエキスである石油をひ弱な私たちは利用して、生活をエンジョイしている、実に皮肉なものである。