水分
お馬鹿な医師が、一日2リットル以上飲まなければならないと発言するものだから、マスコミもよく調べもしないで追随する。その結果、最近は猫も杓子も水分を取る。
血液がドロドロになり脳梗塞や心筋梗塞になるとか、熱中症になるとか生理学的にあり得ない「おとぎ話」をする。
血液は体内の内部環境の要(かなめ)である。
だから常に恒常性、ホメオスターシスの状態でなければならない。
水を飲んでも飲まなくても血液は常にサラサラである。
血液がドロドロになることはない。
もしも水を飲まないことで血液がドロドロになるのであるのなら、医学の土台である生物学や生理学は嘘の学問になり、医学は根底からひっくり返る。
熱中症は熱が体にこもるから発症するのである。
一番の対策は体温を下げる事で、水を飲むことではない。
飲んだ水が小腸や大腸から吸収されて、血液に取り込まれ汗として出るまでに、かなりのタイムラグ(数時間)がある。
汗が出る頃には、すでに体温はかなり上昇し筋肉の溶融が始まる。これが「熱中症」である。
飲んだ水が吸収される前には、非常事態の反応で細胞(正確には細胞外液)から水分が血液に大量に移行する。これが「脱水症」である。
炎天下で仕事をするなど特殊な環境の人を除き、エアコン生活に慣れた私たちの体は汗腺が減少し、汗が出にくい体質になっている。
だから最近の子供の多くが熱中症になるのである。
したがって、水分をたくさん摂って熱中症や脱水症にならないようにすることは本当に「綱渡り」の対策である。
一番の対策は、体を冷やすことである。
その例としてグランドの一部に日陰を作りクーリングする場所を作る。
ホースに小さな穴をいくつも空け、そこから水を霧状に噴出させミストの空間を作る。
(簡単なものはホームセンターで販売している。)
その空間をグランドに10メートルほど作り、練習中は必ずそこを走る、必ずそこで休憩するなどする。
二つ目の例として、常に冷たい濡れタオルを持って練習する。そして、まめにタオルを変える。
脳梗塞の患者が医師からの指導で大量に水を摂取する。
ここに生理反応の誤解が潜んでいる。
水を飲んだ瞬間から早晩、体は血液が薄くなる事を予想しまず対策を取る。
水が吸収出来るまでの間に、事前に血液が薄くなる対策を体は実行する。
つまり腎臓を使って血液から水を除去し尿を作る。これが「水利尿」という飲水後1時間以内に起きる生理的反応である。結果、一時的にしろ血液は濃くなるし、飲んだ水は未だ吸収されていないので、細胞から血液に水が移動し脱水気味になる。
血液を薄くしようとして、逆に血液が濃くなり、脳梗塞や心筋梗塞に悪い環境を作るのが今の生活習慣対策である。
水分のガブ飲みは注意を要する。何事もほどほどである。
夜間頻尿の高齢者は多い。
日中は頻尿ではないが、夜間だけである。
起きている間、腎臓は自重で下垂する。腎動脈は引き伸ばされ細くなるが、若者は反射的に血管が拡張し腎血流量は確保される。しかし高齢者は動脈硬化のため拡張しないので腎血流量が減少し尿量は激減する。そして日中に排出されなかった水分は細胞外液へ貯蔵される。
床に就いて横になると、腎臓は本来の解剖学的位置に戻り、腎動脈の血流量が回復し尿産生が亢進する。
昼間、過剰に溜まった細胞外液は血液に移動し、夜間の尿量増加に拍車を掛ける。そのため夜間頻尿になる。
この現象は高血圧や動脈硬化の高齢者に多く認められる。
夜間頻尿のお陰で、睡眠不足や夜間起立性意識消失発作や脳梗塞や心筋梗塞のリスクがとても上がる。
普段水分を飲んでいない人が就寝前に一杯の水を飲む事はとても意味がある。横になると腎血流量が増加して脱水になるからである。
しかし昼間大量に水分を摂取している人にとっては全く意味がない。逆に夜間頻尿を助長させるからである。
生体反応は条件がわずかに違うだけで真逆の現象を引き起こす。医学知識を利用する者は、短絡的で上っ面の理論で話しを進めると犯罪者になりかねない。
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コメント
お世話になります、本当ですか!?今までは水分を多く取り冷やすと聞いてましたが、熱中症そもそもの対策に水分を多く取る事は「逆に血液が濃くなり、脳梗塞や心筋梗塞に悪い環境を作る」のですね、素人ながら水分取ると血液がどろどろになりにくいと思ってましたが・・素人がイメージで考えるとそうなるのでしょうね、健康雑誌などでは堂々と水分をこまめに摂りましょうと書かれてますが・・怖いですね、ほどほどにしてがぶ飲みは危険行為だとわかりました!!
投稿: けんじ | 2013/06/17 19:11
昼間水分を制限しています 慢性前立腺炎ですから 先生の考えでは制限している人は寝る前には水分を取ってから寝たほうがいいのでしょうか?
【回答】
高齢者の場合の話です。
投稿: | 2013/06/18 14:39