「美の巨人たち」を見て・・・
画家の東山魁夷は、現実の風景から凡人には見ることのできない心象風景を描くことで有名になった人物です。
名のある仏師は、材料の木の中に宿っている仏を我々に見えるように彫り進んでいるだけなのだそうです。
科学者は、宇宙に無数存在するであろう真理を一つ一つ解き明かしています。
では、医師は何をしているのでしょう?
ただひたすら医学の教科書どおりに診察・検査し、結果を照らし合わせて病名を診断し、治療するだけなのでしょうか?研鑽といっても、文献検索を行い、いち早く情報を収集した者が勝者であるかの如くの風潮があります。EBM、EBM(根拠に基づいた医学)と呪文のように唱える信者もいます。それでは、気の利いたパソコン・ソフトにも劣るでしょう。
そんな医師には、木の中の仏のお姿を彫り出すことは到底できる筈がありません。
EBM(根拠に基づいた医学)を否定するつもりはありませんが、あくまでも浅学な者たちの拠り所でしかありません。EBMは過去の事象のデータなのです。未来を見据えるためには、参考程度でしかありません。
医師は、自分たちがEBMを作るのだという気概で診療に当るべきです。
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