入院定額制の諸問題
日本では病気や怪我で入院すると、治療にかかったすべての費用を社会保険や国民健康保険に請求して支払ってもらう出来高払い制です。
例えば、虫垂炎の手術で入院・治療・退院するまでの経過で、入院が1週間の人と経過が悪くて入院が2週間も延びてしまった人とでは、支払う診療費は異なります。2週間入院する患者さんの方がたくさん支払うのです。
当たり前といえば当たり前なのですが、アメリカでは事情は異なります。昔からアメリカでは、入院する病名によって支払う診療費が決まっている定額制なのです。(定額制は携帯電話の特許ではありません)
先の虫垂炎の例の場合、1週間入院しても2週間入院しても、支払う金額は同じになるのです。アメリカの病院では出来るだけ早く患者さんを退院させて入院ベッドの回転を早くした方が儲かることになります。そのためアメリカの手術治療の経過は、早期離床(どんなに大きな手術後であっても翌日には歩行させる)・早期退院が原則です。
患者さんにとっても医療機関の経営にとっても善い事ことづくめとお思いでしょう?
ところがこの考え方には盲点があるのです。アメリカ人である白人も日本人も同じ人間で、体力も回復力も治癒力も全く同じだという条件では、この考え方は正しいのです。
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