妖怪「アメフラシ」雨男#1
私は自他ともに認める「雨男」「妖怪 雨降らし」です。今日は晴れて欲しいという外出する目的地では必ず雨に降られます。旅行・地方の医学会しかりです。家族やクリニックのスタッフは私の外出の有無で雨支度をするまで私の霊力は信用されています。晴天時の往診でも私の周囲半径100mだけがお天気雨になっていることもあり、歩きながら思わず一人で笑っています。
私はきっと前世で「日照りに苦しみ雨乞いをした農民」か「砂漠で水を求め干からびて死んだ砂漠の民」だろうと本気で思っていました。
数年前、あるご婦人の膀胱鏡検査で患者さんが我慢できずに検査台の上で排尿してしまいました。私はイスに座り検査道具を持って「さあ、では」と構えていたちょうどその時でした。白衣姿の私に正面から勢い良くご婦人のオシッコがかかり、びしょ濡れです。
とその時、私はふと変なことを想いついたのです。
『雨で濡れるのは雨男だから慣れている。』
『患者さんのオシッコで濡れることも、泌尿器科医として検査・治療中にままある事だ。』
『私の思い込んでいる雨男・妖怪 雨降らしとは仮の姿で、本当は妖怪・爽快 オシッコかもしれない。』
『オシッコが出にくいと困っている人たちのお助け妖怪・聖霊かもしれない』と。
爽快なオシッコが私の使命と思う自分が可笑しいやら、やはり泌尿器科医が私の天職(天命)なのだと納得する今日この頃です。
最近、さらにこの考えを強くすることを経験しています。
現在、街の中の泌尿器科開業医として内視鏡手術がとても多いのです。年間200例ぐらいの症例数を私一人で手術しています。近くの大学病院の泌尿器科で年間50例以下ですから、相当な数です。手術件数が増えるに従い雨男ではなくなってきているのです。どうも手術を数多く行なうと、私の雨男としての霊力が手術で消費されたためなのか?晴れ男になってしまいました。
【写真】 海の生き物 アメフラシ=ウミウシ
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コメント
いつも楽しく拝見しています。先生は結構唯心的なところもあるのですね。少し意外でした(笑)。私はやや唯物的ですが、先生の天職説には激しく同意します。慢性前立腺炎の治療法が全国区になることを願っています。マイノリティーに正解があるにも激しく同意です。是非ともお体に気を付けつつ膨大な患者さんを捌いて下しい。
【高橋クリニックからの回答】
激励をありがとうございます。
一般医の常識から見れば、無謀とも思える慢性前立腺炎や間質性膀胱炎に関する私の治療方針の根源は、泌尿器科医が天職だと思い込んでいる私の妄信によるものです。
投稿: スイカ | 2006/11/01 05:54