四つ玉

泌尿器科の学会誌（Iternational Journal Urology）を読んでいたら、（私も時々勉強をしています）、トルコ・アンカラのバスケン医科大学の発表に「bilateral double testis：両側重複睾丸」の文献を見つけたので、ここで紹介します。

世界的に、一人の男性に3個以上の睾丸について、100件ほどの報告があるそうです。今回の、両側2個づつの合計4個の睾丸の報告は、6例目とのこと。

症例報告として出された患者さんは、26歳男性で以前から、左の陰嚢に2個睾丸があると認識していました。MRIの精密検査を行ったところ、右陰嚢に小さいながら2個目の睾丸が発見され、合計4個の睾丸を所持していることが判明しました。

それぞれの大きさは、36×27mm（右１） 7×7mm（右２）
23×17mm（左１） 25×19mm（左２）です。
正常の睾丸の大きさは、40～45mm×30mmですから、4個の睾丸全てが小さめです。（男性の諸君は、定規を持って測り始めていませんか？）

左の写真では、右陰嚢内の正常よりやや小さな睾丸1個と小さく萎縮した睾丸1個を確認することが出来ます。右の写真は、やはりMRI検査で示された左陰嚢内の2個の睾丸です。ほぼ同じ大きさの睾丸が上下に並んでいます。

この26歳の男性の精液には、精子の数が少なく精子の活動も弱かったそうです（乏精子症・精子無力症）。睾丸が4つあっても精子の力がないというのは残念なことです。たとえ1個でも十分な大きさがあれば、よいことが分かります。

【参考文献】 Iternational Journal Urology(2004)11,813-815