コレステロール神話
人間はコレステロールがなければ生きていけない!
人間ドック、テレビコマーシャルでコレステロールが悪者になっています。本当にそうなのでしょうか?
そもそもコレステロールは何なのでしょう。
コレステロールは体の中で休みなく働いている様々なホルモンの材料です。
コレステロールがなくなるとホルモンが作られなくなり人間は死んでしまいます。
高齢者になるとホルモンの分泌や産生が低下するので、体は必然的に材料であるコレステロールを増やそうとします。
ですから高齢者のコレステロールのある程度の高い値は正常な生理反応と考えられます。
動脈硬化の原因がコレステロールであると証明した有名な動物実験があります。
これはウサギに長期にわたってコレステロールを大量に食べさせ、大動脈にコレステロールが付着して動脈硬化の現象が認められたという実験です。
なるほどとお思いでしょう?
でもここに落とし穴があるのです。ウサギは草食動物でコレステロールを口にしないのです。
つまりこの実験は、草食動物であるウサギにコレステロール食を餌として大量に食べさせ、その結果、大動脈の壁にコレステロールが沈着した病態生理を調査するための実験です。
雑食である人間がコレステロールをとることで動脈硬化になる病態生理とは根本的には異なります。
深海の水中でエラ呼吸している魚に、地上の空気を呼吸させ、そのガス交換を調べているような実験と同じです。
ですから、この実験はハッキリ言ってナンセンスなのです。机上の空論に振り回されているだけです。
そのナンセンスな実験結果が、コレステロール悪人説の土台にあるのですから、押して知るべしでしょう。
最近の臨床医学ではEBM(科学的根拠に基づく医療)の考え方が流行です。
コレステロールを下げることで心臓脳血管の患者さんの再発は抑えられたという証拠はありますが、それらの病気を持っていない人の心臓脳血管病気予防は証明されませんでした。
また、コレステロールを下げると癌の発生率が高くなるという研究結果もあります。すると、心臓疾患にかからないようコレステロールを下げると、癌になるという八方塞の状態になります。
コレステロールを気にせずに、自然のままに老けてゆくのが良いという結論です。
昔の人はコレステロールを十分に食さなかったから短命だとも思われます。コレステロール・ノイローゼにならないで下さい。
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