サプリメント

大豆イソフラボンの効能

米国がん学会で2005年(平成15年)に発表があった文献の内容をここでご紹介します。

Pcainvitroハーバード大学医学部とイソフラボンの会社(ニチモウ・バイオテックス(株))の共同研究の報告です。乳がん細胞と前立腺がん細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro試験管・培養器)実験です。

乳がん細胞と前立腺がん細胞をそれぞれ培養器に入れ増殖させます。2つのグループに分け、そのまま増殖させるグループと、イソフラボンを注入したグループに分けるのです。そしてがん細胞の増殖の経過を観察したのです。

初めのグラフは、前立腺がん細胞の増殖率の比較です。通常に培養したコントロール群の増殖率を100%とすると、イソフラボン(Agly Max)群の増殖率は32.2%です。その差は何と67.8%にも及ぶのです。イソフラボンの培養液で育った前立腺がん細胞の増殖率は、通常のがん細胞の増殖率の3分の1になるのです。生体内でも同じ条件だとすれば、前立腺がんになってしまった患者さんがイソフラボン(Agly Max)を服用すれば、服用しない患者さんと比較して3倍長生きできることになります。乳がん細胞の場合も前立腺がん細胞とほぼ同じで、その差が63.9%でした。

Pcainvitro2

次に、前立腺がん細胞の培養中のアポトーシス(細胞の死滅)を比較すると、イソフラボンで培養した前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞の死滅)率は20.7%でした。つまり培養したがん細胞の5分の1が死滅したのです。乳がん細胞のアポトーシス死滅率は16.5%でした。

A6893bbad7674b5183df34fdb5b867a2

この実験のキッカケは、乳がんと前立腺がんの罹患率を比べると、アジア人の発症率が西洋人に比べてはるかに少ない事実からです。 その理由は何か?と考えた時に食習慣、特に大豆食品の摂取量に可能性を指摘されたのです。そして、大豆の摂取量が多いほど、これらのガンの発生率が低いのでした。当然、大豆の何らかの成分が、これらのガンの発生率を抑えていると考えられたのです。大豆と言えば、イソフラボンです。

2d353246cc19474ea0a08fe6c6f1f0f9

上のグラフは乳がんで下のグラフは前立腺がんの日米比較のグラフです。この両方のグラフを見ると、日本と比較してアメリカでは、断トツにそれぞれの癌の発症率は高いのです。

これから分かるように、納豆・味噌汁などの大豆食品の摂取している日本人の方が、はるかにガンの発生率は少ないのです。しかし、最近の日本人の食習慣も変わり、毎日納豆を食べ味噌汁を飲む人は少なくなってきています。それから考えると、徐々に乳がんも前立腺がんも次第に増加してくるでしょう。

B7bae3241411421cb286c33d3b5a1936

これらのサプリメントを服用すれば、抗がん剤を服用しなくても、ガンの成長や勢いや増大をある程度抑える可能性があると考えられます。神経質でガン神経症の人にはオススメです。このページでご紹介した大豆イソフラボンは、ニチモウ・バイオテックス(株)のアグリマックスというサプリメントです。乳がんや前立腺がんの患者さんやこれらの病気の疑いをかけられている人は、このサプリメントをオススメします。ご希望の方は、右のパンフレットをお読みください。

http://draglymax.jp/

クリニックID 5045900

| | コメント (0)

水素イオンの重要性

ミネラル水に興味を持ち、その後「ルルドの泉」の奇跡の水の理由を調べたら、水素の生命に対する可能性を意識しました。水素は生体内で『抗酸化作用』があります。一時期、水素水が流行りましたが、おそらく「ルルドの泉」の影響なのでしょう。しかし、水素水が体に対する効果は現実には得られませんでした。その理由は、水素水が胃の中に入ると、『抗酸化作用』の水素が、『酸化作用』の胃液の塩酸と反応してしまうので、体内に水素が吸収されないからです。

Silicon1先日の名古屋の泌尿器科学会で興味ある報告がありました。動物実験でシリコンナノ粒子を餌に混ぜ、腎臓血流の悪い腎不全のネズミに食べさせると、腎臓血流が改善し腎機能が改善したのだそうです。その理由の原因は水素だったのです。

 

Silicon_1

シリコンナノ粒子は胃液の塩酸とは反応しませんが、十二指腸に移動すると、アルカリ性の十二指腸消化液と反応して水素が発生し、小腸から水素が吸収され全身に巡るのです。その化学反応は次のようです。

【Si(シリコン=ケイ素)+2OH⁻(アルカリ性)+2H₂O=SiO₃²⁻+2H₂↑+2e⁻】

体内に吸収された水素は、体内の隅々まで行き渡り、水素の『抗酸化作用』が発揮されるのです。体内の予想外の酸化物質が、老化現象や癌の誘発さらには動脈硬化の原因になるのです。したがって、水素の『抗酸化作用』が、老化防止、抗がん作用、動脈硬化防止、原因が明確に特定されていない殆どの腎不全の改善に至るのです。

体内に水素ガスがあっても、このままでは役に立たないのです。水素ガスではなく、水素イオンでなければならないのです。

【2H₂(水素ガス)→4H⁺(水素イオン)+4e⁻】

E46821b623a342f881a57498e8ef3d3d

水素イオンには、細胞内のスーパーオキサイド・ディスムターぜ(SOD活性酸素分解酵素)と同じ作用があります。これが水素の重要な働きです。

人間は加齢と共にSOD活性酸素分解酵素の活性が衰えて来ます。SODの活性の減少率と年齢を観察すると、40才を超えると75%に減少し、50才を超えると50%、60才を超えると30%、70才以上では10%まで減少するのです。SODは、長寿の人には活性が高く、短命の人には活性が低いのです。ある意味で、SOD活性が寿命と万病に強く影響するのです。

B22a33d7f762459a889c1675016836efこれを年齢別の通院率のグラフと比べると、想像できます。つまり、SODの減少に反比例して、病院への通院患者が増加しています。特に40代を超えると、一気に増えます。

C6d70e02665944508ad4a864566e2e1c

酸化傾向の強い病気の代表に糖尿病があります。実は私も糖尿病が悪化して血糖を懸命に下げることを終始していました。父親が糖尿病が原因の脳梗塞で亡くなったので、インシュリンをバンバン注射することで血糖を完璧にコントロールしていました。実は、その行為が原因で腎臓が悪くなり、結果、血液透析する体になってしまったのです。

グラフを見て分かるように、病気の本質はSODの低下が原因と思われます。今の医療は表面的な血糖を下げることだけに固執して、病気の本質を治療していないのです。

SODの活性を高める治療薬などはありませんから、そういった意味では水素が注目されるのです。

研究論文もインターネットで探せば、簡単に見つかります。

https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/perspective_geriatrics_49_680.pdf

動物実験では水素水が有効ですが、人間には顕著な効果が出ているとは思えません。私も腎不全になってから一時期水素水を飲んでいましたが、全く効果は得られませんでした。おそらく、人間の胃液の塩酸が大量で強力なため、『抗酸化作用』の水素がほとんど中和されて体内に吸収されないからでしょう。最近では水素サプリメントが発売されています。サンゴカルシウムなどに水素を吸収させ、3時間~5時間以上かけて水素を放出するのです。食べたもの飲んだものが胃から十二指腸に移動するのに2時間かかるので、水素水よりは水素サプリメントの方が効果的かも知れません。

学会報告で指摘されたシリコンナノ粒子が容易に手に入るのであれば、たくさんの患者さんにお勧めしたいと思いますが、ナノ粒子を作るためには高度な技術が必要です。現在、関係業者に相談中です。

| | コメント (0)

「加齢黄斑変性症」と「サプリメント」

Eyeoct20110526nol網膜黄斑変性症は、最近では「加齢黄斑変性症」という病名で有名です。
網膜の中心部に近い部分が浮腫み(むくみ)膨らんでしまう病気です。物が歪んで見えたり、はたまた見えない部分(視野欠損)ができたり、日常生活に支障が出ます。
この写真は、私の右目の網膜の断層撮影(OCT)の所見です。視野の一番敏感な部分が少し凹んでいるのが分かるでしょう。凹んでいるのが健常です。

Eyeoct20110526この写真は、同じ日に撮影した左目の断層撮影の所見です。
明らかに山のように盛り上がっていて、健全な凹みが消失しています。
眼にステロイドの注射を行いましたが、この腫れは改善しません。

続きを読む "「加齢黄斑変性症」と「サプリメント」"

| | コメント (10) | トラックバック (0)

更年期障害のサプリメント:大豆イソフラボン

このブログの中でも、更年期障害に関連した記事をいくつか書きました。
ご婦人の卵巣の機能が落ちていくと、卵巣から分泌される女性ホルモン(主にエストロゲン)の産生低下で、全身の女性ホルモンが低下します。50歳を境に±5歳、つまり45歳~55歳の間の期間を更年期と呼びます。この期間にほとんどのご婦人が閉経(へいけい:生理がなくなること)になるため、女性の人生でのターニングポイントになります。
Fantasy3cholestrogenこの時期を経ると、女性ホルモン(エストロゲン)は、100%から10%~20%にまで低下するのです。ご婦人の体はこの女性ホルモンによって円滑に管理されていましたから、10%まで減少されると制御不可状態になります。この状態で出現する様々な不快な症状(寝汗・顔の火照り・足の火照り・イライラ・動悸・頻尿・立ちくらみ・めまいなど)を「更年期障害」といいます
エストロゲンの低下に呼応するかのように血液中の悪玉コレステロールが上昇し、ついには動脈硬化へと進行・悪化することは、これまでにも解説しました。

続きを読む "更年期障害のサプリメント:大豆イソフラボン"

| | コメント (0) | トラックバック (0)