考え方

寒いとオシッコが近くなる理由

Naihaigaihai泌尿器科の外来は、寒くなると混雑します。
なぜなら、寒くなると頻尿になる方が多くなるからです。「寒くなるとオシッコが近くなる」という現象は、一般の人でも経験することです。では、なぜ寒くなるとオシッコが近くなる(頻尿)のでしょう?

では、発生学や生理学を元に医学的にその原因を考察してみましょう。

Naihaigaihai私たち体は、妊娠した細胞、つまり受精細胞が出発点です。
初期の受精卵(胚)の外側の部分が外胚葉、内側を内胚葉といいます。外胚葉は早い時点で細胞の中に陥入し脳・中枢神経の元になります。また、外側の部分ですから、皮膚や口・目・肛門の粘膜にもなります。
内胚葉は、もともと内側に存在しますから、内臓の主たる部分を構成します。(図)

外胚葉系の組織は、外の環境の刺激に対して強く反応します。その原始的な反応(外見上の生命現象)の主たる役目を担う部分が、皮膚・目・耳・口の感覚器やその中枢である脳・脊髄神経です。
生命は、一定の温度以上で活発に活動します。ですから、温度が高くなる、つまり暑くなると外胚葉系のシステムが活発に反応します。そのための自律神経が交感神経になります。交感神経が興奮すると、脳下垂体後葉から抗利尿ホルモンが分泌され、腎臓での尿産生が抑えられ尿量が減少し、皮膚の汗腺が刺激され発汗が多くなります。

内胚葉は外胚葉に比較し、後から出来た組織です。生命が独立して自由に動き回るために必要なエネルギーを産生したり蓄積する組織です。生命が活発に活動している時には、生命の主役は外胚葉系の組織になりますが、生命が休止・安静の時には、主役は内胚葉系の組織、つまり内臓系、肝臓・腎臓・膵臓・消化管になります。外胚葉が活発に活動する暑い時の逆、つまり寒い時に活発に働くのが内胚葉系です。
内胚葉系が活発に働くと、副交感神経が興奮します。副交感神経も交感神経の後から出来上がった神経らしく、交感神経ほど緻密で丁寧なシステムになっていません。かなり大雑把の造りです。副交感神経が興奮すると脳下垂体後葉から抗利尿ホルモンの分泌が抑えられ、腎臓の抑制が解除され尿がたくさん作られます。そのため尿量が増えるのです。逆に発汗が抑えられ汗をかかなくなります。副交感神経の興奮は内臓を興奮させ、膀胱が過敏になり、尿量の増加と膀胱の過敏で、オシッコが近く(頻尿)になるのです。

話が長くなりましたが、これが「寒くなるとオシッコガ近くなる」理由です。

人間の体は、さまざまなシステムによって調節・維持されています。今回お話しした内胚葉系と外胚葉系のバランスが、体の反応を生き物らしく見せてくれます。まだまだ他にもたくさんのシステムが何重にも織りなしている筈です。これらを一つ一つ解き明かせば、原因不明の病気治療の解明に結びつくことでしょう。

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掻痒症・舌痛症・幻臭症は同じ穴のムジナ

泌尿器科のクリニックには、いろいろな症状の患者さんが多く来院します。


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❶掻痒症
泌尿器科に来院する掻痒症で多いのが、男性で陰嚢掻痒症、女性で外陰部掻痒症です。
陰嚢掻痒症は陰嚢湿疹と診断され、ステロイド軟膏を処方されますが、治りません。外陰部掻痒症はカンジダ性膣炎と診断され抗真菌剤の膣剤を処方されますが、やはり治りません。その患者さんたちが、病院を転々とドクターショッピングし、最後に当クリニックに来院されます。
❷舌痛症
原因不明の病気とされています。耳鼻咽喉科や歯科や精神科に通院しますが、ストレスが原因とも言われて治りません。その患者さんが私のブログを読んで来院されます。

Img_0431❸幻臭症
やはり、原因不明の病気とされています。泌尿器科、耳鼻咽喉科や脳神経外科や精神科に通院しても治らないので、同じくストレスが原因と言われています。その臭いが尿臭として感じることが多いので、泌尿器科にかかるのです。尿臭でない場合には耳鼻咽喉科などに受診します。その患者さんが、やはり私のブログを読んで来院されます。

これらの患者さんには、患者さんの自覚しない【排尿障害】が必ず見つかります。つまり、これら3つの病気は、全て一つの原因、排尿障害が原因です。排尿障害の治療薬であるαブロッカー、抗コリン剤、β刺激剤を中心に服用して頂くと、嘘みたいに症状は軽減します。

イラストは、舌痛症と幻臭症の病態生理を表現したものです。排尿障害によって、過敏になった膀胱や前立腺の知覚神経が、その情報を脊髄回路に向かって大量に出力します。脊髄レベルで処理が可能であれば、陰部痛や陰嚢掻痒症や坐骨神経痛などの下半身の関連痛になります。
しかし、脊髄神経の下位回路で処理できない場合には、情報が上位回路に到達し、線維筋痛症になります。さらに上位回路である脳中枢に大量に到達することもあります。結果、 脳中枢を直撃しないように迂回させ、機能的な関所を作ります。その迂回先が、味覚神経であれば舌痛症に、嗅神経であれば幻臭症に錯覚するのです。情報内容が尿意情報で本来の味覚・嗅覚の情報信号ではないので、味覚神経の場合はピリピリとした痛みとして、嗅神経の場合は嫌な臭いとして感じるのです。

これは風邪の症状と同じです。咽頭痛、鼻炎、中耳炎、気管支炎、頭痛、関節痛、胃痛などの多彩な症状があっても、風邪と容易に診断できるでしょう。にもかかわらず搔痒症、舌痛症、幻臭症の場合は、関連する組織や神経にのみ注目し過ぎて原因究明ができないでいるのです。

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血管年齢と癌

脳梗塞や心筋梗塞の原因が動脈硬化であることは、すでに周知の事実です。
脳梗塞や心筋梗塞の家系の方の血管年齢を測ると、実際の年齢よりも高齢である場合が多いのです。例えば、実際の年齢(実年齢)が40歳で、血管年齢を測ると60歳という具合にです。このような患者さんで血圧が高いのであれば、血圧の薬を服用すれば血管年齢は若くなります。つまり動脈硬化の家系の患者さんには、様々な手段で血管年齢が若くなるようにすれば、脳梗塞や心筋梗塞を避けることができると考えられます。

それでは、もともと血管年齢が若い人はどうでしょうか?例えば実年齢が40歳で、血管年齢を測ると20歳という具合にです。
血管年齢が若い人たちを何人か調べました。すると驚くべきことが分かりました。

Cancerfamilymanmaこの患者さんは間質性膀胱炎の治療で通院中です。血管年齢を測定すると、実年齢53歳なのに血管年齢が43歳と10歳も若いのです。血管年齢の90歳が寿命と考えると、実年齢の予想寿命は何と120歳にもなります。患者さんに乳癌の既往があることは承知していましたが、詳細にお聞きすると明らかに癌家系です。

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水分を摂りすぎる功罪

【人体は宇宙】
人の体は小宇宙にたとえられます。宇宙のようにすべての次元が幾重にも織られて造られた複雑な存在です。現代医学で理解されているの人間の構造やシステムは、未だに不完全です。
しかし、科学が万能だと勘違いされている人たちは、重箱の隅をつつくような努力はしていますが、現在の診断法や検査手段に固執し旧い考え方から脱却できないでいます。

実際に原因不明の解明されない病気は結構存在します。シェーグレン症候群然り、最近話題になった線維筋痛症然り、間質性膀胱炎然りです。原因が不明だと、自己免疫疾患やアレルギー疾患という分類に何でもかんでも収めて、後でジックリ考えようという態度に思えて仕方がありません。

【医師の思考回路】
重箱の隅をつついて研究し没頭する世界は、受験勉強の難問を解くのに慣れている医師たちにとっては、心休まる世界です。特に知能指数の高い医師にとっては、難問の世界は仮想世界ではなく、現実世界と錯覚していたのでしょう。小学生、中学生、高校生と難問の解答の先が現実の世界にそぐわないものであった事実に虚無感を覚えた、若かりし頃の気持ちはすでになく、現実に苦しむ患者さんをよそに、研究のための研究というのが現実です。
数年前に癌治療学会の席上、高名な医師が「これら基礎研究が実際の臨床現場で役立つのか?」と苦言を呈したことがありました。
研究のための研究は、「木を見て森が見えない」状態だと私は思います。
【葉と枝と木と林と森】
さてさて、前置きが長過ぎました。
ここで水の流れを中心に、人の体を「森を見る」ようにして考えてみましょう。
臨床で調べる検査データは「枝葉」を視ることです。人の解剖学・臓器を調べるのは「木」を診ることです。人の生理学・内分泌・代謝は「林」を見ることです。全体像=森=真実を観るためには、さらに大きな視点から観ることが必要になります。大きな視点は、科学的な現代医学からは逸脱することがありますから、その辺はご了承下さい。
Watercycle_1
【水の流れ】
上記の図式は、細かい医学常識を無視した「水の流れ」の大よそのイメージです。(こころの中のこのイメージが大切です)
食事や飲水で口から体の中に入った水は、水分代謝の世界を作ります。大腸で吸収された水は、血液の溶媒として流れに乗ります。この水を「場」として内分泌システムや免疫システムが円滑に稼働します。もちろん血液細胞・免疫細胞・免疫抗体・胃液腸液胆汁などの消化液も水という「場」なしでは存在は考えられません。
この水が作る「場」はとても重要です。生命現象であるイオン反応・電離現象・酵素反応などのあらゆる化学反応は、水の「場」という存在なしには考えられません。しかし、重要な生命反応が華々しい表の現象であるために、「場」としての水の本当の顔、つまり裏の重要な現象である「水の排泄」が見えなくなってしまうのです。血流や免疫反応を「単なる水の排泄現象だ!」とは誰も思いもよらないでしょう?
血圧の維持も水が必要です。涙が出なければ視界を確保できませんし、唾液が出なければ食事ができないばかりでなく会話もできなくなり、人としての社会性までもが阻害されてしまいます。

Water_1生命の営みは極論すれば(あくまでも極論です)、水の様々な形での「排泄」の一言に尽きます。血液システム・内分泌システム・免疫システムでの「場」としての水は、内部環境への水の排泄ですし、尿・汗・涙・消化液での水は外部環境への水の排泄です。
この排泄のどこかに支障があれば、システム全体に狂いが生じるのは容易に理解できるでしょう。よっぽどのことがない限りシステムに狂いが生じないと考える方が、無理な考えだと思います。

【水と臓器の役割】
尿は腎臓で生産され尿管を通過して膀胱にたまり排泄されます。
涙は涙腺から分泌されます。唾液は唾液腺から分泌されます。肺呼吸の呼気からは水蒸気が排泄されます。運動を行なった時の汗は汗腺から分泌されます。食物の消化・吸収に必要な消化液は、胃腺から胃液が膵臓からは膵液が肝臓からは胆汁が腸腺からは腸液が分泌されます。
骨髄で血液細胞・免疫細胞がつくられます。脳下垂体・甲状腺・副腎・膵臓・心臓・腎臓からホルモンが分泌されます。これらすべての臓器・器官は血液中に溶けたホルモン・電解質・濃度や自律神経を介して複雑に微妙にコントロールされています。一部が全体であり、また全体が一部であるという状態です。
ここまでは、葉から枝へ、枝から木へ、木から林への思考の広がり的考え方です。

上図のシステムの中で、一番多く排泄される水が尿ですから、尿排泄の微妙な変化は、たとえ微妙であっても他の水排泄に関わっている器官や臓器に負担をかけるというのはうなずけると思います。
調べてみるとわずかな排尿障害があり、頻尿と陰部の痛みがあるご婦人が、涙と唾液の出ないシェーグレン症候群を合併していると聞き、「排尿障害を治療したらシェーグレン症候群が軽快するよ!」と予言したのを全く根拠のないホラとは思えないでしょう?
汗分泌に負担がかかる皮膚や免疫の異常で生じるとされているアトピー性皮膚炎が、排尿障害の治療で軽快できると予測が立つのです。
掌蹠膿疱症という原因不明の手のひらと足の裏の皮膚炎が、排尿障害の治療で治ったと聞き、不思議に思わない私です。
シェーグレン症候群に関しては、次のように考えます。
軽微な排尿障害で膀胱が過敏、頻尿になった状態を体がフィードバックで抑え込もうとしたのですが、腎臓・膀胱を抑え込めなかった。その代わり、他の器官が被害を受け、涙腺と唾液腺が抑えられ、その結果、涙と唾液が出ないシェーグレン症候群になったと推理したのです。
ここでは、自己免疫抗体の存在やアレルギーなどという言葉は使用しません。大きな目的のために、複雑な過程を経て小さな器官が被害を受けたという認識でいいのです。最近は、科学的エビデンス(根拠)を追求するあまり、森が見えなくなっているのが現実です。困っている患者さんは今困っているのです。10年後20年後に治療法が考案されても遅いのです。

多汗症という原因不明の病気があります。緊張すると手・顔・腋の下からポタポタと滴り落ちるほど汗が出るのです。自律神経の病気あるいは心因性とされることがあります。健常人からすれば、汗ぐらいと思われるでしょうが、患者さんは悩み苦しみます。
隠れ排尿障害が存在していて、水分代謝に負荷がかかり、その結果、汗腺を刺激して発汗しやすくなっているのかも知れません。
この辺で、林から森への思考の広がりになりました。しかし、この広がりは恐らくまだまだ続くでしょう。

Water_1【補足 図の説明】
水の代謝の観点から考えれば、生物は水を取り込んで、ただひたすらに排泄している存在です。水の排泄形態が、尿・汗・消化液・血液・リンパ液・ホルモン・涙などの様々な形をとります。それぞれの排泄形態に付随的機能があり、医学的生理学的には、その付随的機能が重視されていて、水の排泄が軽視されているに過ぎません。
尿の出が悪ければ、他の水排泄形態に余分な負荷がかかり、汗だけに負担がかかれば多汗症になり、汗と免疫のセットで掌蹠膿疱症になると考えます。また、消化液に負担がかかれば過敏性腸症候群に、消化液と免疫に負担がかかれば潰瘍性大腸炎になるのです。

【補足】
【東洋医学の考え方】

東洋医学は、日本の漢方、古代中国の漢方、中医(現代中国医学)、チベット医学、アーユルベーダー(インド医学)に大まかに分類できます。インド医学はチベット医学や古代中国漢方に強い影響を与えています。古代中国の漢方は、日本に伝わり、日本独自の漢方になりました。中国漢方では、脈診・舌診を重視し、日本漢方では腹診に重点をおきます。中医は西洋医学に強く影響され古代中国の漢方とは別の医学と考えた方が良いでしょう。
現代医学は、解剖学・生理学・病理学・微生物学・臨床検査学を駆使して、病気と原因(病因)を科学的な手法で調べ実証しています。実証できない背景が前提となっている場合、例えば気の流れ、経絡、ツボ、チャクラなどというのは、実証できないので存在しないことと等しくなり、それらを土台にして成り立つ医学は荒唐無稽の絵空事の医学になります。
しかし、歴史的には、本来科学は神が創った混沌としたこの世界を浅はかな頭しかない我々人間の理解できる言葉で表現しようとした学問です。正確にいえば、信仰が宗教と哲学に分かれ、哲学が概念だけで思考する狭義の哲学と再現性を求める実証主義の科学に分かれたのです。何千年経過しても歴史から見れば当然完成されず、未だに手探り状態です。科学を真に知る人は謙虚ですが、中途半端に科学を知る知識人は科学を妄信します。ある意味、宗教に近いものがあります。「科学教」とでもいうべきでしょう。
私も科学的な思考法にどっぷり浸かった人間です。ですから一生懸命に科学的な考え方をするように努力しますが、それ故、科学的思考法の溝にはまり抜けなくなることがあります。
歴史が示すように、再現性のある実証、つまりエビデンス(証拠)が呪縛になり、問題の解決を遅らせるのは科学のはらんでいる矛盾でもあります。解決を早めるためには、呪縛から解放された頭の中で繰広げられるイメージの力が必要です。このような思考法が非科学的とののしられても構いません。患者さんのために科学が存在するのであって、役に立たない科学は一時でよいですから引っ込んでいるべきです。
科学的思考法は、思考が膠着し油断するとそれこそ非科学的思考に陥ることがあります。新たな科学的思考や証拠を拒絶するという愚行に出ることが、歴史を振り返るとしばしばあります。一例を挙げましょう。
出産後の産褥熱で産後の婦人がバタバタと亡くなる時代に、医師の汚い手が原因に違いないと、今では常識の医師の手洗いを薦めた医師がいました。【注】しかし、周囲の医師からは手の汚れが人間を殺せるわけがない、非科学的だとののしられました。たとえ科学的な根拠をリアルタイムに示すことができなくても、科学的な発想で証明することに意義があります。

【注】
『・・・一方,「傷は化膿して治る」という常識への挑戦も,同じく1840年代に始まる。その最初は産婦人科医,ゼンメルワイスだった。当時,出産には産褥熱がつきもので,多くの場合,それは避けられないものと考えられていた。 しかし彼は,医者が行なった出産介助で高率に産褥熱が起こっているのに,助産婦が介助した場合にははるかに少ない事に着目する。医者と助産婦で何かが違っているはずだ,とゼンメルワイスは考えた。さまざまな可能性について考え,最後に行き着いたのは「医者の手」だった。 医者は病人や産婦を見るだけでなく,病理解剖も行うが,助産婦が解剖を行なう事は無い。 当時,手術や処置の前に手を洗う習慣は無く,素手で解剖を行なった後,手についた膿を布でぬぐって,出産にたち合う事もしばしばだった。ゼンメルワイスは,解剖の時に何かが医者の手に付き,それが産婦の体内に入り込み,産褥熱を起こすと考えた。これが最も合理的に,助産婦と医者の間での産褥熱の発生率の差を説明できる。 彼は直ちに「出産に立ち合う前には,必ず手を洗うように」と医局員に命じる。それにより,産褥熱の発生は劇的に下がり,多くの産婦が救われた。 しかし,医学会は彼のこの簡単な提案とそれによる産褥熱の発生率の圧倒的な低下のデータを,徹底的に拒否した。「手を洗うなんて煩わしい」「手を洗うなんて,教科書に書かれていない」「手を洗うなんて誰もしていない」という理由で・・・。結局彼は,病院から追放され,紆余曲折の果てに失意のうちに発狂し,人生を終える。・・・』外科の夜明け(トールワルド,講談社文庫)から

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加速度脈波による血管年齢の違いと病気の違い

Fantasy27kensamyakuha動脈硬化を研究して血管年齢を測定するようになり、色々なことが分かるようになりました。
血管年齢だけを算出しても、それだけでは意味がありません。そこで、もう少し広い考え方をしてみました。

5065血圧のコントロールが悪い方は、当然のことながら血管年齢が高く出ます。
例えば、実際の年齢(実年齢)が50歳であるのに、血管年齢が65歳という風にです。20歳から老化が始まると考え、血管年齢の寿命が90歳として計算すると、実年齢50歳で血管年齢65歳の人の血管年齢90歳の時の実年齢は65歳です。つまり、この50歳の人は65歳の頃に「心筋梗塞」や「脳梗塞」によって寿命が来ることが予想できます。

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病は気から

みなさんが良く耳にする「病は気から」という言葉について解説しましょう。
われわれ日本人が「病は気から」という言葉を聞くと、ほとんどの人が、「病気は気持ちの問題だ」あるいは「気にするから病気になるんだ」と思ってしまいます。しかし、この考えは間違いです。

「病気」という言葉をよく見てください。気の病(やまい)と書いてあります。では胃がんは気の病でしょうか?肺ガンは気の病でしょうか?糖尿病は気の病でしょうか?コレステロールが高い高脂血症は気の病でしょうか?高血圧は気の病でしょうか?おかしいですね。では、なぜこのような「病気」という言葉が存在するのでしょう。

これは中国で成立した名称です。中国では、病はすべて「気」というエネルギーが関係していると思われています。気が足りない状態を「気虚」、気が滞っている状態を「気滞」といいます。
人がもともと持っている気を「元気」と言います。大気から肺に蓄えられた気を「宗気」と言います。宗気と食べ物から脾が造り出した気が合成したのが、「営気」と「衛気」です。営気と衛気は同じもので属性が異なります。陰に属するのが営気であり、陽に属するのが衛気になります。それぞれの臓器にも特徴付けられた気が存在し、心気、腎気、肝気などと呼びます。

日本人は目に見えないものには価値を認めません。ですから、病気は「気」が原因だと中国から輸入した知識を一部の知識人には理解されたとしても、その常識が日本の一般の人々に広まるころには、「目に見えないエネルギーという気」から「気持ちの気」に変化して、病気は気持ちの問題だと誤解されてしまったのです。

Kokorobyouki病気には必ず原因があります。原因がなくて病気にはなりません。
右のイラストで示すように、病気の原因があると、それを感知・認識する心・魂・知性・脳が存在します。そして心と病気の原因との間でキャッチボールを行うようになります。初めの頃は、大したキャッチボールではありませんが、次第に、そのやり取りが激しいものになります。その状態が病気になるのです。

その病気の原因が不明瞭の場合には、心の病気と誤診されるのです。慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんの中には、排尿障害がその原因であることがとても多いのです。しかし、排尿障害の検査もしなければ、もちろん排尿障害の治療もしないので、この病気は治らないで苦しみます。多くの患者さんが心因性や神経性と誤診されるのです。

心や魂や知性は、脳という場が存在しなければ機能を果たせません。脳動脈硬化症や脳血管障害などで脳という場が正常に保てないと、心は機能を果たせなくなります。すると、病気の原因と頻繁にキャッチボールができなくなりますから、病気は次第に改善し、ついには病気がなくなります。その典型的な例が、認知症の病気の自然治癒です。

逆説的な見方をすれば、病気を悩まれている方は、心が健常である証です。

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癌の進行・転移と免疫の関与

癌細胞は出来初めからしばらくの間は一ヵ所に固まっています。しかし、ある一定の数・大きさになると、周囲の組織に浸潤・進行・転移します。そのため一ヵ所の臓器に留まらず、越境して周囲の臓器あるいは遠隔の臓器・骨に転移し、機能障害を起こし最終的には全身の悪液質(全身の機能障害)で最後を迎えることになります。
その間、身体からは癌細胞を抑えるために免疫システムが強く働くと考えられます。免疫抗体・リンパ球・マクロファージ・白血球などなど、私が理解できないくらいの多くの細胞とサイトカイン・化学物質が放出され癌細胞と戦うとされています。

癌末期の患者さんが認知症(俗に云う痴呆症)になったとたん、それまで悪化の一途だった癌の進行が停止し、最後には癌死ではない臨終だったエピソードを知り、癌の臨床上の悪化に疑問を感じるようになりました。

もう一つエピソードをご紹介しましょう。これは私の体験談です。
ある高齢のご婦人で国立病院で大腸癌を手術した患者さんが、時々私のクリニックに通院していました。病気のことなどを相談されていました。一見して健康状態は良かったのですが、一年ほど通院するうちに、鎖骨上のリンパ節が触れるようになりました。消化器癌で有名な「ウィルヒョーの転移」です。国立病院の外科の主治医はリンパ節の組織検査を行い、癌細胞を培養し抗癌剤の感受性をみて治療に応用しようと患者さんに提案しました。転移部位を検査のために処置すると病状が悪化することを経験上知っていましたから、避けるようにアドバイスしました。ところが国立病院の主治医の熱意に負けて、そのご婦人は組織検査を承諾したのです。街の小さな開業医よりも国立病院の新進気鋭の外科医に従ったのでしょう。私は仕方がなく、主治医に組織の採取は一部だけにしてもらいなさいと患者さんにアドバイスしました。そして主治医にそのように伝え検査を受けました。
組織検査後1ヵ月ほどしてご夫人が来院しました。組織検査した部分は、以前にも増して大きくなっています。皮膚の色も暗赤色です。患者さんにお聞きすると、「腫れたリンパ節を全て除去された。2週間もするとリンパ節は元の大きさに戻り、今では前よりも大きくなっている。」というのです。そして抗癌剤の感受性の結果は、効果のあるものはないというのです。ご婦人は失意の上、病状はますます悪化して1ヵ月後他界されました。結果的には患者さんは、国立病院の主治医の興味本位の無責任な治療と無智による被害者です。

さて、真逆のエピソードを二つ紹介しました。無自覚の患者さんの身体の一部に癌が発見され治療始めると、それまで静かにしていた癌細胞が、人が変わったように腫大・進行・浸潤・転移と大騒きをするのです。こんな短期間に細胞の性格・性質が変わることに不思議でなりません。癌細胞だからそのように変化するのだと思い込んでいましたが、細胞生物学的には不思議な現象です。細胞の核には、たとえ癌細胞であっても情報元であるDNAが存在し、細胞としての機能を制御しています。細胞分裂の際の核分裂は、正常な細胞に比較して完全なコピーはできませんから、不完全な細胞分裂になります。DNAの情報も正常に伝達されません。だから悪性化するとの考え方もありますが、DNAが不完全だから細胞は死滅するという考え方も50%の確率である訳です。ところが現実的には悪化がほとんどです。これはどのように考えたらよいのでしょうか?

Cameta2そこで、右のイラストを作りました。
癌の初期には、癌細胞は集団で一つの塊りとして集合しています。身体の免疫システムに探知されると、癌細胞は攻撃を受けます。免疫システムによる攻撃は癌細胞を全て抹殺できるものと、私たちは思い込んでいます。あるいは順次攻撃を加えて端から順に癌細胞を抹殺していると思っています。それが免疫システム攻撃の本当の姿なのでしょうか?

Cameta実は、免疫システムで確かに癌細胞が抹殺されますが、全てではないのでしょう。本音を言えば、抹殺されるのはホンの一部の癌細胞だけでしょう。なぜなら、癌細胞が塊り(腫瘍)としてCTや他の検査で発見されるためには、何十万個もの癌細胞の集団になっている必要があるのです。時系列から考えれば、数十個・数百個単位の癌細胞の小さな集団の時にさえ探知あるいは抹殺できなった訳ですから、何十万個もの癌細胞の大集団を殺せる訳もありません。

免疫の攻撃にもかかわらず、残念なことにほとんどの癌細胞は無傷で残り、しかも大きな塊りは免疫の中途半端な攻撃により分解バラバラにされます【注1】。バラバラにされた癌細胞の一部は仲間から開放されて血流・リンパ液に乗って他の臓器に移動します【注2】。いわゆる「転移」です。さらに、それまで密集していたために狭くて増えることができなかった癌細胞は、バラバラにされ隙間ができたので細胞分裂を繰返し癌細胞が増殖します。つまり免疫システムの中途半端な攻撃が癌の「悪化」の張本人になるのです。この現象は免疫システムに限ったことではありません。効きの悪い抗癌剤治療や放射線治療も同じでしょう。癌細胞の完全抹殺ができないのであれば、このように癌を「悪化」させるだけの逆の治療になるのです。
【注1】癌細胞の塊りは立体的な構造物ですから、平面的なイラストで考えるよりも2倍以上にバラバラに分解されます。
【注2】癌細胞は臓器・組織の細胞から癌化して生じたものですから、癌細胞自らが自力で移動できる訳もありません。恐らく免疫システムの掃除担当の免疫細胞が癌細胞の移動に手助けをしているのでしょう。

代替医療のおもな目的は免疫力を上げることです。患者さんも医師も免疫力を上げることで癌細胞を抑えることができると信じています。あるいは免疫力を強力に上げることが代替医療の最終目標・夢と思われているかも知れません。では免疫力を上げるとはどのようなことでしょう?
1203667177451具体例をあげて解説しましょう。戦争の前線で敵の戦車を前にして、1人の歩兵が22口径のピストルで攻撃しても歯が立ちません。ところが同じ銃でも対戦車用徹甲弾ライフルがあれば、1人の歩兵が弾丸一発で戦車を止めることができます。敵の戦車を癌細胞、歩兵の武器が免疫力だと想定します。免疫力を上げることが、22口径のピストルから対戦車用徹甲弾ライフルに持ち替えたことであるなら、癌細胞である戦車に立ち向かうことは勝算のある選択です。しかし、もしも免疫力を上げることが22口径の弾丸を1万発補充されることであれば、戦車に立ち向かうことは無謀でしょう。(ちなみに最近の戦車は装甲が頑丈で徹甲弾を跳ね返すらしいですが・・・)
私たちは免疫力を上げることは可能でしょうが、22口径の弾丸を1万発補充することに相当する治療であるならば、癌細胞には決して勝つことはできません。

Ied_sim現実に目を向ければ、イラク戦争でアメリカの猛攻撃でフセイン政権は崩壊しアメリカが勝利したかに思えましたが(写真参考ブログ)、フセイン支持派は隠れ、国は未だに安定していません。今では自爆テロなどでアメリカ兵も罪もない一般住民も犠牲者としてその数は増える一方です。収拾がつかないのが現実です。まるで免疫システムや抗癌剤で攻撃を受けた癌細胞の動向に似ていませんか?収拾がつかない癌末期の患者さんの状態に似ていませんか?

以上の仮説が正しいとすれば、癌の治療方針がもう少し繊細なものになるでしょう。ここで、免疫システムに影響を与えるものを考えてみましょう。
【食事】
タンパク質やカロリー摂取が多いと、免疫抗体やリンパ球の働きが盛んになります。
逆に、タンパク質やカロリー摂取が少ないと白血球の働きが盛んになります。
水分のとり過ぎは、免疫抗体・リンパ球・白血球の全ての働きを盛んにします。
【薬剤】
抗生剤や消炎鎮痛剤の服用は、白血球の働きを抑えます。
ステロイド剤は、免疫抗体・リンパ球・白血球の働きを抑えます。特に免疫抗体の働きが抑えられます。
抗アレルギー剤は、リンパ球の働きを抑えるものと白血球の働きを抑えるものに分かれます。
【生活環境】
高気圧の下では、白血球の働きが盛んになります。
逆に低気圧の下では、免疫抗体・リンパ球の働きが盛んになります。
運動を頻繁に行なっている人は、白血球の働きが盛んになり、免疫抗体・リンパ球の働きが抑えられます。

さてさて、話しが長くなりました。
まとめると、ひとたび癌にかかった方の免疫システムは、癌治療には役に立ちません。それどころか足を引張ります。免疫力を上げることが癌の進行・増殖・浸潤・転移を手助けしていると考えた方が理にかなっている考えるからです。
では胃癌・大腸癌・肝臓癌などの固形癌の場合、癌として発見されてからは、どのような対処をしたら得策なのでしょうか?
現代医学では、まず第一選択として外科手術を否定することはできないでしょう。しかし、あくまでも最低限の姑息的な手術が最適です。根治的手術は患部の所属リンパ節の除去を目的とします。一見理想的に思えますが、リンパ節の除去により患部周囲のダメージは強く、術後の物理的炎症により不必要な免疫を刺激し手術範囲を超えている癌細胞を刺激するだけです。
術後の抗癌剤の使用は価値が無いでしょう。
白血球の興奮を抑えるために、習慣で運動している人は減らすようにしましょう。天候が高気圧の際には、少量の抗生剤や鎮痛消炎剤を服用するとよいでしょう。
免疫抗体・リンパ球の興奮を抑えるために、食事のタンパク質(肉類)やカロリー摂取は、病後といっても程ほどにしましょう。しかし摂取しないと白血球が興奮しますから注意を要します。
水分の過剰摂取は免疫全体を興奮させますから、食事以外で取る水分は500ml~1㍑に抑えましょう。
免疫全体の興奮を穏やかにするため、少量のステロイド注射を定期的に接種する方法もあります。

【注意】以上の仮説と対処法は、私の独善的考えですから、話し半分として理解して下さい。

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光学異性体

分子には光学異性体・鏡面体と呼ばれる存在がある。

 分子は三次元的立体構造を持っています。分子が複雑になれば、同じ構造式でも立体的に見ると、光学異性体、つまり鏡に映した本体と全く同じ左右反対(鏡面体)の分子が存在します。その光学的特性の違いで二つをD型とL型と分類します。D型とL型は構造式は全く同じですが、鏡で反射させた物のように左右が正反対になります。そしてD型とL型の物理的特性は全く同じですが、化学的特性や生物活性は異なります。

 実例を挙げるのなら、自然界のアミノ酸は全てL型ですし、ブドウ糖は全てD型です。当然私たち生物の必要なタンパク質は、筋肉・細胞膜などの構造タンパク質も含めて全てL型アミノ酸で合成されています。生体がエネルギーとして利用するブドウ糖は全てD型になります。もしもD型アミノ酸とL型ブドウ糖を食事として摂取しても、私たちは利用できません。

 人間が人工的に全て作り上げることのできる、自然界の物に似せた多くの物質は鏡面体であると耳にしたことがあります。安価な合成ビタミン剤など多くのサプリメントは、これら光学異性体を考慮しているのでしょうか。もし合成サプリメントが自然界のサプリメントの鏡面体であるならば、摂取しても全く意味がない、場合によっては害になるのかも知れません。

 以上のような理由から、ビタミンなどのサプリメントは、天然果実・野菜を材料にした製品をお薦めします。ただし合成サプリメントに比べお高いのが玉にキズですが...。

参考書籍 sayuu.jpg

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異端児・千島学説

千島学説をご存知ですか?
千島博士が提唱した学説です。「千島学説」を要約すると次のような内容になります。
●赤血球は食べ物を原料に小腸柔毛で造られ全身の細胞の元になる。
●全身を何回か巡回した赤血球が、臓器情報を獲得し個々の臓器の細胞になる。
(例えば、赤血球が何回か肝臓を巡るうちに肝臓細胞の情報を獲得し、最終的には肝臓細胞になる。)
●食事内容が不健康であると、赤血球が不完全で将来的には癌細胞になる。
●精子や卵子も赤血球から造られる。

血液は骨髄で造られると信じている現代医学からは異端視された学説です。実際、上記の内容を簡単に容認できる医師は極少数でしょう。
ノーベル賞で有名な湯川秀樹博士の言葉「真理は常に少数派とともにある」というのが本当であれば、現代医学は根底からひっくり返ります。

【写真】は赤血球が骨髄から出ようとする瞬間だと云われる有名な電子顕微鏡像です。赤血球が骨髄で造られる証拠とされています。
しかしよく見ると赤血球が骨髄に侵入しようとする瞬間にも見えます。
rbc.jpg


千島学説に興味ある方はHPをご覧下さい。

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Oリングテスト

Oリングテストをご存知ですか。
代替医療の医師や治療師が行う検査法の一つです。

人差し指と親指で輪を作り(Oリング)、もう一方の人差し指を自分の気になる体の部分(病気の個所)や体に良くない食べ物に当てて、先ほどのOリングを第三者に開くように力を出してもらうと、簡単に開いてしまう場合は悪い個所・不健康な食べ物と診断する方法です。逆に体に良いもの・病気でない部分であればOリングは簡単に開きません。
Oリングテスト oring.jpg


1年前にある泌尿器科で有名な病院で内視鏡手術を受けた膀胱ガンのご婦人が私のクリニックにセカンドオピニオンのために来院しました。
簡単にできる超音波エコー検査を行うと、膀胱の左壁にわずかにガンの影が見えます。
手術を受けた病院に行きなさいと指示した所、今有名な代替医療の医師にかかっていて、その医師がOリングテストで病気は治っていると判断したと言うのです。そのため、私の言葉には聞く耳持たずで、口では「はいはい」と言っていましたが、結局ご婦人はそのまま様子を見てしまいました。

1年後、頻尿が強くなり再度受診、超音波エコー検査で見たところ、膀胱の半分以上が膀胱ガンに置き換わっていました。
ご婦人は、つい最近もその有名代替医療の医師がOリングテストで大分治ってきたと診断したそうです。
ご婦人にもう一度前の手術をした病院に行くように強く勧めました。

私は代替医療も行っていますから、Oリングテストを全面的に否定するわけではありません。
しかし、どんなに素晴らしい検査でも完全無比な検査はこの世には絶対存在しません。
私の自論としてはどんな検査でも30%の確率でウソをつくものだと思っています。一つの病気に対して色々な検査法を行い、総合的に病気の判断材料にするのです。検査とはそういうものです。
そんなことも分からないで、一つの検査に固執するのは、医師を信じる患者さんに対して犯罪であり、その有名医師の存在そのものが悪です。(怒り!)

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