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タガメットの適応外処方

Tagamet
昔からある胃潰瘍の薬でタガメットという薬剤があります。
H2ブロッカーというひと昔前の薬剤です。
現代ではPPIという胃潰瘍の治療効果の高い薬剤、ネキシウム・タケプロンなどが開発されて、タガメットの出番はなくなりました。

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【参考文献:カレント・メディカル日経BP社】
ところが、ある時、1950ページもある医学書で調べ物をしていたら、尋常性疣贅(イボ)のページに、参考抜粋で示す内容が目にとまりました。タガメット=シメチジンを免疫治療として尋常性疣贅・イボの治療に利用するというものです。イボなどを腫瘤性病変と考え、治療に応用してみようと考えました。この事を知ってから、指にできたタコやイボをはじめ、性病の尖圭コンジローマやボーエン型丘疹症などのイボ病変に使用しました。本来の治療薬と併用して適応外処方すると、効果が出てかなりの確率で消えてしまうことが分かりました。つまり、良性・悪性に関係なく、抗腫瘍効果が期待できるのです。当然、当院で初めて前立腺ガンと診断した患者さんには、必ずタガメットを処方しています。

もう1つのタガメットの応用の考え方として、膀胱三角部が過敏になってしまった慢性前立腺炎や間質性膀胱炎や過活動膀胱の患者さんは、膀胱三角部を膀胱にできた「タコ」と考えるのです。タコの治療薬であるタガメットを処方すれば、膀胱三角部の過敏さを抑えることができるかも知れません。
慢性前立腺炎や膀胱炎で悩まれている方に、試されたらいかがでしょうか?

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コメント

高橋知宏先生

先生のこの記事を地元の担当医にお見せし、10月の下旬よりタガメットを処方していただいて、服用を続けているところです。およそ2か月経過した現在までのところ、自覚できる作用も副作用もありませんが、自分としては、少なくとも半年間(少なくとも来年4月ごろまで)は、このままタガメットの服用を続けてみたいと考えています。

αブロッカーとベオーバの服用も継続しています。タガメットについては、1日1回400mgを夜に服用しています。タガメットの服用量をもっと増量するほうが良いのだろうかと思うこともあります。

ただ、果たして、小生の膀胱三角部の肥厚部が、その後、どのように変化しているのか、あるいは変化していないのかの検証が未だです。すなわち、タガメットの効果については、自分の場合、未知であり、不明なままです。

ゆえに、来年の4月ごろに、高橋先生のクリニックを再びお訪ねさせていただいて、高橋先生による検証(エコー検査)を受けたいと考えております。

以上のような次第で、自分としては、少なくとも半年間はタガメットの服用を継続しようと考えています。

高橋先生のご見解はいかがでしょうか。

【回答】
クスリがすべて効果が出るとはかぎりません。
したがって、半年間服用しても効果がなければ断念してください。
また、正規の投与量だと、体が拒否反応することがあります。
そういった意味では、クスリは少量の方が良いでしょう。
前立腺を柔らかくすると症状が軽減することがあるので、アボルブも試されたらいかがでしょうか。

投稿: 診察券番号37097、Y.O | 2019/12/26 18:31

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