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男性の更年期障害

更年期障害という言葉を聞くと、ご婦人の「更年期障害」を連想しますが、最近では男性の更年期障害も話題に上っています。
Miura実は、私は最近まで男性の更年期障害なるものは「机上の空論」だとバカにしていました。そして男性ホルモンを注射している医師に対して疑惑の目を向けていたのです。ところがです・・・金沢で開催された日本泌尿器科学会で講演された三浦雄一郎さんの講演を拝聴し考え方が変わってしまいました。
ご存知の三浦雄一郎さんは80歳過ぎでエベレスト登頂に成功した著名人ですが、実はそれまでにはとてもご苦労があったのでした。60歳ころ身長165cm体重90kgの肥満体で高血圧・成人病、小高い山にも登れない体力だったそうです。不整脈があり、骨粗鬆症と骨盤骨折も経験したことがあるとか。


Kumamotoそんな体力に自信のない三浦さんが一念発起してエベレストに登ろうと無謀な夢を抱いたのでした。個人で行う体力トレーニングには限界があります。専門家の指導で徐々に体力を付けていた頃、同じ北海道の関係で札幌医科大学泌尿器科名誉教授熊本悦明先生を紹介されます。
熊本悦明先生は泌尿器科学会の中でも異色の存在で、男性は生涯肉体的にも精神的にも現役で生きなければならないという考えをお持ちで、ご自分自らも男性ホルモン(テストステロン・エナルモンデポー)を注射されている御仁です。
エベレストに登るために体力を作ろうとするご老人の三浦雄一郎さんと、男性は生涯現役でなければならないと考える熊本悦明先生との出会いは、当然の結果を招きました。三浦さんは2週間に1回男性ホルモン注射を受け、ED治療薬であるシアリス(動脈硬化の進行を抑える作用があるのでアンチエイジングの世界では多用されている薬剤でもある)を週に何回か服用して、次第に体力が増強し、エベレスト登頂前には背筋力は120kg以上というすごいパワーにまでなったそうです。そして80歳にもかかわらず、萎えていた気力も回復して朝立ち(勃起)はするわ!でビックリするくらいの回復力で、あのエベレスト登頂を成功させたのです。
ここまで事実を見せつけられると、男性更年期障害を否定するこちらの気持ちが萎えてしまいました。逆に私も男性更年期障害の診断と治療を始めてみようと試行錯誤し始めました。まずは自分の慢性腎不全の治療と男性更年期障害の接点を見つけ、更に自ら男性ホルモン注射を打ってみました。腎臓の悪い私にとってはそれなりの副作用のリスクも注意しなければなりませんが・・・、ホルモンと腎臓という観点も面白い視点です。乞うご期待です!
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男性の更年期障害の診断と治療は、現時点では残念ながら保険診療では制約があって利用出来ません。
自由診療になります。当院では次のように取り決めしています。
・初診料:3千円
・再診療:2千円
・ホルモン検査料+超音波エコー検査*:2万円
・男性ホルモン注射
エナルモンデポー250mg:1回3千円(3週間~4週間に1回注射)
エナルモンデポー125mg:1回2千円(2週間に1回注射)
・胎盤成分注射
メルスモンまたはラエンネック:1回1500円(毎週1回以上)
胎盤成分には胎児を育成させるための様々な生物活性物質が含まれている。肝炎の治療薬としてエビデンシがある。希望者のみの注射である。
・シアリス10mg:1錠1500円
一酸化窒素NOの分解酵素を一時的に抑えることで血管平滑筋の弛緩を持続させる、緊張を緩和させる作用がある。結果、動脈硬化の進行や悪化を防ぐので、アンチエイジングやEDインポテンツの治療薬になる。
・大豆イソフラボン
主要成分であるアグリコン型イソフラボンには平滑筋の興奮を抑える作用がある。
*前立腺癌」や前立腺肥大症が男性ホルモン注射で悪化するため、事前にチェックする必要がある。

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