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男性の更年期障害#7 「症状のスコア」

男性の更年期障害の症状を下に掲げる項目で評価しスコアを合計します。
軽度:たまに、中等度:時々、重度:いつも、と言葉に置き換えて考えても良いでしょう。
26点以下が正常、27点~36点は軽度、37点~49点は中等度、50点以上は治療の必要があると考えます。

体力の衰えを感じる
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
関節痛や筋肉痛がある
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
突然汗をかくようになった、寝汗をかく
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
眠れない、睡眠が浅い
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
いつも眠い
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
イライラする,カッとなる
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
神経過敏である
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)
不安症である
なし(1点)、軽度(2点)、中等度(3点)、重度(4点)、辛い(5点)

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男性の更年期障害#6 「ホルモンの作用・働き」

テストステロンのお話をしましたが、具体的にその作用や働きについて、もう少し深く調べてみましょう。
1〉テストステロン
頻繁に出てくる男性ホルモンの代表です。
①タンパク合成同化作用:
②骨形成作用
③基礎代謝亢進作用
④体毛増毛作用
⑤睾丸下降作用(停留睾丸改善作用)
⑥胎児期の生殖器発育刺激作用
⑦男性的攻撃性・活力の促進作用

2〉DHT(ジヒドロテストステロン)
末梢組織(前立腺)でテストステロンから合成されます。
前立腺肥大症の原因ホルモンです。
頭髪を減少させます。

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男性の更年期障害#5 「治療してはいけない人」

「治療すべき人」がいれば、逆に「治療してはいけない人」がいる筈です。
その代表的な病気が、前立腺肥大症と前立腺癌です。
どちらの病気も、男性ホルモンであるテストステロンやその代謝産物であるDHT(ディヒドロテストステロン)によって増殖し、悪化、進行します。
ですから、これらの病気の事前のチェックなしに男性更年期障害の治療を実行することは、とても危険極まりないと言えます。
男性更年期障害を泌尿器科医が実施していたり、あるいは泌尿器科医とタイアップして行っていれば安心でしょう。それでも、初回の診察で前立腺肥大症も前立腺癌も確認できなかったからと言って安心はできません。半年に1回くらいはチェックの必要があります。

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男性の更年期障害#4 「うつ病」

慢性前立腺炎で通院中の60歳代の患者さんです。
以前から治療に対して反応が抵抗します。奥様も心配になり、時々ご一緒に来院されます。私が男性更年期障害の治療を行っていることを知り、奥様の方が積極的に質問されて来ます。
元気はなく、食欲はなく、顔には表情もありません。そこで手を診せていただきました。手相を観るのではなく、人差し指の長さをチェックしたのです。明らかに人差し指が薬指に比べて短いのです!そこで提案をしました。「更年期障害による心の病気かも知れません。男性ホルモンを注射してみましょう」と。「強い反応や副作用が出るとご心配でしょうから、少ない量を始めてみましょう」と言って、エナルモンデポー125㎎注射しました。4月28日(火)のことです。

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男性の更年期障害#3 「注射のタイミング」

Testosteron100200男性ホルモン(テステトステロン)の投与タイミングを考察しましょう。
データでは、健康男子にテストステロン100㎎注射すると、1週間後には血中濃度が最高に達し、3週間後には測定できなくなります。つまり、テストステロン100㎎注射であれば、2週間ごとに注射すれば血中濃度は一定に継続できることになります。
その結果から推理すると、テストステロン200㎎注射であれば、ピークは7×√2≒10日で、4週間後には生物活性が消失するでしょう。したがって、200mg注射の場合、3週間ごとに注射すれば」血中濃度は一定に保つことができます。
当院のテストステロンは商品名としては、エナルモンデポー120㎎注射とエアナルモンデポー250㎎注射の2種類がありますから、これを利用しています。

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男性の更年期障害#2 「治療すべき人」

Lhfsh前回のテーマでを更年期障害を解説始めましたが、まずは自分の体がどうなっているかが興味が湧いてきます。そこで採血をしてみました。ホルモン検査です。
LH(黄体形成ホルモン・男性の場合は精子形成ホルモン)
FSH(卵胞刺激ホルモン・男性の場合は間質細胞刺激ホルモン)
テストステロン(男性ホルモン)
エストラジオール(E2・卵胞ホルモン)
DHT(ディヒドロテストステロン)
を調べれば、性ホルモンの力関係は理解できる筈です。
生理学の専門書・教科書で調べると図の様なフローチャート図になっています。
・・・で、私のホルモンの値を調べるとテストステロン=男性ホルモンは正常範囲内ですが、どういう訳かエストラジオール=卵胞ホルモンが高めなのです?そして、上位ホルモンであるLHとFSHも高めなのです。さあ理由が分かりません。
ここで熊本悦明先生の本の中にヒントがありました。

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男性の更年期障害

更年期障害という言葉を聞くと、ご婦人の「更年期障害」を連想しますが、最近では男性の更年期障害も話題に上っています。
Miura実は、私は最近まで男性の更年期障害なるものは「机上の空論」だとバカにしていました。そして男性ホルモンを注射している医師に対して疑惑の目を向けていたのです。ところがです・・・金沢で開催された日本泌尿器科学会で講演された三浦雄一郎さんの講演を拝聴し考え方が変わってしまいました。
ご存知の三浦雄一郎さんは80歳過ぎでエベレスト登頂に成功した著名人ですが、実はそれまでにはとてもご苦労があったのでした。60歳ころ身長165cm体重90kgの肥満体で高血圧・成人病、小高い山にも登れない体力だったそうです。不整脈があり、骨粗鬆症と骨盤骨折も経験したことがあるとか。


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