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いびき(鼾)の功罪

Ibiki【図:大阪がん循環器病予防センターHPから】
私も昔から「いびき」がひどくて、妻が一緒に寝てくれなくなりました。子どもたちは私の「いびき」を子守唄として聞いていたので、スヤスヤと寝入ってくれました。
高が「いびき」と思っていたのですが、最近、考え方を改めるようになりました。よく寝たつもりなのですが、日中も何となく眠くなることがあります。昼食後、ソファで横になると短時間で意識がなくなるのです。
そこで睡眠時無呼吸症候群SASなる病気に興味を持ち始め、ブログに知識を蓄積しているのです。

「いびき」は、寝ている状態で喉の奥、つまり舌根が後方に落ち込んで気道を不完全に閉塞して、睡眠時に振動することから発生する呼吸障害です。
気道抵抗が高く呼吸を誘発出来ずに停止した状態が「睡眠時無呼吸症候群SAS」になります。無呼吸の状態にならない状態であっても、呼吸するために努力呼吸をしていることにもなります。
どちらにしろ呼吸状態の悪化で、血液中の酸素濃度が低下します。酸素欠乏状態は交感神経を睡眠中も興奮させ、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病の原因になっているとも言われています。睡眠中にもかかわらず交感神経が興奮している状態=睡眠中に戦闘態勢に入っていることと同じです。つまり睡眠中に体全体が休息を取っていないのです。
欧米の睡眠障害のデータでは、睡眠時無呼吸症候群の患者さんのリスクは、健常人に比較して高血圧が2倍、狭心症が3倍、心筋梗塞や脳梗塞が4倍にもなるそうです。
日本のデータでも、睡眠時無呼吸症候群SASの40%が糖尿病患者だそうです。

Ibikisound
さて、今までの考え方は、あくまでも低酸素状態によって生じる身体的な防御反応が作る病態です。ここで私のチョッと変わった考え方を紹介しましょう。
舌根周囲で鳴っている「いびき」の音、あるいは振動はかなりのものです。場合によってはガード下や道路の騒音公害に近いものがあります。一説によると40デシベル~80デシベルの騒音と言われています。外国の例では、妻の「いびき」がひどくて夫が苦悩しているという例がネット上で紹介されています。そのいびきの騒音は111デシベル、何とジェット旅客機が低空飛行している騒音と同じ音圧だったという記録まであるそうです。その振動が人間の喉の奥で6時間~8時間にも渡って鳴り響いているのです。その振動を長時間に渡って受け続ける脊髄・脳・血管に物理的負担がないとは考えられません。

「振動病・白蝋病」という病気をご存知ですか?チェーソーや削岩機やドリルなどの強く振動する機械を取り扱う人たちの職業病で、手足がしびれたり痛くなったり、末梢血管の循環が悪くなり手足が蝋のような皮膚になる病気です。明らかに振動障害の病気です。
この振動障害で生じる振動病と同じで、いびきの振動で脳・脳下垂体・視床下部・脳血管・眼底血管・毛細血管・脳細胞・脊髄神経などあらゆる組織や細胞が振動エネルギーに被曝されると考えれば、「いびき」は万病の元となります。
様々なホルモンを分泌する脳下垂体が振動で障害されれば、内分泌異常の病気になるでしょう。その結果、糖尿病や甲状腺の病気になるかも知れません。自律神経の中枢である視床下部が障害されれば自律神経失調症や更年期障害になるでしょう。動脈は振動に耐えられるように硬くなります。それが動脈硬化につながり、脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・動脈瘤・くも膜下出血・解離性動脈瘤破裂に進行しても不思議ではありません。振動を咽頭からと頭蓋骨からの反射波のダブルで被曝する脳細胞が器質的には障害が生じていなくても、機能的に低下し、その結果、記憶力低下・鬱病・認知症に進まないと誰が断言できるでしょうか?
咽頭の真後ろにある頸椎も振動をまともに受けます。それが原因で頸椎黄縦靭帯骨化症という原因不明の変性疾患が出現するのかも知れません。
振動は眼球を刺激し、レンズである水晶体が白濁変性したのが白内障と考えることもできます。白内障の手術をすると術後眼圧が高くなり緑内障になることがあります。振動吸収材である水晶体が、人工のレンズ=アクリル製のレンズに交換されたので、眼球全体に振動エネルギーが影響を及ぼし眼圧が高くなり緑内障になるのかも知れません。

悪い原因は未病のうちに解決するべきでしょう。そういう意味で「いびき」の治療は必要かも知れません。


【参考文献】
いびき 睡眠時無呼吸症候群を治す 來生哲監修 旬報社

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