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未病と病気

Mibyobyoki動脈硬化を深く考える機会を得て、慢性的な治りの悪い病気の原因は、恐らく右の模式図のようになっているという考えに落ち着きました。
人は「オギャー」と生まれてすくすく育ちます。ある一定期間は「健康」という状態が続きます。しかし、正常な生理的現象が必ずしも生体にとって健康をいつまでも維持してくれるとは限りません。「様々な要因」、ここでは仮に「老」と呼びましょう、が「機能性障害」を生みだします。
「機能性障害」は機能検査を初めは精密に実施しなければ分かりませんが、同じ要因が常に継続しますから、機能性障害は次第に「器質性障害」へと変容します。この時点で機能検査はもちろんのこと、画像診断でも異常所見がでます。しかし、この時点でも患者さんに症状が出ていなければ、患者さんは放置します。この状態を「未病」と定義されます。
「器質性障害」は常に同じ要因で被曝され続けられますから、次第に状況は悪化します。結果、「器質的膠着状態」になります。さすがにこの時点で、多くの方がハッキリした症状を自覚します。
例えば「心筋梗塞」や「脳梗塞」や「慢性前立腺炎」「間質性膀胱炎」がそうです。(ちなみに「機能性障害」では「狭心症」や「脳虚血発作」や「心因性頻尿」「過活動膀胱」「気のせい」として診断されるでしょう。)
しかし、「器質的膠着状態」は一般的に表面的な治療に終始し、本質的な原因である「要因」には全く手をつけないので、最終的には「致命的障害」に陥り、難治性の病気あるいは死に至る病気になるのです。
例えば、コレステロールの治療、血圧の治療、抗血小板治療などが「器質的膠着状態」に対する表面的な治療です。これらの治療で「脳梗塞」の再発率が1年で10%、5年で30%、10年で50%にものぼり、決して本質的な治療でないことが分かります。
泌尿器科的には、「前立腺肥大症」や「神経因性膀胱」「膀胱委縮」と診断されるのが、この範疇の病気です。

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