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コレステロールから動脈硬化へ#7 「動脈硬化の集学的治療」

今まで、動脈硬化について解説してきました。それでは、どのように企画したら完全無比の有効な治療が出来るのでしょう。
考え方として、次のように考えられます。
①コレステロール値を適度に下げる。
②ARBを主軸に内皮細胞を保護するように血圧を下げる。
③心拍数を少なくする。
④交感神経緊張を緩和させる。
⑤糖尿病のシッカリした治療
⑥植物エストロゲンである大豆イソフラボンを利用する。
⑦一酸化窒素NOの補充を考える。
⑧定期的に血管年齢を測定する。

①コレステロールについて
コレステロールは血液中に多いと、血管壁に蓄積されます。
蓄積された血管壁内の悪玉コレステロール(LDL)が、マクロファージによって食べられ、その結果、動脈硬化になります。ですから、コレステロールが高い方は高脂血症治療薬を服用することが大切になります。

②ARBについて
血圧の薬で、血管内皮細胞を保護してくれるエビデンスがあるのは、現時点で、このARB(アンギオテンシンⅡレセプター・ブロッカー)だけです。
血圧が高いと、動脈硬化は進行しますから絶対に治療は必要です。ARBを治療の主軸にして、それだけ単独では十分な降圧効果が得られない場合には、他の薬を併用すべきでしょう。

③心拍数について
心拍数が多い人は、様々な病気で亡くなるリスクが高くなります。
特に心臓・血管系の病気、心筋梗塞・脳梗塞などです。ですから、心拍数を下げるような薬が必要になります。
とてもポピュラーな高血圧の薬剤であるカルシウム拮抗薬は、降圧効果は高いのですが、自律神経の反射作用で心拍数が多くなる場合があります。

【備考】
脈を触れる時に、ドクッ・ドクッと感じます。血圧の高い部分(最大血圧)と低い部分(最小血圧)のどちらが感じるか分かりますか?
常識的には、ドクッの部分が最大血圧で「・」の部分が最小血圧だと思われるでしょう。本当はどちらも不正解なのです。なぜなら、血圧は常に一定で血管に圧力がかかっていますから、同じなのです。強いて言うならば、ドキッと触れる時が血管が拡張していますから圧力は下がる筈です。

コレステロールから動脈硬化へ#1 「更年期とコレステロール」
コレステロールから動脈硬化へ#2 「コレステロールと動脈硬化」
コレステロールから動脈硬化へ#3 「動脈硬化の進行・悪化」
コレステロールから動脈硬化へ#4 「治療のエビデンス」
コレステロールから動脈硬化へ#5 「動脈血管生理の本質と誤解」
コレステロールから動脈硬化へ#6 「接着分子の存在価値」

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