動脈硬化の検査

動脈硬化の判定には、いろいろな検査装置があります。循環器の専門医は、種々の測定器で動脈硬化を判定しています。
一般的には、血圧測定により間接的に動脈硬化を予想します。
血圧が高ければ動脈硬化の可能性がありますし、逆に現在は動脈硬化がないかも知れませんが、将来的に動脈硬化になる可能性が高いと予想します。

脈波コロトコフ音記録計（パラマ・テックHP）】
血圧測定の際に、コロトコフ音を測定して動脈硬化を判定する装置もあります。お値段100万円です。

【脈波解析装置（オムロンHP）】
手首の末梢の橈骨動脈の脈波を測定解析して、中心動脈の状態を調べる器械です。現在一番信頼されている装置です。お値段が150万円します。循環器専門医ではない私が、勉強のために興味本位で購入するには高価です。

【脈波伝播速度測定装置（オムロンHP）】
手首（上腕）と足首に到達する脈波の時間のずれを測定して、動脈硬化を予想する器械です。様々な状況で結果が不安定なので、注意を要します。やはり150万円と高価なので手が出せません。

【加速度脈波測定装置（フクダ電子HP）】
指先の脈波の形を調べて、動脈硬化を予想する一番簡単な器械です。30万円～50万円の価格ですから、興味で動脈硬化を研究するには手頃な価格帯です。

最近、内皮細胞の機能を診るための新しい検査法が開発されました。
上腕動脈の血流を5分間圧迫遮断し、圧迫解除後の上腕動脈の直径と安静時のそれとを比較して、内皮細胞の機能を観察する検査器械です。血流を遮断された血管の内皮細胞は、解放された直後に大量のNO一酸化窒素を放出して血管平滑筋を緩めて血管を積極的に拡張させます。安静時より6％以上直径が大きく広がっていれば、内皮細胞機能は正常と判断する器械です。
価格は600万円～800万円とかなりの高額です。

心筋梗塞・狭心症のステント留置後、％FMDが7％以上と7％未満の患者さんとでは、冠動脈の再狭窄に有為の差を認めます。
上腕動脈のサンプリングで心臓冠動脈の動向が推測できるのです。つまり動脈硬化は一部の所見が全体像を示していることになります。