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催眠療法 前世療法

私が所属するNPO法人:心身医学臨床研究会は、西洋医学に限らず、心と体に良いとされるすべての治療・療法・健康法を研究し日頃の生活・診療に役立てようとするのが目的です。
今回は通算22回目の会で、前半のテーマは「ヒプノセラピー 潜在意識療法」です。
講師は村井啓一先生(ホリスティックワーク代表)です。

原因が不明、あるいは難治性の病気の原因に、潜在意識がからんでいる場合があります。しかし、潜在意識を調べることは、通常の医療では困難です。そこで催眠術を利用して潜在意識の奥深くに隠れている原因と思われる意識トラウマを探し、それを認識することでトラウマを治し、顕在意識(自覚できる意識)と体を治そうとするのが目的です。
Muraidr講師の村井先生は、海外大手企業の企業戦士だった経験をお持ちの異色の方です。海外赴任生活が長く、その間、不思議体験に遭遇し、また、ご家族のケアのために転職され現在に至ります。
講演中に、会場の数人(この会の理事・会長)に催眠術を実際に掛け、その異能を披露してくれました。

村井先生によると、私たちが認識できる顕在意識(論理思考・理性・知性・意志・決断)は、意識全体の10%に過ぎず、80%が認識できない潜在意識
と10%の原始意識だそうです。潜在意識の中には、自我・感情・感覚・直感・記憶・想像力が埋蔵されています。また、8歳から9歳までの幼年期の成長プログラミングが秘められており、この部分のトラウマの90%の原因が母親との愛情の欠落だといいます。

潜在意識をさらに時系列でさかのぼる(後退催眠)と子宮内の胎児期の記憶がよみがえります。さらに後退催眠を続けると、・・・何と!生まれる以前の記憶がよみがえる(前世療法)そうです。前世での記憶の中に、現在苦しんでいる原因不明の病気のヒントが隠されている場合があり、それを知ることで病気の症状が氷解することがあるそうです。
前世が存在する、すなわち人は生まれ変わる(転生輪廻)かどうかは、ここでは言及しませんが、催眠療法により必ず前世の記憶を口にするそうです。「最後の審判」まで転生輪廻のないとされる教義のキリスト教を信じる人でさえ、催眠療法で前世が出現するそうです。
Miyazakimasumi村井先生の他に、同じセラピストとして女優の宮崎ますみさんが会場に同席しておられました。彼女は自身の乳癌体験を契機に、この催眠療法の世界に入り現在活躍されています。

過去の潜在意識にしまいこまれた「他愛もない意識」を確認することで、病状が改善する理由として、人の悩むシステムの特性にあるからです。人は過去の「客観的な事実」に苦しむのではなく、実は過去の「主観的な事実(思い込み)」に苦しむという側面があるからです。したがって、催眠療法によって過去の「主観的な事実(思い込み)」を現在の客観的な目で認識(顕在意識)すれば、解決できるのは容易に理解できます。

潜在意識に起因する「こころ」の病気は、8歳から9歳までに顕在意識と潜在意識との間に境界線・膜(クリティカル・ファクター)が出現するからだとされています。顕在意識と潜在意識との間に垣根がない状態の頃は、両者の区別もなかったのでしょう。しかし9歳頃に境界線ができると、顕在意識と潜在意識に区別されてしまいます。まるで冷戦時代の「鉄のカーテン」のようです。その際、潜在意識に取り残された「こころ」のトラウマは、潜在意識の中で怪しくうごめき顕在意識にちょっかいを出すのでしょう。

治療効果の高い催眠療法ですが、見世物的な催眠術(あなたは鳥です!など)ではなく、あくまでも患者さん(催眠療法ではクライアントと呼ぶ)が、円滑に自己催眠の状態にトランスできるように、セラピストが安全に誘導・コントロールすることを目的とします。そのためには、クライアント(患者さん)とセラピストとの間の信頼関係が重要です。セラピストはその信頼関係を築くために十分な時間を費やし、またそのノウハウを持っています。私たち医師が自然に構築されていると思っている程度の患者さんとの信頼関係ではなく、積極的に築き上げる信頼関係です。患者さんと喧嘩することのある私のような医師としては、ただただ脱帽するばかりです。

催眠療法・前世療法に興味のある方は、ホリスティックワークにお問合せ下さい。

【考察】
潜在意識を時系列で過去にさかのぼった先に、全く経験したことがない過去あるいは光景が見えた時に、前世と考えることは容易です。しかし、その状態を絶対に前世だと言い切ることができないのも事実でしょう。
もしも前世ではないとしたら、では一体何が見えているというのでしょう?逆に答えに窮するでしょう。
意識の考えに、潜在意識は、更に深い深層意識に直結していて、それは全体意識とも呼ばれていて地球上のすべて人間の意識とつながっているのです。そしてその意識は時間や空間の制限を受けずに無限の広さがあります。ですからクライアントの前世ではない光景を見ているかも知れません。
また、こうも考えることができます。「オーラの泉」の受け売りではないけれど、クライアントの守護霊が経験した過去の体験を見ているかも知れません。
ただ、前世療法により、クライアントの悩みが解消される事実からすると、我々の魂は、どのような形の意識(過去の意識)にも強く影響されることは間違いないでしょう。

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