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排尿障害の現代治療と代替医療

人間の体は、「水の許容量」が人それぞれで異なります。
昨今の「水飲み健康法」の流行で多飲される方が多く、漢方で云う「水中毒」の症状で苦しまれる方も多くなりました。

「水中毒」の症状は、間質性膀胱炎慢性前立腺炎、慢性骨盤疼痛症候群、膀胱疼痛症、多汗症、アトピー性皮膚炎、花粉症、ドライアイ、蓄膿症、神経性胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、幻臭症、舌痛症、線維筋痛症、坐骨神経痛、陰部掻痒症、肛門掻痒症、口内炎、多発性粉瘤、オデキ症、めまい、うつ病、慢性疲労症候群などの病気として認識され、それぞれの病気の専門と考えられる診療科で診察・治療を受けることになります。専門医が一生懸命治療に専念するのですが、結局は対症療法に終始するばかりで、治ったと実感できる患者さんはいないでしょう。

「水中毒」症状が軽症の方の多くは、飲水制限で症状が快方に向かいます。しかし「喉が渇くから水を飲む」と生理的欲求を正当化し、飲水制限を固辞する方が多いのに臨床現場では困惑します。大量の飲水が健康に良いと思い込んでいる医師が存在するのも誤解の一因です。

人の体はホメオスターシス(恒常性)といって体内の内部環境を一定に保とうとする生理的現象が常に働いています。血液も常に「一定の濃さ」で終始できるようにホルモンや腎臓が一生懸命に働いているのです。ですから、いくら水を大量に飲んでも血液は決して薄くはなりません。それどころか逆に血液が濃くなることがあります。
飲んだ水は胃から十二指腸、小腸へ流れ、最終的には大腸で血液に吸収されます。水を飲んでから吸収されるまでの間、2時間以上のタイムラグがあります。ところが体の中の水を感知するセンサーは、水を飲んでからすぐに水分が入ったことを探知します。脳下垂体から抗利尿ホルモンの分泌が極端に制限され、腎臓から大量の水を尿として排泄・排尿します。そのため血液から水分が奪われ、一時的に血液は濃くなるのです。血液をサラサラにするために水分を大量摂取したのに、結果は一時的にしろ血液を濃くしてしまう危険があるのです。この一時的な血液の濃さが血栓や梗塞の引き金になることがあるのです。「水飲み健康法」をいくら実行しても、脳梗塞・心筋梗塞・動脈閉塞症の発症・再発を起こしてしまうのは当然いえば当然でしょう。

先に述べたように、飲水制限で快方に向かれる方はいますが、自覚のない排尿障害(隠れ排尿障害)が存在すると、飲水制限だけではなかなか治りません。「隠れ排尿障害」の治療が「水の許容量」を増し、それら病気の多くを快方に向わせます。

「隠れ排尿障害」として考えられるのは、膀胱頚部硬化症、膀胱出口閉塞症、前立腺肥大症、神経因性膀胱、膀胱頚部機能低下症、膀胱排尿筋内尿道括約筋協調不全などの病気があります。これらの病気の多くがは、機能低下が原因のために、尿検査程度では診断されにくく見逃されてしまいます。それぞれの病態のご説明は割愛しますが、排尿障害を改善させることで、尿とは一見無関係の病気を治療できることは、たとえ現代医療であっても、ある意味「代替医療」「統合医療」と考えられるでしょう。

泌尿器科の隠れた病気を治療し、耳鼻咽喉科の舌痛症、消化器内科の慢性胃痛や整形外科の坐骨神経痛が治るなんて信じられますか?

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コメント

先生、お世話になっております。

水中毒とは水分を過剰に摂取することですよね?
その結果体に害があり、慢性前立腺炎として出た場合、排尿障害の治療と水分制限をすれば、よいのでしょうか?
ご教授よろしくお願いします。
【回答】
その通りです。

投稿: 患者です | 2014/02/11 18:31

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