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ホルミシス 川嶋朗 先生

2008年11月3日五反田の「ゆうぼうと」で統合医療塾の講演を拝聴しに行きました。
統合医療とは、我々の良く知る西洋医学とそれ以外の伝統医療・自然療法(漢方・中医・気功・カイロプラクチック・アロマセラピィ・呼吸法・サプリメントなど)との共存共栄でより良い医療を目指す実地学問です。
統合医療塾は、そのような統合医療に精通した医師を育成し、できれば医師の用済みの世界を目指すことを目的で設立されました。
Img_kawashima今回の講師は、統合医療塾の設立者でもある東京女子医大の自然療法研究所クリニックの川嶋朗先生です。
今回のテーマは放射線ホルミシスについてです。
ホルミシスとは、歴史が古く1978年ミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー教授が提唱した概念で、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用をいいます。

1980年代に入ると、低線量の放射線照射が生物の成長・発育の促進、繁殖力の増進及び寿命の延長などの効果をもたらすこともあるという研究(放射線ホルミシス研究)の中で話題になり注目された。
放射線ホルミシス現象が根拠になる事件が起こりました。いわゆるコバルト団地事件です。
台湾に1982年に完成した1万人が居住する団地があります。建築後10年を経た1992年に、マンション全体が高い放射能汚染されていることが分かりました。発端は住人の友人が遊びでガイカー・カウンターを持参したところ、かなりの放射線レベルであることが分かったのです。その原因はにコバルト60が混入した鋼材で建物が造られたことが判明したのです。さて世間は大騒ぎです。たくさんの放射能に被爆すれば、癌になり易いというのは常識です。
事件が公になってから19年後、団地に居住していた1万人の疫学的調査が当然行なわれました。
「放射線はどんなに微量でも癌を発生させる」という今までの常識からすれば、癌による死亡人数は19年間の間に270人と推測されました。(放射線を浴びていない台湾の他の地域の癌死亡率からすると203人が予想範囲でした。)しかし、事実は小説よりも奇なりです。実際は約1/30のたった7人!だったのです。その7人も団地に入居する以前から癌にかかっていた人たちだったので、実際は19年間で1万人中、放射能被爆による癌の死亡者はゼロだったのです。被爆しなかった人たちよりも癌にかからなかった、それ以上に癌が抑制されたことになるのです。

では、実際に微量の放射線を浴び続ければ、健康を保てる訳です。ところが日常生活を送っていて、健康に役立つ程度の放射線を被爆することができるでしょうか?自然界から受ける放射線は生きていくのに必要な放射線量しかありません。健康を維持できるほどの放射線の恩恵を受けることはできません。
癌の患者さんが集まる秋田県の玉川温泉は、健康を維持あるいは治癒能力のある放射線が出ていることで有名です。地元の北投石からラジウムから放射されるラドンが、その源です。ラドンは空気よりも重いので、訪れた病人の方々は玉川温泉の源泉の近くで皆テントの中に入りゴロ寝状態でラドン効果を少しでも多く得ようと必死です。

健康維持のためあるいは癌治療のために、秋田県玉川温泉まで毎日のように訪れるのは現実的には無理です。そこで考えられたのが、ラジウムを含んだ鉱石を使ったホルミシス健康商品です。ご存知のようにこのご時世です、ホルミシス効果の全くない商品が横行しているのも事実です。
Holmixseatそこで川嶋朗先生が責任を持って企画監修した商品がDr.ホルミックスシートです。医師用に企画した商品でホルミシス効果が確実にでるために、1時間に25マイクロシーベルトの放射能効果が出、イオン発生能力が1cc容積当り8000個のイオンを検出できます。
右の写真は、統合医療塾理事の武内義一氏が持参したDr.ホルミックスシートの上に、ガイガーカウンターを置いて測定した状況を私が写真撮影したものです。計測窓に28.89マイクロシーベルトの放射能が検出されてます。イオン放出量に換算すると1cc当り9200個以上の高レベルです。

【補足】
ただし、この商品はホルミシスに興味を持っていただいている医師からしか購入できません。胡散臭い医師には、川嶋先生が首を縦に振らないので、そのような医師からは購入できません。

放射能というと恐ろしいと思われる方が大勢いらっしゃるでしょう。この実験をお聞きになれば考え方を変えられると思います。
自然界の放射能を完全に遮断するために、鉛の部屋を作り、中にネズミを飼育します。ネズミの飼料は通常の飼料と全く同じものを与えるのですが、ただ一つ全く放射性物質を排除した飼料のみを与えるのです、私たちが口にする食物の中には、放射性同位元素が含まれています。それがカリウム40という同位元素です。食物の中に含まれるカリウムにうち0.012パーセントのわずかなカリウム40が必ず含まれています。そのカリウム40を全く含まない飼料だけをネズミに接種してもらうのです。どうなるとお思いになりますか?・・・放射性同位元素カリウム40を含まない飼料で飼育されたネズミは、普通飼育のネズミよりも早く死んでしまうのです。すなわち、私たち生物は、微量であっても放射能のない環境では生きていけないことが分かったのです。

では微量な放射線・放射能はどういう働きを私たち生命の中で働いているのでしょう?今でこそこの地球の自然界放射線量はわずかです。太古の昔はもっと大量の放射線に私たち生命は被爆していたでしょう。そのため生命の寿命は短く生まれてはすぐに死ぬの繰り返しだったに違いありません。しかし、生命もただ単に被爆しては死ぬだけの繰返しだった訳ではありませんでした。生殖を繰返し子孫を作るたびに被爆に強い種が出てくるようになります。
Image2また、放射線は体内の中を通過するときに物質を電離・イオン化させます。私たち生命は電離・イオン化した物質しか利用できません。この能力は長年の放射線被爆がもたらした負の能力でしょう。
【画像提供先】(霧箱実験:放射性鉱物から放射される放射線が通過した飛跡に雲が生じる。霧箱内の気体を放射線が電離・イオン化したので雲として肉眼的に確認できる。この現象が私たちの体の中で、常に起きていて私たちは生かされている。目に見えるようにした実験だが、
Denri目に見える現象だけがすべてではないという現象でもある。)
さて、時間がたち大気が成熟すると、宇宙からの放射線はオゾン層でほとんど遮断され、わずかな放射線だけが地上に降り注ぐだけになりました。物質の電離・イオン化はそのわずかな放射線だけで十分だったので、生命は次第に長生きするようになるのです。

Yokoro500先ほどのネズミの実験で判明したように、放射能・放射線がなければ私たちは生きてはいけません。私たちの体は、たくさんの物質を入れた炉のようなものとして考えると分かりやすいと思います。炉ですから物質が入っているだけでは役に立ちません。炉の最初の種火が必要です。その種火で着火して初めて炉としての働きが備わるのです。放射線の被曝が、種火として考えれば、放射線被爆はなくてはならないものになります。人体という炉をたゆまなく働かせるために、常に種火が必要だと考えれば、ホルミシス現象も容易に理解できるでしょう。
【写真提供先HP】

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