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CoQ10

先日、テレビ番組の「あるある大辞典」の中で、CoQ10(コーキューテンと読む)ことコエンザイムQ10がアンチエイジング(抗加齢治療)の特効薬のサプリメントとして紹介されました。その翌日から、CoQ10を扱う健康食品会社の製品が飛ぶように売れているそうです。

CoQ10は決して新しいサプリメント物質ではなく、強心薬で商品名ノイキノン(㈱エーザイ)として30年近く前から医療の世界では頻繁に使用されていた薬です。
noikinon10.jpg

薬理作用として次のように記載されています。
心疾患時に低下したユビデカレノン(コエンザイム Q10)を補う。リンパ管を経て吸収され、細胞内ミトコンドリアに取り込まれて、虚血心筋に直接作用し、酸素利用効率を改善する。このため心筋は虚血条件かでも、高いATP産出機能を維持し、心筋機能の障害を軽減する。また心機能の低下した老年者の心拍出量増加させ、運動耐容能を増大させる。

適応疾患として、基礎治療施行中の軽度・中等度のうっ血性心不全症状が保険病名として記載されています。

泌尿器科の世界でも古くから、腎機能低下・慢性腎炎・腎不全患者さんの腎臓細胞活性におまじない的(少なくとも私はそういう風に思っていました)に処方している医師がいました。最近の若い医師は処方しないのではないでしょうか。

私などは、患者さんに一度もノイキノン(CoQ10)を処方したことがないくらいの薬です。
ところが昨今の健康食品・アンチエイジング(抗加齢治療)のブームの中でCoQ10が突如として出現して驚くばかりです。
ミトコンドリアは細胞1個に約5千個存在しますから、人間の細胞数60兆×ミトコンドリア数5千=30京(ケイ:1兆の1万倍)ものミトコンドリアが人間一人に存在し、CoQ10がその30京のミトコンドリアのエネルギー産生に活躍するのかと思うと身震いがします。
ミトコンドリア活性が高まると細胞活性も自動的に高まり、新陳代謝が亢進して若返るという理論です。

1昨日、代替医療の医師の幹事会が東京駅のステーションホテルであり、その時に私がこのCoQ10を話題に上げました。すると各先生がノイキノン(CoQ10)を皆さん独自の利用の仕方をしていました。ノイキノンは強心薬として1日3錠(30mg)しか保険上は使用できないのですが、スランプの運動選手に1日10錠(100mg)~20錠(200mg)飲ませて成績がアップして感謝された、などの話があり、CoQ10の価値を再確認しました。

さて、このCoQ10ブームは、いつまで続くのか楽しみです。

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