光学異性体
分子には光学異性体・鏡面体と呼ばれる存在がある。
分子は三次元的立体構造を持っています。分子が複雑になれば、同じ構造式でも立体的に見ると、光学異性体、つまり鏡に映した本体と全く同じ左右反対(鏡面体)の分子が存在します。その光学的特性の違いで二つをD型とL型と分類します。D型とL型は構造式は全く同じですが、鏡で反射させた物のように左右が正反対になります。そしてD型とL型の物理的特性は全く同じですが、化学的特性や生物活性は異なります。
実例を挙げるのなら、自然界のアミノ酸は全てL型ですし、ブドウ糖は全てD型です。当然私たち生物の必要なタンパク質は、筋肉・細胞膜などの構造タンパク質も含めて全てL型アミノ酸で合成されています。生体がエネルギーとして利用するブドウ糖は全てD型になります。もしもD型アミノ酸とL型ブドウ糖を食事として摂取しても、私たちは利用できません。
人間が人工的に全て作り上げることのできる、自然界の物に似せた多くの物質は鏡面体であると耳にしたことがあります。安価な合成ビタミン剤など多くのサプリメントは、これら光学異性体を考慮しているのでしょうか。もし合成サプリメントが自然界のサプリメントの鏡面体であるならば、摂取しても全く意味がない、場合によっては害になるのかも知れません。
以上のような理由から、ビタミンなどのサプリメントは、天然果実・野菜を材料にした製品をお薦めします。ただし合成サプリメントに比べお高いのが玉にキズですが...。
参考書籍
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