カテゴリー「慢性前立腺炎と手術」の記事

高周波電気メス装置ERBE・VIO300D

Erbevio300d開業以来3代目になる電気メスを購入し、10月29日に届きました。
ドイツ製のERBE・VIO300Dタイプです。ERBE社の電気メスとしては最高峰の電気メスです。内視鏡手術に特化したバイポーラカット++というモードで切れ味はとてもよく、バイポーラソフト凝固++というモードで止血効果も高いのが特徴です。さらに、今までの電気メスでは内視鏡手術中に細かい気泡が出現して視野を妨げていたのですが、その気泡が非常に少なく、術者のストレスがないというのも特徴です。

TURis-Vという蒸散モードでは、今以上に蒸散効率が高く、今流行りのレーザー手術に引けを取らない効果が実現できます。

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α-ブロッカー治療と内視鏡手術との間の治療 その3

Bns25730m273実際の内視鏡手術では、術前の膀胱出口2mm~3mm程度の直径から、手術直後、短径6mm×長径15mm程度に拡張します。

Bns25730m274バルンカテーテルで内視鏡手術と同じ効果を得るためには、膀胱出口を短径10mm×長径20mm程度まで拡張しなければなりません。
ところが、尿管拡張バルンカテーテルの直径は膨らまして最大10mmしかありません。このカテーテルで10mm×20mmの効果を得るためには、このカテーテルを2本縦に挿入して、同時に膨らませる必要があります。

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α-ブロッカー治療と内視鏡手術との間の治療 その2

Bnsnol_2単なる解説だけでは理解しがたいと思うので、簡単な図を使って解説しましょう。
右の図は、正常な男性の膀胱・前立腺を横から見たイメージです。膀胱出口は十分に開く状態です。

Bnstypical_2排尿機能障害が存在し、長い時間が経過すると膀胱頚部硬化症になります。膀胱頚部硬化症になると膀胱頚部が発達して膀胱出口が狭くなります。それと同時に膀胱三角部も肥厚します。形態学的な異常(器質化)は機能異常をさらに増強させ、周辺の感覚(膀胱三角部や膀胱頚部)を興奮させ、慢性前立腺炎症状を作るのです。

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α-ブロッカー治療と内視鏡手術との間の治療

α-ブロッカーを服用しても、思うように治療効果の出ない人もいます。保存的治療で効果が出なければ、即、内視鏡手術を選択するのも考えてしまいます。

もっと、中間的な治療法はないものかと考え、ボトックス注射による治療法を考え出して実施しましたが、その効果のあった人は50%で、効果のあった人も3ヵ月程度しか効果が持続しませんでした。
その後、ベタニスの登場で問題が解決かと喜んだのですが、効果のある人は30%強で完全な治療の選択肢としては、まだまだです。

さらに、新しい治療法を模索していた時に、ふとある現象に気が付いたのです。その現象とは、内視鏡手術直前の内視鏡検査でのことです。
Bns25730m27私は内視鏡検査で17フレンチサイズの硬性鏡を利用します。17フレンチサイズは直径5.7mmです。
右の写真では、膀胱出口が上方に小さく存在し、精丘越しには観察できません。

Bns25730m272この硬性鏡で観察した前後、膀胱出口は大きくなるのです。広がるのです。直径1mm位の膀胱出口が3mm程度に拡張しているのです。術前の内視鏡検査で膀胱の隅々まで観察するので、その操作で膀胱出口は結果的に拡張されてしまい当たり前の現象ですが、そのことがフッと気になったのです。
同じ患者さんの写真では、内視鏡検査後、膀胱出口が確認できます。

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BOTOX治療の可能性・・・ α-ブロッカーと手術と仙骨神経ブロックの効果から

Cpmecha1千人以上の慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんを診察・検査・診断・治療・経過観察するうちに、これら病気の病態が少しずつ分かってきました。
イラストで示すように、これら病気の本質は恐らく「膀胱頚部機能不全あるいは機能障害Bladder Neck Dysfunction)でしょう。つまり排尿の際に膀胱出口・膀胱頚部が十分に開かないことにあるのです。
十分に開かなければ、膀胱の収縮力と腹圧で無理に排尿することになります。無理に排尿すれば、膀胱出口・膀胱頚部は必要以上にブルブル振動します。
この振動が数年~十年単位で長期間にわたり繰り返し起きれば、膀胱出口・膀胱頚部は生体反応で硬化してきます。これが超音波エコー検査で診断できる「膀胱頚部硬化症Bladder Neck SclerosisあるいはBladder Neck Contraction)」です。
「硬化」して膀胱出口・膀胱頚部の柔軟性が欠如する訳ですから、尿の出が悪くなるのは当たり前です。これが「排尿障害」として自覚するのです。
膀胱出口・膀胱頚部の硬化は、膀胱三角部にも及びます。膀胱三角部は膀胱の感覚器=センサーとしての役目も担っていますから、硬くなればなるほど振動しやすくなり過敏になります。これが「頻尿・関連痛・自律神経症状」として自覚されるようになります。
また、膀胱出口・膀胱頚部の硬化は、排尿時の振動数を増やすようになります。振動数の増加=エネルギーの増加ですから、敏感になった膀胱三角部は振動エネルギーにますます被曝され、症状は増悪の一途です。

「排尿障害」「頻尿」「関連痛」「自律神経症状」などの症状の程度・組み合わせなどから、診察する医師の判断で患者さんを「慢性前立腺炎」「間質性膀胱炎」「過活動膀胱」「心因性頻尿」「神経因性膀胱」「前立腺肥大症」などと分類・診断されているのに違いありません。(もちろん、あくまでも私の仮説です。)

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「若い男性の尿失禁」 2D画像の解析#17 その後の治療

Bns20168m25200901192慢性前立腺炎と誤診され、昼夜を問わず尿漏れで来院された青年のその後の治療経過をご報告しましょう。
来院された時点で、膀胱の壁は凸凹の肉柱形成の状態です。尿が漏れるのに明らかな排尿障害の証拠といえます。

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膀胱拡大の開腹手術を受けた膀胱頚部硬化症の男性

50歳代の男性患者さんです。
25年も前から頻尿で苦しみ、有名な病院を転々とドクター・ショッピングされていました。そして先日高橋クリニックを受診しました。
現在、頻尿は就寝まで15回前後、就寝から起床まで3回~5回の頻尿です。

間質性膀胱炎?と診断されたかどうかわかりませんが、膀胱水圧拡張術を5回、8年前に私立の大学病院で開腹による膀胱拡大手術(大腸を切り貼りして膀胱に縫い付けて、膀胱容量の拡大を図る手術)を1回行っています。その後、症状はますます悪化しました。

2年前には、ある国立大学病院で、膀胱にボトックス注射を2回実施しましたが、結果頻尿は治りませんでした。

Openop22991m522d【超音波2D画像】
6時位置の膀胱括約筋はヘビが口をあけたように変形し、膀胱出口から距離を置いています。膀胱括約筋の上には膀胱三角部が肥厚し、硬化象も確認できます。膀胱頚部硬化症の所見です。

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膀胱三角部「台」

膀胱頚部硬化症が進むと、連続する膀胱三角部を巻き込んだ所見になります。
膀胱三角部は膀胱底部に三角形の「えいヒレ」のような形状になります。ところが、膀胱出口周囲に物理的刺激が絶えず被爆すると、膀胱三角部に炎症・粘膜変性・石灰化・肥厚などの変化を認めます。進行が著しいと、膀胱三角部が盛上がり、台形のような形状になります。

実例をご紹介しましょう。
51歳の男性患者さんです。30年前から慢性前立腺炎で苦しんでおられます。症状は頻尿です。朝から寝るまでに20回から25回の頻尿と夜間就寝してから朝までに3回から15回(平均10回)の頻尿です。会陰部痛もあり日常生活に支障が出ています。地元の大学病院を始め多くの医療機関を受診しましたが、改善しません。患者さんの弟さんがインターネットでこのブログを見つけ、患者さんにすすめました。
過去に前立腺高温度治療を5回受けていますが、全く効果はありませんでした。
Dai22742m51初診の際の超音波エコー検査の所見です。
膀胱・前立腺を側面から観察しています。一見何の所見もなさそうでしょう?

Dai22742m51pp上の写真にコメントをつけました。
赤い矢印で囲まれた部分が、肥厚した膀胱三角部です。5mm以上の厚さの肥厚です。

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若い人の排尿障害

常識的に若い人には排尿障害がないと思われています。
そのため、膀胱頚部硬化症による排尿障害で、慢性前立腺炎症状が発症した時には、医師からは見捨てられ(その内治るでしょう・・・)、家族からはあきらめられ(気のせいだ・・・)、排尿障害が原因でうつ状態になり四面楚歌になるのです。

今回ご紹介するのは17歳の高校生です。
中学2年生のころから、会陰部痛が出現、膀胱炎の診断を受けていました。その後、地元の大きな病院の泌尿器科で「慢性前立腺炎」の診断を受け、クラビット・セルニルトンの処方を受けましたが改善しません。
地元の大学病院ペインクリニックで3回ブロック注射を受けましたが、やはり改善しません。

インターネットで高橋クリニックを知り、平成20年4月に当院を受診しました。

頻尿はなく(1日5回~6回)、症状は会陰部痛のみです。検査でわずかな排尿障害と3D画像で膀胱頚部硬化症を認めました。
水分制限、エブランチル、デパスを処方しましたが、症状は変わらず、高校も休みがちになりました。
父親から、これ以上見ていられないということで、内視鏡手術による後遺症も納得した上で手術への決断をしました。

Bns21957m183右の写真は、膀胱出口を3D画像で観察したものです。
パッと見た瞬間、イルカが斜めに口を開いて笑っているように見えます。膀胱出口の3D画像で、人の表情や動物の表情に見えた場合は、ほとんどが膀胱頚部硬化症です。なぜ表情として見えるのかといえば、膀胱出口周囲が立体的に凹凸しているからです。下の正常に近い膀胱出口と比較して下さい。
Nrm80003dこの写真は、56歳の私の膀胱出口の3D画像です。
全くの正常の所見ではありませんが、表情には見えません。なぜなら、膀胱出口周囲の膀胱平滑筋・膀胱括約筋が平坦で、その中心に膀胱出口がポッカリと口を開けている構図だからです。

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秘密兵器 TURis-V

TurisvTURis-Vとは、内視鏡手術で使用する還流液を生理的食塩水利用の電気メス・システムで、従来の切開・切除だけではなく病変組織を蒸散・気化させる新しいシステムです。経尿道的切除手術(生理食塩水還流用)蒸散・気化法(Trans-Urethral Resection in saline,Vaporization)の略です。
イラストに示すように、先端部分が従来の電気メスのような金属ループではなく、レアメタルによるキノコ型(マッシュルーム型・ボタン型)の形状をしています。
スイッチを入れると、キノコ型の金属の部分が700℃近い温度になり、そこに触れた組織は瞬間に蒸発・気化します。触れた部分しか蒸発しませんから、手術が術者のイメージ通りの結果がでます。また、止血効果もとても高いので、手術中に動脈性の出血はありません。

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