カテゴリー「慢性前立腺炎の症状」の記事

生理学的観点からの関連痛

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膀胱・前立腺からの情報は脊髄内で、脳中枢に上行する脊髄神経にシナップス結合を介してバトンタッチします。
シナップス結合は、固定されたものではなく、必要に応じて神経の枝が伸びて、他の神経とシナップス結合することがよくあります。その原因として、情報量の多さにかかっています。排尿障害で、膀胱や前立腺に慢性的に繰り返し負担がかかれば、膀胱三角部の送り出す情報量は莫大なエネルギーになります。

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すると、定番の1つの上行神経だけでは、十分に脳中枢に情報を伝達することができません。その結果、神経末端から新しい芽が出て来ます(萌芽現象)。新たな神経は、周囲にある他の上行神経とシナップス結合します。その上行神経が陰嚢皮膚知覚神経であれば陰嚢の痒みに、睾丸の知覚神経であれば睾丸痛に、肛門の知覚神経であれば肛門痛になります。
脊髄神経の長さは、40cm〜45cmです。当然、一番下の仙骨の脊髄から脳中枢まで単独では到達出来ません。したがってリレーを繰り返す、つまりバトンタッチを繰り返すことになります。そこには、またシナップス結合が繰り返されます。背の高い人ほどバトンタッチの機会が多くなります。そのため、背の高い人ほど、バラエティに富んだ症状が出る筈です。

なぜならば、本来の上行神経に大量の情報は、上位の脊髄神経に負荷をかけます。すると、上位神経末端から、萌芽現象が起きます。また同じ様に、他の上行神経にシナップス結合を起こすのです。その上行神経が胃の知覚神経であれば慢性胃痛症に、食道の知覚神経であれば逆流性食道炎に、舌の知覚神経であれば舌痛症になります。

バラエティに富んだ症状には、それなりの理由があるのです。さらに、個々の人の神経分布に個性があります。一般的に各神経の分布配分は、人間の80%は、ほぼ同じですが、20%は奇形です。神経は何百何千と存在します。おのおのの神経の20%が奇形とすれば、人類の神経配分で同じ人はいないことになります。それが、関連痛症状のバラエティさの根源です。

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関連痛・関連症状

C663fdf9ba444b12aa891601b09be46f医学用語で関連痛という病名があります。
一番有名なのが、心筋梗塞の症状です。心筋梗塞の患者さんの中には、心臓発作の胸が痛くなく、左手の小指が痛かったり、左五十肩や左の歯の痛みが出る人がいます。何故そのような現象が起きるかと言えば、脊髄レベルの心臓の神経支配の近くに、左手の小指・左肩・左歯の神経中枢があり、そこに心臓の情報が流出するために、心臓とは無関係の発作症状が出るのです。
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そのような現象は、心臓だけではありません。例えば、胃潰瘍の人は背中が痛くなります。膵ガンの人も背中が痛くなります。下顎の歯が虫歯なのに上の歯が痛くなることがあり、間違って虫歯でない上の歯を抜歯されてしまうことがあります。

本題に入りましょう。
膀胱や前立腺の症状は、頻尿や残尿感、尿意切迫感、排尿後の疼痛があります。それが、代表的なオモテ面の症状です。裏面の症状が関連痛・関連症状なのです。陰部の痛み、痒み、痺れ、手足の痛み、痺れ、胃痛、肛門の痛み、痒み、首の痛み、舌の痛み、取れない臭いなどです。

これらの症状を聞いた医師が『この患者さんはストレスが溜まっていて、精神的に病んでいるんだ。』と思われても不思議ではないでしょう。しかし、医師の理解できない事を患者さんの「心の病気」と判断するのは、医師としてふさわしくないと思います。医師の理解できる事だけを病気と認め、理解できない事は「気のせい」とすることに憤りを感じます。当院に来院するたくさんの患者さんは、それまでの医師の診断・検査・治療により、大多数の方が精神的に抑圧状態です。

患者さんは常に正直なこと、常に正しいことを述べていると、腹をくくって真摯に聴き取るべきです。私の大学のモットーである「病気を診ずして、病人を診よ❗️」です。

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透析仲間 慢性前立腺炎?

透析クリニックで、同じ時間に透析する患者さんが20人近くもいます。
ロッカーで同じ時間に着替える人も何人かいます。挨拶をしますが、無愛想に返事する人も、また無視する人もいます。病気が病気だけに皆んな暗〜いのです。その中で、会話を交えるご高齢の方がいます。何回か会話を交わしている際に、私が泌尿器科医師であることを告げました。

その方は、腎不全以外にも病気があって、慈恵医大の関連病院の東急病院で治療していたので、慈恵医大出身の私に親近感を覚えたらしいのです。先日、1年前から両鼠径部と肛門がとても痒くて治らないと訴えたのです。透析患者さんの皮膚が痒くなることはよくある事です。ステロイド軟膏やゲンタシン軟膏を塗ってはいるが、全然変わらないのです。そこで、「排尿の有無に関係なく、前立腺の病気があっても、痒みが出ますよ。」と告げると、診てもらいたいと言って別れました。以前にも慢性腎不全でオシッコが一滴も出ない患者さんで頻尿を訴える方がいました。この男性も同じでしょう。

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その翌日、私の通っている透析クリニックの主治医が書いた紹介状を持って、その方が来院しました。ビックリです。お話しをお聞きし、まずはエコー検査を実施しました。「!!!」2度目のビックリです。何と膀胱に尿がパンパンに溜まっているのです。慢性腎不全で尿が出ないはずなのに尿が溜まっているのです。そう、まるで尿閉状態です。

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早速カテーテルを挿入して膀胱内の尿を排出しました。全部で何と750ml以上で、採取した尿は写真のように、まるでカフェオーレのようです。濃縮した白血球がタップリ含まれた、いわゆる膿尿=腐った尿で向こう側が見えません。随分前(恐らく1年位前から?)から膀胱内に同じ尿が溜まっていたと考えられます。

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前立腺のエコー所見では、前立腺の中葉部分が突出しており、膀胱の敏感な膀胱三角部を常時圧迫しています。しかし、頻尿がないので、その代わり下半身の痒み症状になったのでしょう。
喜ばしい事が起きました。膀胱内の尿を全部排出したら、何と痒みが全て消失したのです。3度目のビックリです。
この現象は、原因は前立腺肥大症ですが、慢性前立腺炎症状です。

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この患者さんから帰り際に言われた言葉が、……
「先生は、透析クリニックでお会いする時は、ショボくれて元気がないけれど、診療中は人が変わったみたいに活発で元気ですね?」「医師とはいえ私も病人ですから、趣味同然の診療中は水を得た魚の様に元気ですよ。」と答えました。
『……そうなんだ、……私は診療している時だけが、元気で居られるんだ!』と心の中で思いました。

透析クリニックの私の主治医が、私の報告書をお読みになってビックリの感想でした。

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慢性前立腺炎の症状♯24「幻臭症、尿臭に悩む若者」

遠方から、お母さんと一緒に若い男性が来院しました。
3か月前に突然尿漏れと頻尿(1日16回)が発症しました。その後、症状は軽快しましたが、その代わりに、今の悩む症状が出現したのです。
排尿後、しばらくしてから、自分の尿臭を強く自覚し、気になって授業に出れなくなりました。そのため、現在、保健室登校していました。地元の医師を受診しましたが、特に異常を認めませんでした。

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超音波エコー検査の所見です。
❶赤い矢印で示す部分が、前立腺周囲の静脈瘤です。排尿障害を示唆する所見。
❷青い矢印は膀胱括約筋の方向を示す。本来は黄色の矢印に向かっていなければならないのに、尿道括約筋の方向に向かっている。これも排尿障害を示唆する所見。
❸その結果、膀胱三角部が厚くなる。その結果、頻尿になる。

しかし、現在は、1日5回と頻尿は消失しています。超音波エコー検査所見と矛盾します。つまり、出現すべき頻尿症状が出なくなり、その代りに頻尿情報が、脳中枢の臭い中枢を刺激したために、自分が尿臭がするようになったのです。いわゆる「幻臭」です。幻臭は鼻の嗅神経で感じているのではなく、中枢そのもので感じているので、臭いが消えないのです。

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女性になっても慢性前立腺炎?

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一年前から頻尿が時々出現していた40代の女性です。
その後、陰部がムズムズしたり、熱く痛い感じ、さらには肛門も重く熱い感じが出現しました。
インターネットで病気を調べているうちに、慢性前立腺炎では?と思うようになったのです。そこで、当院を受診しました。この写真は前立腺の側面の所見です。

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女性なのに「前立腺?」とお思いでしょう。
実は、この女性は、元は男性で、性同一性障害Gidのため苦しみの末、性転換手術・性別適合手術を行い、戸籍も女性になったのでした。しかし、その手術の際に前立腺は手付かずだったので、今では、それを悔やまれていました。エコーは、膀胱括約筋を拡大像です。鉛筆のように先が細くなるのですが、この写真ではホウキのように広がっています。排尿障害の所見です。

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膀胱出口の拡大像です。出口付近が白く光っています。膀胱頚部硬化症の所見です。
膀胱三角部が厚くなっていて、膀胱刺激症状や関連症状(ムズムズ感)を連想させます。

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前立腺前面部では、石灰と静脈(黒い丸)が見えます。これも排尿障害の所見です。
性器や睾丸を除去して女性ホルモンを月に2回注射しても、膀胱や前立腺の症状は取れません。仮に前立腺を手術しても、膀胱三角部の過敏症が本質ですから、場合によっては、慢性前立腺炎症状が出現したかもしれませんね。逆に、前立腺が残っていたからこそ、慢性前立腺炎と考えて病気を見つけることが出来たと考えれば、ラッキーだったかもしれません。

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慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・排尿障害の多彩な症状

慢性前立腺炎や間質性膀胱炎を訴える患者さんの症状をまとめると下記の如くです。
●頻尿
●尿意頻拍感
●残尿感
●会陰部(陰嚢と肛門の間)の疼痛
●恥骨部疼痛
●尿線の分裂・噴水状
●尿道の痛み・しびれ・痒み(先端・全体・奥など)
●睾丸が引っ張られる
●睾丸がお腹にくっ付く
●陰嚢がベタベタする
●大腿(太もも)の不快感(しびれ・痛み)
●足の裏の不快感(しびれ・痛み)
●腰痛
●坐骨神経痛
●背部痛
●射精時の痛み・射精後の痛み
●精液がゼリー状
●睾丸の痛み
●陰嚢の痒み
●膣の痛みと痒み
●尿漏れ感覚
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●尿臭過敏
●水刺激(水の音・水に触れる)で尿意切迫
●ED(インポテンツ)
この症状からは、下半身であればなんでもありの症状ですね。一見、脈絡のない症状ですが、それなりの明確な理由があります。この状態は、下部臓器から放出されたエネルギーが脊髄を登って行き、花火のように他の神経を刺激しているのです。

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いわゆる、慢性前立腺炎の症状の秘密と治療

前回、慢性膀胱炎の症状について解説しましたが、今回、慢性前立腺炎の症状の秘密に関して解説しましょう。これ以外に、前立腺症、前立腺疼痛症、慢性骨盤内うっ血疼痛症候群も、すべて同じ範疇の病気です。

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慢性前立腺炎の症状#23「精子運動率の低下」

前立腺は精液に3分の1を作っています。
その役目は、精子をアルカリ性物質で保護し、酵素で精液をサラサラにして精子が移動し易くし、精子にエネルギーを供給しています。
精子はエネルギーの蓄えなしで睾丸より放出されます。射精直後に前立腺液と混ぜられながら尿道から放出されます。前立腺液のATPというエネルギー物質を利用しながら精子は動きます。

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慢性前立腺炎の症状#22「急性副睾丸炎と急性前立腺炎」

慢性前立腺炎を訴えて来院される患者さんの中には、過去に急性副睾丸炎にかかっている患者さんがいます。
一般的には、雑菌が体内に侵入して急性副睾丸炎や急性前立腺炎に罹患すると考えられていますが、実は慢性的な排尿障害がその原因だと私は考えています。

しかし、そのような事実や文献の記載は存在しません。ですから、この考えは私オリジナルな荒唐無稽の考えと思って読んでください。
排尿障害があると、尿道内、特に前立腺部尿道内に排尿中に尿によるジェット流が生じます。ジェット流は渦流となり尿道粘膜に負荷をかけます。その負荷は物理的エネルギーですから尿道周囲・前立腺内にストレスをかけます。生体はストレスがかかると、生体反応が起きます。いわゆる炎症という生体反応です。

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慢性前立腺炎の症状いろいろ

慢性前立腺炎を訴える患者さんを多く拝見していると、様々な症状を合併している方に遭遇します。
排尿障害が原因の慢性前立腺炎症状の患者さんを治療していく過程で、一見無関係と思われる随伴症状が治るのです。それら随伴症状も慢性前立腺炎の症状の一面と考えれば、その随伴症状で長年苦しまれている患者さんを助けることができます。
今まで、このブログで書きためた随伴症状をここに書き出しました。

①またの付け根が痛い=会陰部痛
慢性前立腺炎と言えば、会陰部痛と思われるくらい代表的な症状です。

②陰嚢が痒い=陰嚢掻痒症
慢性前立腺炎で陰嚢が痒いなんて思われない症状です。実は、排尿障害がその原因だったのです。

③尿道分泌過多症
慢性尿道炎や非淋菌性非クラミジア性尿道炎と誤診される病態です。漫然と抗生剤や抗菌剤が処方されてしまう症状です。

④尿臭
自分がオシッコ臭いと思ったり、他人に臭いと思われてしると妄想してしまう病態です。

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