カテゴリー「心と体」の記事

愛燦燦

入院中、安静にしていなくてはならないので暇を持て余します。
病室でCDを聞きながら時間をつぶしていました。
小椋佳さん作詞作曲、美空ひばりさんの歌で有名な「愛燦燦」があります。
ひばりさんの「愛燦燦」は、力強い人生讃歌のイメージでしたが、小椋佳さんの歌う「愛燦燦」は、愁いに満ちた人生讃歌という印象です。病気で入院していて気持ちが落ち込んでいる時に聞くこの歌は、こころにシンクロします。
慢性前立腺炎の患者さんを例にこの歌を解説しましょう。

雨 潸潸(さんさん)と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は悲しい 悲しいものですね
それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

何かが「きっかけ」になって慢性前立腺炎になります。
クラミジア感染症などのSTDが原因になって発症する人も多くいます。
その「きっかけ」は自分が注意すれば回避できたものであれば、なおさら悔いが残ります。
悲しくて悔しくて涙が出て睫毛を濡らすこともあるでしょう。
この涙は悲しみと悔しさの涙であって、それ以外の何物でもない筈です。

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膀胱の嘆き(第190話)

Cp21557m1717歳の青年が尿道の疼痛で来院しました。
症状は排尿後の尿道の疼痛です。その痛みが尿道先端だったり、尿道の中程だったり日によって位置が異なるのです。
この症状は2年前からあり、地元の2ヵ所の大学病院泌尿器科で診察・検査をしましたが、「非細菌性慢性前立腺炎」という診断でセルニルトンの処方を受けました。が、まったく効きませんでした。

尿流量測定ウロフロメトリー検査では、腹圧性の排尿曲線で無意識の内に息んでいます。残尿は45mlと大目です。
Wnlmorifice膀胱出口の3D4D超音波エコー検査では、上の写真のようです。
右の正常の膀胱出口と比較して、いびつです。膀胱出口は正円ではなく、6時と12時の方向に平滑筋のシコリが観察できます。12時のシコリの上は凹んでいます。

上の写真をジ~とながめてみて下さい。何か見えてきませんか?・・・

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★お知らせ

12月30日(火)~1月5日(月)は、冬休みで休診です。

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御礼のメール 前立腺肥大症手術後の慢性前立腺炎症状

6月に父の手術をしていただきました、○○○○小児科の○○○○と申します。
昨日、父が2ヶ月後のお電話でのご報告をさせていただきましたが、私からもお礼を申し上げます。
1ヶ月後には、まだ幾分かは症状が残っておりましたが、ここ2週間くらいはかなり良く、全く痛みの無い日もあります。手術前は、「もういつ死んでもいい。」と言っていたくらい落ち込んで1日中ほとんど寝ていましたのに、今では、網戸や電気のかさや玄関の戸も洗い、車も2台1度に洗ってワックスもかけてくれます。花の水やりや買い物もして、新聞、雑誌も読み、テレビも見るようになり、体重も1.5kg増えました。痛みのため椅子に座れないこともなくなり、もうほとんど昼間に薬(睡眠導入剤)も使っていないようです。私からみると、病気になる前とほとんど同じくらいに回復しているように思えます。
QOLがこれほど変わるとは、予想以上でした。高橋先生に手術していただいたことを父も家族もたいへん感謝しております。どうもありがとうございました。
ますます暑い日が続きますので、お体を大切になさってください。では、失礼いたします。

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○○○○ 先生 御侍史

お父様の術後の経過が順調でよかったですね。
私としても肩の荷が少し降りた感じです。
おそらく、これからもっと元気になるでしょう。
排尿障害は老化を促進させます。
「年を取ったからオシッコの出が悪くなる」のではなく、「オシッコの出が悪いから年を取るのだ」というのが、私の信念です。
お大事に。

このメール内容とお父様の治療経過・内容をブログに匿名で掲載してもよろしいでしょうか?
お返事をお待ちします。

高橋クリニック 高橋 知宏
クリニック:03-3771-8000
院長直通:03-3771-8034

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高橋知宏先生 御待史
○○○○です。
お忙しいところお返事までいたたきまして、たいへん恐縮いたしております。
ブログへの掲載についてですが、父の経過や手術内容や私のメールが、同じ症状で長年苦しんでおられる方のお役にたてたらと思っておりますので、掲載していただけたら幸いです。
足腰のため、朝夕の散歩と運動器具でのステップも続けており、晩酌もすすみ、秋には田舎の兄弟に会いに行こうかとも考えているようです。
もし手術を受けていなかったら、暑い夏をどう過ごしていたかと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
では、失礼いたします。

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【補足】
医師のお父上の治療後の経過報告を兼ねた御礼メールです。
患者さんは関西在住の69歳男性です。
平成15年7月から恥骨部の痛みと左坐骨の痛みが出現しました。
地元の病院でPSA採血で15.4と高値であったので、前立腺癌を疑って前立腺針生検を2回も行ないましたが、悪性所見はなく、逆に恥骨部奥の痛みが増強しました。
平成15年12月に地元の病院で前立腺肥大症ということで経尿道的前立腺手術を行ないました。
しかし症状の改善はなく、前立腺結石が原因?ということで再度前立腺結石を除去する手術(2回目の経尿道的前立腺手術)を受けました。
地元の大学病院で骨シンチグラム・MRI検査も行いましたが、前立腺癌の兆候は認められませんでした。
しかし、痛みの慢性前立腺炎症状は増悪し、日常生活が困難になり改善の見込みがないので、医師であるお子さんが私のブログをお読みになり、平成18年11月に当院初診、ハルナール・デパスで効果なく、再度の内視鏡手術を平成19年6月に実施しました。

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年賀状

Nenga2007

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最新の慢性前立腺炎に対する医学的動向

Timely topics in Medicineに慢性前立腺炎の最近の動向の質問・回答形式で公表されていたので、ここでお示しします。
前立腺炎
J. Curtis Nickel
Professor, Department of Urology, Queen’s University, and Staff Urologist, Department of Urology, Kingston General and Hotel Dieu Hospitals, Kingston, Ontario, Canada


質問1:下部尿路症状(LUTS),前立腺肥大症(BPH)と前立腺炎の関係に関する最新のデータについて教えてください.
BPHに伴うLUTSは高齢男性の50%以上が発症し,うち半数以上は治療が必要という非常に一般的な疾患です.慢性前立腺炎(CP)または慢性骨盤痛症候群(CPPS)の症状は疫学的研究から2~6%にみられ,また多くの臨床試験から,BPH患者の12~18%は臨床的前立腺炎の症状・徴候を併発していることが示されていますので,診察や治療の際には,それらの両方に留意する必要があります.

質問2:従来,前立腺炎の臨床像と組織学的所見には関連があるとされてきましたが,REDUCE(REduction by DUtasteride of prostate Cancer Events)試験でも同様の結果が得られているのでしょうか?
何十年もの間,前立腺炎は文字どおり前立腺に関連する炎症性疾患であると考えられてきました.しかし,REDUCE試験で得られた5,000例以上の前立腺癌ハイリスク男性の前立腺生検および前立腺炎症状スコアのデータの検討からは,炎症の重症度,頻度,広がりまたは分布と症状スコアとの間に相関は認められず,むしろ炎症はLUTSと弱い相関を示しました.CPPSの症状と前立腺の炎症は相関しないということが多くの試験から示唆されています.

質問3:慢性前立腺炎(CP)は患者の配偶者のQOLにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
患者が深刻なQOL障害を被っていることは多くの試験から示されていますが,患者の配偶者に及ぼす影響は検討されていなかったため,カップル単位で比較を行うケースコントロール試験を実施しました.その結果,前立腺炎が及ぼす性的影響は深刻で,前立腺炎患者の配偶者には顕著な抑うつ状態がみられました.このことより,治療により前立腺炎の治癒が得られない場合は特に,カップル単位でのマネジメントを行うのが理想的であるといえましょう.

質問4:慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)に対して,現在,選択される治療は何でしょうか? また,CAMUS(NIH Complementary and Alternative Medical approaches to Urinary Symptoms) research groupでは,αブロッカーおよびその他の治療の役割についてどのように考えていますか?
これまでは,抗生物質,抗炎症薬,αブロッカーまたは5α-還元酵素阻害薬が用いられてきましたが,抗生物質の有効性は十分とはいえず,また5α-還元酵素阻害薬と抗炎症薬についてはまったく効果がないことが示されました.しかし,αブロッカーは4試験中3試験で有効性が認められ,特にαブロッカー未投与の早期例に対して有効で,最低12週間の投与の必要性が示されました.また最近,各種植物製剤の有効性について報告されていますが,さらなる研究が必要でしょう.

質問5:最近,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)患者でallostatic overloadが生じていることが示されましたが,このような知見は,患者の治療に関してどのようなことを示唆しているとお考えでしょうか?
今年のAUAで,われわれの研究グループと他の1つの研究グループが,CP/CPPS患者で実際にallostatic overloadが生じていることを報告しました.問題は,この交感神経性の過負荷がCPにより生じているのかどうか,ということになりますが,結論を得るにはさらなる研究が必要です.それにより,これが治療の際に用いられる因子となるのか,診断におけるパラメーターとなるのかが明らかにされると思います.

質問6:Prostatitis Clinical Research Centerの活動について教えてください.
われわれの研究ユニットも同センターの臨床試験に参加しています.現在,αブロッカーであるアルフゾシンの早期投与,慢性疼痛患者に対するプレガバリン,潰瘍性疾患患者に対するグリコサミノグリカンの膀胱内注入療法,慢性疾患患者に対する種々の用量のペントサンポリサルフェート,電気・磁気刺激療法,A型ボツリヌス毒素の前立腺内注入療法などの試験が進行中です.特に重要な試験は心理社会的な疫学研究で,エビデンスに基づいて構築された認知行動療法によるQOL改善効果について検討しており,2006年秋に終了する予定です.

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対症療法

私の考えている慢性前立腺炎は、排尿障害が根本原因です。
そのため、ハルナールやエブランチルなどのαーブロッカーを投与して症状の改善がみられなければ、内視鏡手術を治療手段として選択します。
しかし、内視鏡手術後、排尿障害は改善されたにも関わらず、会陰部痛などの不快な症状が軽快しない患者さんがおらえます。考えられる理由として、過去において症状を作り上げていた脊髄レベルや脳中枢レベルの記憶回路・メモリが未だに活発に作動しているためだと考えられます。
対策として、定期的な仙骨神経ブロックやデパスなどの向精神薬を試みます。それでも改善しない場合には、医師として苦慮する所です。
ただ悩んでいるのは、医師である私よりも患者さんの方です。ご本人がいろいろなことを試され、具合が良いと私に報告されます。教えていただいた方法を幾つか列挙します。
1.腰痛の湿布を腰に張ったら会陰部痛が激減した。
2.コエンザイムQ10を服用したら、楽になった。
3.皮膚がかぶれて地元の皮膚科で処方していただいたアレルギー剤を服用したら、尿意切迫が消失した。
4.腰部の不快感をホッカイロを装着したら楽になった。
5.まずい生姜紅茶を飲んだら、楽になった。

今後も集めた情報をここに掲載します。

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高見さん、今日もお元気ですか?

高見さんは、現在33歳男性で平成17年9月に初めて当院を受診しました。
当院で膀胱頚部硬化症の診断で、2回の内視鏡手術を行っています。初めて来院した時から比較すると、症状は軽減していますが、完全に消えていないので3回目の手術を強く希望されています。
現在、奥様が二人目のお子様を妊娠中で、来年の2月に出産予定です。それ以降に手術を考えましょうという話になっています。「この子だ生まれたら、3回目の手術は精液が出ないくらい削ってもらえる」と嬉しそうに?に話されます。
高見さんは、精神的にとてもデリケートで、残りの症状が強く出るときには、ブログの私の顔をご覧になると楽になるので、一時、携帯電話の待受け画面を私の顔にしていたそうです。(奥様が笑顔でそのように話されていました)
1回目の手術の感想については、患者さんからのレポート#10で報告していただいています。1回の手術で治らないのは私の不徳の致すところですが、患者さんが私を信頼しご夫婦で来院されるので、医師としては喜びです。
高見さんは、毎日このブログをご覧になりながら、「今日は更新した!」「今日は更新していない」と一喜一憂されていると、奥様から伺いました。執筆をするにあたて責任を感じます。

高見さん!一緒に治して行きましょう!

帰りの新幹線で、このページをご覧になっていますか?お約束通り、掲載しました。

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医師の品位・資質

先日、ある慢性前立腺炎で悩まれていた医師から内視鏡手術のキャンセル・メールが届きました。手術後の痛みや出血についての電話での問い合わせに、私の対応がとても悪く、医師として幻滅したとも取れる内容の文面です。以下にその一部を紹介しましょう。

「・・・忙しい時間にお電話したためかどうか分かりませんが先生から「いろいろな場合があります」「びびっているなら止めた方がよいです」「びびっているならやりたくありません」と聞いたときはわが耳を疑い正直びっくり致しました。 それまでの素晴らしい先生のイメージがまったく吹っ飛んでしましました。とりつくしまがないと感じました。
小生も一介のいなか藪医ではありますが同業者の端くれです。・・・それにわずかではありますが年長者でもあります。古い考えかも知れませんが「長幼の…」とか言うことわざもまだ身体に染みついている年代です。もう少し違った物言いが無かったかと思います。・・・」

残念ながら、私はこの先生の思い描いていた理想的な医師ではありませんでした。口は悪いし、偉そうにしているし、同業の目上の医師に対しても礼儀知らずで、およそ医師としての品格はありません。でも病気を治す技量は充分に持ち合わせていると思っています。医師としての品格があって口だけの技量・資質のない医師よりはましだと思っています。頭脳明晰で神眼をもって患者さんの病気を見つけ、人には優しく接し物言いは穏やか、立振る舞いは紳士的で、技量は天下一品、白い巨塔の正反対の人間で、飲まない打たない買わない、お金にもきれい、そのような医師が理想的でしょう。私は俗物的なごく普通の医師です。勝手に高くイメージされ勝手に幻滅される、私はピエロ?でしょうか。

切除・切開をする内視鏡手術に、術後の痛みや出血がないかといえば、嘘になります。ではどのくらいでどの程度の%だと問われても、患者さんによってまちまちです。せめて最大公約数的に分かる範囲でインフォームド・コンセントというページに記載はしてありますが、必ずしもその通りになるものではないことは、医師であれば充分承知できるものでしょう。その同業者の医師からの問い合わせに、私があのように回答しなければならない情けない気持ちがお分かりいただけるでしょうか?真剣勝負の治療・手術です。下手をすれば、私の名は地に落ちます。どんなことがあっても私について行きますという患者さんでなければ、手術を引き受けることが出来ません。

医師にはいろいろなタイプの医師が存在するでしょう。研究熱心で学者肌の医師、親切丁寧で患者さん思いの医師、治療に情熱を燃やし職人気質の医師、診療は程ほどに趣味に生きる医師、お金しか頭にない医師などなどです。私はどちらかというと職人気質の偏屈な医師です。巧みの技を極めようと努力し続ける医師です。ですから私に理想的な医師をイメージしないで下さい。迷惑です。

どんな手術にもリスクはつきものです。切除・切開をする内視鏡手術に、術後の痛みや出血がまったくないかといえば、嘘になります。過剰な期待は患者さんにとっては不幸なことです。手術をお受けになった患者さんにレポートをお願いして、執刀医の私の言葉ではない、患者さんの生の言葉、実体験ををブログに掲載しています。レポート内容は私にとってはマイナスイメージ・不利な事柄が掲載されています。私としてはそれを読んでいただいて、ビビッて来院されない方が、あるいは手術をあきらめていただく方が、患者さんにとっても手術を行う私にとってもお互いに幸せだと思っています。

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御礼の手紙 慢性前立腺炎編

慢性前立腺炎で苦しんでおられた患者さんから手術後、お手紙を頂戴いたしました。
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