M慢性前立腺炎の手術
原因不明とされている「慢性前立腺炎」の原因は、患者さんが無自覚の排尿障害と膀胱三角部の過敏さが原因です。
積極的な排尿障害の治療薬のα1-ブロッカーであるユリーフ・シロドシン、ハルナール・タムスロシン、エブランチルと、膀胱三角部の興奮を鎮めるβ3作動薬であるベタニス、ベオーバの投与で患者さんの80%以上が軽快しました。
しかし、20%未満の患者さんは、まだ我慢できない症状で悩まれるのです。そこで私の考案した内視鏡手術で症状を軽快させます。方法は【初めのイラスト】の通りです。
❶まずは、膀胱出口を開きやすく切開します。6時と12時の切開が基本です。追加としては、1〜2時、4〜5時、7〜8時、10〜11時です。すべて行う必要はありません。
❷症状を作っているのは、排尿障害で刺激された膀胱三角部ですから、縦に切開したり、ボトックスを注射すると症状は軽快します。
【2枚目のイラスト】前立腺肥大症、膀胱の手術は、日帰り手術のために仙骨神経ブロックで行います。すると手術中にオシッコを出すことが可能です。術中にオシッコを出すようにいきんでもらうと、正常であれば膀胱出口がキレイに開く筈なのに、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんの場合には、膀胱出口が閉じるのです。それも12時の方向から下に下がるのです。そして6時の部分が正常よりも上に位置しているのです。
その理由は膀胱括約筋が肥大して、膀胱出口の12時に位置しているため、排尿時に膀胱括約筋が収縮して12時の位置が下がるのです。6時の位置が相対的に上に上がるので、膀胱出口の6時の位置が膀胱側に飛び出るのです。
【3枚目のイラスト】ですから内視鏡手術としては、膀胱出口の12時と6時の位置を十分に切開するのです。また6時の位置を膀胱三角部まで十分に切開すれば、症状も低下します。
この方法に気づき実行しているのは、日本(世界?)でも私ひとりだけです。当然、保険適応外です。50歳以上であれば前立腺肥大症と言う病名で保険適応の内視鏡手術できます。50歳未満の場合は、尿道狭窄内視鏡手術として保険手術すれば安価です。この私のやり方を真似して実行して頂ければ、たくさんの患者さんに好かれますよ。
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