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未病と病気

病気には必ず原因があります。
だからと言って、必ず症状が出るわけではありません。
しかし、ひとたび症状が出ると、なかなか治らない病気もあります。
その理由を簡単に示すと、右のイラストのようです。
Mibyo
原因と脊髄神経回路が密接に繋がるから、症状が発現するのです。
ところが、原因と神経回路が十分にリンクしていない、あるいは、神経回路が未完成であると、症状は出ないのです。それが、いわゆる「未病」です。
症状が出ないから安心とは言えません。例えば、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんは、病気が発症する前から、軽度の頻尿や冷え症があります。

Mibyo2
それらの症状が極端に悪化して、極端な頻尿や足のシビレや痛みなどが出て、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎と初めて診断されるのです。
脊髄神経回路は、ある意味で、ブラック・ボックスです。医学がどんなに進歩しても、神経回路を認識・把握することはできません。

Mibyo3
未病の状態が長く続くと、神経回路が完成されて、ある日突然に症状が出現するのです。患者さんの多くが、「それまで何でもありませんでした。ある日、突然です。」とおっしゃいます。何でもなかったのが「未病」だったのです。
神経回路が完成されて、症状の強度が高まったり、複数の症状が出たりするのです。排尿障害が原因の場合は、イラストのような症状、頻尿・残尿感・尿意切迫感・痛み・かゆみ・シビレ・違和感などになるのです。
これらの症状の強さと組合せにより、現場の医師が、慢性前立腺炎、慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症候群、前立腺症、慢性骨盤疼痛症候群と、簡単なパズルゲームの解答のような診断をするのです。医師は、もっと想像力を働かせて診断・治療しなければならないのです。

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コメント

お久しぶりです。以前先生にエブランチル、ベタニスを処方していただき、股間部の痛みは緩和されております。

ひとつ新たに質問があります。それはノドが痛いなどの症状が出た際に、高確率で股間部の慢性前立腺炎風な痛みが同時に起きる傾向があります。これは単に偶然なのでしょうか?それともノドの痛みと慢性前立腺炎には相関関係があるのでしょうか? 熱が出たときも股間部が急に痛くなることもあり、不可思議に思っております。
【回答】
脊髄内の神経回路で、前立腺と咽頭の神経回路が接続しているのでしょう。

投稿: イノマタ | 2018/07/18 06:11

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