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ビジネスモデルについて

患者さんのブログに下記のような投稿があり、少し炎上したようです。

「アルファブロッカーはご存知のとおり症状を緩和するだけで根治を目指す薬ではありません。
プロダクトポートフォリオマネージメント(PPM)という有名なビジネスの戦略分析手法があります(PPMに関して詳しく知りたい方はネットで調べてみてください)。Tクリニックでアルファブロッカーを処方された患者は一生Tクリニックから薬を購入しないといけないわけですから、これらの既存患者はPPMで言うところの「CASH COW(金のなる木)」といえます。
またT先生はネットで熱心にコメントを記載しており、これを見て新しい患者さんが集まるわけですが、これらの新規見込み患者はPPMで言うところの「STAR(スター)」になります。まれにTクリニックからよそに乗り換える患者さんもいるわけですからこれらの患者さんはPPMで言うところの「QUESTION MARK(問題児)」といえます。
いずれにせよTクリニックをPPMの観点(=ビジネスの観点)でみると金のなる木とスターがほとんどですので相当よくできたビジネスモデルと言えるでしょうね。巷の会社経営者はぜひ彼のビジネスモデルを見習うべきでしょう。
T先生は尿検査もせず訪れた患者さんほぼ100%に「膀胱頚部硬化症」と診断するのはなぜなのでしょうね~?」
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私の感想を思いつくままにしたためました。

『アルファブロッカーはご存知のとおり症状を緩和するだけで根治を目指す薬ではありません。』

症状を緩和するための対症療法として、α‐ブロッカーを処方している訳ではありません。
難治性の慢性前立腺炎のほとんどに排尿障害が隠れていて、それを見過ごされているあるいは軽視されているから、根本治療としてα‐ブロッカーを処方しています。
また病気の本質が機能障害という慢性疾患を考えていますから、根治は目指せないと考えています。
もしも本当に慢性前立腺炎=細菌説であるのなら根治を目指していないことになりますが・・・。

『プロダクトポートフォリオマネージメント(PPM)という有名なビジネスの戦略分析手法があります(PPMに関して詳しく知りたい方はネットで調べてみてください)。Tクリニックでアルファブロッカーを処方された患者は一生Tクリニックから薬を購入しないといけないわけですから、これらの既存患者はPPMで言うところの「CASH COW(金のなる木)」といえます。 』

ビジネスに関して私はド素人ですから、ここの部分はよく分かりません。
ただ、根本治療のためにα‐ブロッカーを処方しているのであって、ビジネスで処方するというのなら、それは医師の治療の内です。絶対的な薬剤ではありませんから、効き目がなければ薬剤を中止するのは患者さんの自由です。α‐ブロッカーは他の医師にも処方できる薬剤ですから、高橋クリニックに通院しなくても治療は可能でしょう。
また、慢性疾患、例えば高血圧・糖尿病・高コレステロール・高尿酸血症(痛風)・慢性気管支炎・肺化膿症・喘息・アレルギー性鼻炎・リウマチなどは、その患者さんに合った治療薬が見つかれば、特別な事が起きない限り一生服用です。この状態も問題になるということになります。
私は慢性前立腺炎=膀胱頚部硬化症=機能障害は慢性疾患と考えていますから、このような治療になるのは当然でしょう。

『またT先生はネットで熱心にコメントを記載しており、これを見て新しい患者さんが集まるわけですが、これらの新規見込み患者はPPMで言うところの「STAR(スター)」になります。まれにTクリニックからよそに乗り換える患者さんもいるわけですからこれらの患者さんはPPMで言うところの「QUESTION MARK(問題児)」といえます。 』

忙しい臨床の隙間時間を利用しての、真摯な回答も客寄せパンダ商売という観点から問題になる訳ですね?

『いずれにせよTクリニックをPPMの観点(=ビジネスの観点)でみると金のなる木とスターがほとんどですので相当よくできたビジネスモデルと言えるでしょうね。巷の会社経営者はぜひ彼のビジネスモデルを見習うべきでしょう。』

ビジネスモデルとしてはよく出来たモデルかも知れませんが、収益の時間的労力的コストパフォーマンスは悪過ぎです。
再診料は124点、処方料は68点で合計192点(1920円)です。平成25年度の再診患者数は延べ人数7千人越え(慢性前立腺炎の患者さんの数は実際は4分の1の2千人弱でしょう。)ですから、全員がα‐ブロッカーの処方のために来院したと考えて、単純計算で1920円×7千人=134万4千円(年間)になります。(指摘されて気づきました。計算違いでした!1344万円でした。サラリーマンであるなら高額ですが・・・)
この投稿者の言う「良く出来たビジネスモデル」であるためには、再診料+処方料が合わせて1万円くらいなら、1万円×7千人=7千万円となりますから信憑性があるモデルになります。
現実的には毎月12万円弱(これも間違い!120万円弱)の収入を得るために、この陳腐なビジネスモデルを私が考えたと思われるのは、経営に関して私が全く無能だと思われいるように感じます。

『T先生は尿検査もせず訪れた患者さんほぼ100%に「膀胱頚部硬化症」と診断するのはなぜなのでしょうね~?』

理由は簡単です。
世の中のほとんどの医師が慢性前立腺炎=細菌説です。
私だけが慢性前立腺炎=膀胱頚部硬化症だと信じている医師だからです。
当院を受診する患者さんの多く(99%以上)がドクターショッピングした挙句に、当院を訪れるからです。
当然、慢性前立腺炎=細菌説で散散治療されています。抗生剤を何回も変えられ、セルニルトンを長期に服用し、細菌が検出されなくなると「治った!」と診断され、症状が改善していないと「気のせい!」と宣告される患者さんがほとんどです。
そのような境遇の患者さんに対して、私が同じように細菌説を唱えて、初めからまた抗生剤・抗菌剤治療するのはとても愚かしいことです。尿一般検査は実施していますが、細菌培養は行いませんし、ましてや前立腺マッサージも行いません。
ただし、忙しい時に来院した患者さんや尿が十分にたまっていない患者さんには、超音波エコー検査のみで診断しています。尿流量測定検査(ウロフロメトリー)も尿検査も省くことはあります。
治りの悪い慢性前立腺炎は=排尿機能障害=排尿障害=膀胱頚部硬化症という独断で治療を進めています。
排尿障害を念頭に置いて治療しますから、膀胱・前立腺・尿道の平滑筋の緊張を緩めるために、α‐ブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフ・フリバスなど)・β3刺激剤(ベタニス)・PDE5阻害剤(ザルチア)を処方し、訪れる90%以上の患者さんに効果を認めます。

もちろん私の考え方が全て正しいとは思いませんし、他の治療で治る方も現実に存在します。それはそれで良いと私は考えます。100人医師がいれば100通りの考え方や治療法があります。そして、それぞれに治療効果は出ている筈です。私の治療が絶対的に正しいと私自身がその事に固執するならば、慢性前立腺炎=細菌説を盲信している輩と同じになってしまします。

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コメント

いつもお世話になってます。
この批判者は一番大事なのは時間だという考えを持ってないんでしょうね。先生が金のためだけにやっているとしたら明らかに労力と見合ってませんよね。ブログをきちんと読んで自分自身の症状と真剣に向き合っている人なら分かるはずです。つまらない意見ですね全く・・・。時間の無駄です。

先生これからもよろしくお願いします。

投稿: サトウ | 2014/05/19 20:57

高橋先生患者さんブログチェックされたんですね。怒らないで下さい。
恐らくは書いた患者さんはアルファブロッカーで改善せず 抗生物質で改善されたから反論したのでは
先生の説明納得しました。

投稿: YM | 2014/05/19 21:11

高橋先生の治療が最高!
応援しています! 

投稿: カープ坊や | 2014/05/20 09:49

先生お世話になります、このような理不尽な物事の考え方しかできない方がブログにて理不尽な発言をされる事に怒っております、お忙しい中にも関わらずメール・電話相談でも無償でのアドバイス!先生の本当に的確で細やかなアドバイスに皆さん救われ生きる望みを得てるのが現実です!私は先生のアドバイスのみで救われました、先生の厳しい中にも他の先生には無い研究熱心から真実を導き出そうとする熱意が伝わります、それにしても、この方はどのような意味でブログにされたのでしょうか?
【回答】
人それぞれ考え方はいろいろです。
私の診療スタイルを悪意に感じる人もいます。

投稿: けんじ | 2014/05/21 12:12

私も高橋先生に救って頂いている患者の一人です。
先生の反論、納得しました。私も同感です。
先生の排尿障害理論が少しずつですが、日本の泌尿器科に浸透して行ってると思います。調べてみると、あちこちの泌尿器科がαブロッカーの服用を第一選択にする病院が増えています。
間違いなく高橋先生がトップランナーです。
これからもお世話になります。

投稿: 慢性患者 | 2014/05/21 12:59

先生、失礼ですが、1920×7000の計算、桁が一つ間違っていませんか?
【回答】
本当ですね。
私の勘違いでした。
それでも私のクリニックは、この金額ではやっていけません。」

こちらの勘違いなら、大変申し訳ございません。
私は先生のこと、医師としても人間としても尊敬していますし、信頼しております。

投稿: | 2014/05/21 14:19

本日診察有難うございます。
31356です。

経営のプロならば、高橋先生に経営のコンサルタントしたらいいのに?
文句があるなら直接本人に言うべきですね、ネットにさらすのは卑怯者です。

私を含め改善している患者さんがいるわけですから、これは否定できない と思いますが。

私は高橋先生を信頼していますし、日本人の最も美しい精神性の美徳を高橋先生は身をもって示していてくれています。
ますます 頑張って頂き、沢山の患者さんを助けて下さい。

投稿: 博 | 2014/05/21 14:49

あちらのブログの炎上には私もかなりひどいなと感じていました。自分を含め高橋先生の治療で改善している人もかなりの数いるわけです。アルファブロッカーで改善するのは確かに時間がかかりますが、だからといって治らない、と勘違いして八つ当たりのようなことをネットで書くのはあまり良くないなと感じました。他の方も書かれてましたが、確かに日本でもよく勉強している泌尿器の先生の中には非細菌性前立腺炎の第一選択がアルファブロッカーということを分かっている人もいましたし、高橋先生のところに行く前に私がかかった良心的な先生はそういうことでハルナールを処方してくれました。(ただその先生が遠方の病院に行かれてしまい後任の先生には前立腺炎は気のせいだよ、薬を出せば何でも効くんだと暴言を吐かれたので高橋先生のところに行くことにしたのですが)これからも頑張ってください。

投稿: じんぱち | 2014/05/21 17:50

先生、はじめまして

昨年に会陰部の痛みから泌尿器科で慢性前立腺炎と診断されました。
現在は疲れが溜まったりすると睾丸が少し引きつれた感じと会陰部の掻痒感が出るぐらいで落ちついてます。

ただ、、、この病気になったあたりから早漏になってしまいました。
先生のブログでは随伴する症状に早漏の記述はないようですが、ネットを見て回ると早漏の原因の一つに前立腺炎…との記述を見かけます。

先生の院には前立腺炎~早漏で悩まれてる患者さんはいらっしゃいませんか?
どうにも自信が無くなってしまいまして・・・

お忙しい中、大変申し訳ありませんがご回答いただければありがたいです。
よろしくお願いいたします。
【回答】
早漏でも遅漏でもいろいろあります。

投稿: はくり | 2014/06/17 14:30

高橋先生
よろしくお願いします
先生より内視鏡手術してもらい比較的安定していた状態でしたが 夜間に何度も勃起して強烈な尿意で目が覚めてしまいます いろいろアルファブロッカー試して今はフリバスを服用していますが 悪化したと考えますか?
【回答】
勃起は、排尿障害が軽減して陰部神経の負担が取れている症状です。
ですから悪化とは考えません。
しばらく様子をみてください。

投稿: 慢前患者 | 2014/07/08 08:16

先生のブログにある 患者さんのレポート41の方は さまざまな痛みが内視鏡手術で改善されています
よくみると半年かかって改善しています 半年は様子をみたほうがいいのでしょうかやはり?
【回答】
はい。」

最後のほうの先生のコメントに3D画像により膀胱三角部以外の過敏な場所が分かるようになったとありますが 現在も内視鏡手術に反映されていますか?
【回答】
3D画像で所見のない患者さんもいますから、判断に難しい局面もあります。

投稿: | 2014/08/12 20:52

高橋先生
抗うつ剤トリプタノールや抗不安薬などの副作用にパーキンソン症状とありますが 発症した場合は薬を止めると改善しますか?
【回答】
薬剤が原因の副作用ですから、中止すれば治るでしょう。」

以前後遺症として残ったという記事をみまして
【回答】
もともとパーキンソン病の素因がある方が、たまたま服用して発症したのでしょう。
服用しなくても、いずれ発症したのだと考えます。

投稿: | 2014/08/19 11:34

先生のホームページを見て30年もの間の地元の泌尿器科医との付き合いは何だったのかと思っています。まさしく先生の言葉通りの治療をしてきました。明日の朝にお尋ねするためにこれから福島を出ます。よろしくお願いします。

投稿: 〇〇〇〇雅之 | 2015/04/06 15:16

この記事へのコメントは終了しました。

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