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男女の両者にある原因不明の膀胱頚部硬化症

男女の原発性膀胱頚部硬化症
Primary Bladder Neck Obstruction in Men and Women

ヴィクターW.ニッティ、MD
ニューヨーク大学医学部泌尿器科、ニューヨーク

Pbno【要旨】
原発性膀胱頚部硬化症(PBNO)は、膀胱頚部が排尿の間に適切にあるいは完全に開かない状態である。
原発性膀胱頚部硬化症PBNOの真実の罹患率を確認するのは難しいが、排尿機能障害を持った男女それぞれの研究調査は、この条件の著名な罹患率を実証する。
原発性膀胱頚部硬化症PBNOによって引き起こされた畜尿症状(頻度、尿意切迫、切迫性尿失禁、夜間頻尿)および排尿症状(尿勢減弱、排尿開始遅延、残尿感)を含んでいる。
神経筋による機能障害や繊維症を含むPBNOの病因に関して多数の理論がある。
膀胱頚部硬化症PBNOの診断は、排尿時のビデオ・ウロダイナミクス、同時の圧力流量測定を備えたウロダイナミクス検査、膀胱頚部の画像で正確に作ることができる。
治療は、症状の重症度やウロダイナミクス検査所見や治療による効果に応じて、薬物療法による経過観察から外科的治療に至るまで多岐にわたる。
この報告は、罹患率、膀胱頚部硬化症PBNOの病因、診断および治療に関して現在の最先端技術を調査する。
RevUrol2005;7(suppl 8):S12-S17] 2005 MedReviews

原発性膀胱頚部硬化症(PBNO)は、排尿の際の男性の前立腺肥大症や女性の性器脱に起因する解剖学的閉塞が特に見られず、横紋括約筋(尿道括約筋)の過活動あるいは尿流閉塞によって膀胱頚部が十分に開かない状態を示す。
膀胱頚部硬化症PBNOは、1933年Marionによって最初に報告された。後に1973年、Turner-Warwickらが膀胱頚部機能障害を診断するためにウロダイナミクスと膀胱尿導造影を使って、下部尿路症(LUTS)の既往の長い50歳代やそれ以下の年齢の男性を調べた。
同様に、NorlenとBlaivasは1986年に、23人の若年・中年の男性膀胱頚部硬化症を診断した。この23人はそれまでに前立腺炎、過活動膀胱、心因性排尿機能障害と診断されていた。
膀胱頚部硬化症PBNOは、女性にも臨床では存在すると報告された。1984年にDioknoらによって、1987年にAxelrodとBlaivasによって、それぞれ3人の女性の症例を報告している。

【病因論】
 膀胱頚部硬化症PBNOの原因は正確には解明されていない。状況に応じていろいろな理論が存在する。最初の理論は膀胱頚部に生じた構造的変化着目した理論である。例えば、線維化狭窄や過形成をMarionが最初に提唱した。Leadbetterの提唱した理論は、間葉組織の自然消退障害や非筋原性結合組織の大量の含有物の存在を示唆している。それらは平滑筋の過形成、繊維組織の拘縮や炎症性変化の結果として生じる。
同様に、Turner-Warwickらは、排尿筋/三角筋組織の異常な形態に起因する非効率な膀胱頚部の開放について記述した。
 膀胱頚部硬化症の神経学的病因論も交感神経の機能障害という形で示唆された。Croweらが示したところによると、ニューロペプチドY免疫反応性神経の密度増加が、膀胱頚部に存在する交感神経作動性の収縮システムにあり、膀胱頚部協調障害の男性から得られた膀胱頚部組織中に認められた。
 明らかな膀胱頚部機能障害の症例中には横紋筋性尿道括約筋の異常の結果かも知れない。広く認知されたところでは、随意排尿の初めに起き、外尿道括約筋の弛緩時である。最近のYallaとResnickは次のように示している。外尿道括約筋が弛緩する際に、膀胱内圧と膀胱頚部の圧力が増加し、膀胱内圧の上昇速度が膀胱頚部の圧力より大きい。膀胱内圧が膀胱頚部の圧力を超えた時点で、数分遅れて排尿が始まるという現象が起きる。55歳以下の排尿機能障害や閉塞型の排尿曲線を示す84人の台湾人の調査によると、33%の頻度で膀胱頚部硬化症の患者がいるとYangらが報告している。
 女性の膀胱頚部硬化症の頻度や罹患率のデータは少ない。数少ない報告者の女性の実態のレポートの多くもまた次のような所見である。それは一定の患者の中には尿道括約筋が機能的に膀胱頚部まで延長している。それらの患者は排尿初期の圧力変化がわずかに変化している。別の研究では、Yallaらの報告によれば、外尿道括約筋の膀胱頚部への機能的延長は男性の48%に認められる。

【備考】
原文の「Primary Bladder Neck Obstruction」を直訳すると、原発性膀胱頚部閉塞症です。原発性とは原因不明という意味ですし、閉塞症を日本で昔から使われてきた硬化症と訳しました。

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コメント

高橋先生

2005年に発表された文献でしょうか?
なぜ、これが発表されて9年にもなるのに明確な治療法が研究・確立されないのでしょうか?
【回答】
それが現実です。」

ここの「原因不明」というのは、先生は「発育不全」とのお考えですよね?
【回答】
はい。

投稿: | 2014/04/10 08:43

例えばの話ですが、高橋先生の患者さんで慢性前立腺炎症状で苦しんでおられる同志で決起集会を行うか(物理的に無理でしょうが、今はネットの力も有力となるでしょう。)、もしくは呼びかけて厚生労働省宛の署名を同志で集めて嘆願してみるという考えはいかがなのでしょうか?
腰が重たい、全国の泌尿器科の先生方や国もこれがきっかけで何か動いてくれるといいのですが。
幸いにも私の友人が厚生労働省に勤務しておりますので、
頼めば受け取って提出してくれるかも知れません。

投稿: | 2014/04/10 23:28

高橋 先生
慢性前立腺炎と尿検査のたんぱく尿について
前立腺炎があればたんぱく尿は出ますか?
通常でもたんぱく尿++は出るものでしょうか?
【回答】
タンパクは様々な原因で検出されます。
もちろん前立腺炎でも出るかも知れません。

投稿: 患者 | 2014/04/23 23:58

おはようございます。47才、女性です。過活動膀胱との見立てで、10日程前の診察で漢方薬のチョレイトウを1日3回とベタニス一錠処方されました。ひと月前から体調不良で不眠があり、その泌尿器科の診察の翌日に精神科でレンドルミンとロラゼパムをもらって眠る前に飲んでいます。症状としては、キリキリする痛みとかシミるような痛みはなく、排尿してトイレから帰ると少ししたらキューっと圧迫される感じが始まります。立ち歩くと膀胱が揺さぶられる感じがして不快です。失禁してしまうほどの尿意切迫感ではないのですが、常に尿がある感じ、残尿感がひどく、常にいつ行こうかいつ行こうか考えいる始末です。昼過ぎくらいから特にひどいです。夕食後ベタニス一錠飲むのですが、その後も症状が強くなり、寝る前のトイレ後も残尿感を抱えたままで気になるのですが、今は睡眠薬で眠れている状態です。ただ、膀胱の不快感で夜途中で目が覚めトイレに行くと、それが気になりその後あまり寝付けません。最初に体調不良になった原因がめまいとそれに対する不安だったので、年齢的にも更年期の症状ですべてが片づくのかと婦人科の診察を考えたりもします。ベタニスは10日程の服用期間では効果が現れないのか、もう一度泌尿器科に行くべきなのか、迷っています。最初に尿検査とエコー検査による残尿測定をしましたが、細菌も血尿もなく、特に何も言われませんでした。よろしくお願いします。
【回答】
排尿障害が原因の過活動膀胱状態でしょう。
水分(お茶・コーヒーを含む)を極力控えて1日1㍑以下にして下さい。
水分を摂取すればする程、症状は悪化します。
出来れば、α-ブロッカー(エブランチル)を処方してもらうといいですね。

投稿: ぴろぺ | 2014/07/06 07:44

高橋先生こんにちは。
今年の2月初旬に初めて先生の診察を受け、膀胱頚部硬化症と診断され、エブランチルとベタニスを処方された者です。
最初はきちんと服用していたのですが、2ヶ月前から、(もともと眠りが浅いため)
内科でもらったデパスを飲んだり、風邪薬を飲んだりということがあって、勝手に休薬していました。すると最近、また痛みが出るようになってきました。
薬を飲み始めて、痛みが減ったわけではありませんが、かなり久しぶりの痛みです。
排尿後にしばらく続き、あとは何もないですが・・今、残りの薬を飲み始め3日位ですが、もし薬で効果がない場合、外科的手術という方法もありですか??
【回答】
はい。」

メールアドレスが分からず、こちらに投稿させて頂きました。すみません。
【回答】
メールは現在、公開していません。

投稿: S | 2014/09/17 20:40

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