ヒョウタンからこま 慢性前立腺炎の症状#16 「慢性副鼻腔炎」
尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、非対称性の排尿曲線で排尿障害を疑います。実際に残尿は212mLと大量に認めました。
検査の結果では、排尿障害による陰嚢掻痒症と診断しました。
早速、α-ブロッカーを処方したところ、20年間悩んでいた痒みが劇的に減少しました。もちろん、排尿回数も1日5回ほどになりました。
しかし、患者さんは強く内視鏡手術を希望され手術の運びとなりました。
内視鏡手術を実施後2日目に、患者さんの陰嚢掻痒症はなくなり、さらに鼻のムズムズ感がなくなったというのです。患者さん本人いわく、18歳の頃から左右どちらかの鼻が詰まっていて、耳鼻科で「慢性副鼻腔炎=蓄膿症」と診断されていたとのこと。陰嚢掻痒症とは無関係と思っていたので、私には告げていなかったそうです。
しかし、内視鏡手術を実施してから20年以上悩んでいた慢性副鼻腔炎症状も消失したと驚かれました。
私も以前から慢性前立腺炎の患者さんの体質で「蓄膿症」を挙げていましたが、ちょうどその患者さんだったのです。
内視鏡手術後3ヵ月経過した超音波エコー検査所見です。
術前の超音波エコー検査で特徴的だった膀胱三角部の肥厚はなくなりました。
膀胱出口もV字に開いています。
手術後の尿流量測定検査(ウロフロメトリー)も術前と比較して明らかに改善しています。排尿曲線は左右対称の正常に近い状態です。
残尿も7mLと術前の212mLとは30分の1になっています。
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