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50例 慢性前立腺炎と誤解された若年者の膀胱頚部硬化症

Bns24m24085若年者(10歳代~29歳まで)の非細菌性慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の原因である原発性膀胱頚部硬化症を多くの泌尿器科医にサッパリ認知されていないので、ここでは男性の実例を挙げていく試みをします。
予定としては50症例です。このくらいの数だと泌尿器科学会で報告した際に、ある程度体裁が整うでしょう。少しずつリアルタイムで掲載していきます。来年(平成23年4月)の名古屋で開催される第99回日本泌尿器科学会総会の報告まで間に合うかどうか、こうご期待です。また、私しかできない3D超音波エコー検査は原則として判断材料にはせずに(参考に供覧するかも知れませんが)、医師であれば誰でもできるであろう2D超音波エコー検査と尿流量測定(ウロフロ)を検査の軸にします。

【1】
患者番号24085 24歳男性です。
4年前から頻尿で苦しんでいます。1日20回~30回の頻尿です。これまでに関西の大学病院を含めた5軒の泌尿器科を受診しています。診断名は「過活動膀胱OAB」です。
この写真は超音波エコー検査の側面像です。膀胱出口の左に膀胱三角部が台形状に盛り上がっています。通常膀胱三角部は超音波エコー検査ではほとんど描出されませんから、この時点で正常ではありません。
前立腺の大きさは21ccです。若い人の前立腺の大きさの正常は15cc以下と私は考えていますから、少し大きくなっています。排尿障害の振動刺激による前立腺の反応性肥大です。
膀胱出口・括約筋間距離(膀胱括約筋と膀胱出口との距離)は10mmで距離が少し離れています。正常は5mm以下と考えています。
注:膀胱出口・括約筋間距離(Outlet-sphincter-distanceあるいはOrifice-sphincter-distance略してOSD)は私の造語ですから常識と思わないで下さい。

Bns24m24085flow尿の勢いの検査=排尿曲線です。
腹圧性のよわよわしい排尿です。前立腺肥大症のそれと似ています。
最大尿流速度9.3mL/秒(正常25以上)で平均尿流速度4.6mL/秒(正常15以上)でした。
主要下部尿路症スコア(CLSS)は18点(正常は0点~5点以下)、QOLは6点(正常は0~3点以下)です。患者さんの辛さは強いと判断します。

この患者さんは結果として、内視鏡手術を希望されました。手術後1週間しか経過しませんが、頻尿は10回~15回に減少(以前は20回~30回)しました。以前にあったという膀胱(下腹部)の締め付け感と陰茎の痛みもなくなりました。下腹部の締め付け感が消失した代わりに下腹部がスースーと感じるそうです。1ヶ月後の診察が楽しみです。

Bns25m23994【2】
患者番号23994 25歳男性です。
中学生の頃から(10年以上前)、1日16回以上の頻尿です。夜間も3回尿で眼が覚めます。常に尿意切迫感が付きまとい、月に1回くらいは間に合わなくて尿失禁してしまいます。有名な泌尿器科クリニックを受診して「過活動膀胱OAB」と診断されましたが、治りません。
2D超音波エコー検査の側面像です。膀胱出口・括約筋間距離は13mm(正常は5mm以下)と距離が離れています。前立腺の大きさは16ccでほぼ正常です。

Bns25m23994flow排尿曲線は正常型ですが、力強くありません。
最大尿流速度19.5mL/秒、平均尿流速度9.9mL/秒です。

Bns25m23994scope内視鏡検査では、膀胱頚部硬化症特有の柵形成(Bar in the sky)を認めます。
主要下部尿路症スコアは10点(正常5点以下)、QOL6点(正常3点以下)です。

この患者さんは内視鏡手術を行い、1日の排尿回数は5回(治療前は16回以上)、夜間は尿で起きなくなりました。尿意切迫感は、手術前の具合の悪さを100%とすれば、現在5%以下だそうです。もちろん尿失禁は、手術後3ヵ月経過しましたが一度もないそうです。
主要下部尿路症スコアは10点から1点に改善し、QOLも6点から0点に正常化しました。

Bns24296m28【3】
患者番号24296 28歳男性です。
8年前から右の睾丸の不快感(引張られる感覚・鈍い痛み)を感じていますが治りません。いくつかの病院を受診しましたが「異常なし」です。排尿回数は1日5回~6回、夜間は起きません。
2D超音波エコー検査で観察すると膀胱出口が山のようにせり出しています。膀胱出口・括約筋間距離は14mm(正常5mm前後)と離れています。前立腺嚢胞も確認できます。
山の左右の頂上に硬化像を認めます。膀胱頚部硬化症です。
前立腺の大きさは18ccと年齢の割には大きくなっています。この年齢の正常は10cc~15ccです。
主要下部尿路症スコアは1点と正常ですが、QOLは6点と具合の悪さを表しています。

Bns27m24327【4】
患者番号24327 27歳男性です。
約1ヵ月前から陰茎皮膚の痛み(ジンジン)を感じ、皮膚科で抗生剤や軟膏の治療を受けましたが、まったく改善しないために高橋クリニックを訪れました。痛む場所の皮膚は問題ありません。
2D超音波エコー検査で膀胱出口の硬化像を容易に認めることができます。前立腺の大きさは20ccと年齢からすると大きい方です。1日の排尿回数は9回(正常7回以下)と多めです。
膀胱出口・括約筋間距離は19.8mm(正常5mm前後)で異常を認めます。
主要下部尿路症スコアは2点、QOL4点でした。
主要下部尿路症スコアの欠点は、畜尿症状と排尿症状を中心に評価していますから、この患者さんのように痛みだけの場合、スコアが低く出ます。

Bns27m243273d3D超音波エコー検査で確認すると、直感的に膀胱出口の硬化像を確認できます。
硬い出口がリング状になって確認できます。
膀胱三角部は膀胱括約筋ほど硬くないので、3D超音波エコー検査では透明で描出されません。そのため膀胱出口の下唇に見える部分が強調されて、リング状に観察されるのです。

Bns21m24231【5】
患者番号24231 21歳男性です。
2年前から睾丸が痛く苦しんでいます。痛みは右だったり左だったり移動性の痛みです。
泌尿器科を7軒ほど受診しましたが、いずれも「分からない」、「非細菌性慢性前立腺炎」の病名です。
膀胱出口の腹側が山のように盛り上がっています。前立腺の大きさは12ccで正常です。
膀胱出口・括約筋間距離は11mm(正常5mm前後)と異常を示します。
睾丸の痛みは、排尿障害→膀胱三角部過敏→関連痛の病態から来るものだと思われます。

Bns21m24231flowこの患者さんの尿流量測定です。
膀胱頚部硬化症や慢性前立腺炎の患者さんの特徴であるギザギザ排尿曲線です。排尿量は474mlもあるのに最大排尿速度は25ml/秒前後で頭打ちになっています。57歳の私でさえ410mlの排尿量で最大排尿速度は45ml/秒を超えていますから、21歳では排尿障害の排尿曲線です。

Bns25m23967【6】
患者番号23967 25歳男性です。
6年前から尿の出が悪いと感じるようになりました。寝ていると15分毎に突然尿意を感じることがあります。1日の尿の回数は10回以上、夜間は2回です。
超音波エコー検査で、前立腺の大きさは20ccと年齢的には大きいです。
膀胱出口・括約筋間距離は14mm(正常5mm前後)と距離があります。

Bns25m23967flow尿流量測定検査の所見です。
排尿曲線は25歳にもかかわらず、「前立腺肥大症」型で排尿障害を強く示唆します。
主要下部尿路症スコアは15点、QOLは6点です。
α-ブロッカーの4ヵ月治療により、主要下部尿路症スコアは10点にQOLは5点になりました。

Bns29m23518【7】
患者番号23518 29歳男性です。
3ヵ月前から残尿感・頻尿・排尿障害を訴えています。地元の2軒の泌尿器科で「慢性前立腺炎」と診断されました。
頻尿は1日10回~20回です。夜間は起きません。
2D超音波エコー検査では、膀胱出口の硬化像と前立腺結石を認めます。
膀胱出口・括約筋間距離は14mm(正常5mm前後)と距離が長いです。

Bns29m23518flow尿流量測定ではご覧のようにダラダラと力のない排尿曲線です。前立腺肥大症型の曲線です。自尿は336mlですが、残尿は187mlと紙コップ一杯分の量が優に存在します。
主要下部尿路症スコアは8点、QOLは5点でした。α-ブロッカーの服用により頻尿は1日7回以下になりました。治療8ヵ月で主要下部尿路症スコアも4点、QOLも4点に下降しています。

Bns27m24357【8】
患者番号24357 27歳男性です。
5ヵ月前から陰茎の根元がかゆくて仕方がありません。地元の泌尿器科を受診して治療しているのですが、治りません。
2D超音波エコー検査では、前立腺の大きさ19ccと若干大きめです。膀胱出口の硬化像を認めます。膀胱出口・括約筋間距離は13mm(正常5mm前後)と長めです。今日は尿をためた状態では来院しなかったので尿流量測定検査(ウロフロメトリー)はできませんでした。
主要下部尿路症スコアは0点ですが、QOLは痒みのため6点満点で5点です。

Bns20m18317【9】
患者番号18317 来院時20歳の男性です。
症状は毎日右下腹部に走る「ズキン」という痛みです。1日に5回ほど前触れもなく起こるのです。
2D超音波エコー検査では膀胱出口硬化像と膀胱三角部の肥厚を認めます。
膀胱出口・括約筋間距離は11mm(正常5mm前後)ですから長めです。前立腺の大きさは13ccと小さめです。

Bns20m18317flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、ご覧のようにダラダラした排尿曲線を示します。前立腺肥大症と膀胱頚部硬化症の中間型の排尿曲線です。
自尿は689mlでしたが、残尿は267mlと大量でした。
早速、α-ブロッカーの服用を始めたところ、痛みは激減し、平成17年11月から平成22年4月に至るまでコンスタントに通院しています。
主要下部尿路症スコアは11点から5点に改善しました。QPLも6点から4点に加工しました。

Bns24m23193【10】
患者番号23193 来院時24歳の男性です。
2年前から会陰部痛・睾丸痛が発症、都内の有名な泌尿器科クリニックを受診するも、「よく分からない」「何の病気でもない」とあまり相手にされませんでした。
私のブログを参考に、エブランチルを希望し服用していましたが、痛みが陰部から腰痛に移動するようになったので、高橋クリニックを受診しました。
2D超音波エコー検査では、膀胱出口の硬化像と膀胱三角部の肥厚を認めます。膀胱出口・括約筋間距離は10mm(正常5mm前後)と長めです。
前立腺の大きさは12ccと小さめです。

Bns24m23193flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)は高さの出ない前立腺肥大症型です。自尿は215mlで残尿は28mlでした。

Bns24m23193op1水分制限とα-ブロッカーの服用で症状が少し軽快しましたが、患者さんは内視鏡検査を強く希望され、手術になりました。
この写真は手術直前の内視鏡所見です。膀胱頚部硬化症特有の柵形成を認め、麻酔がかかっているにもかかわらず、膀胱出口は2mm前後しか開いていません。

Bns24m23193op2内視鏡手術直後の所見です。せりあがっていた柵形成部分を切除して膀胱出口を開放しました。もちろん膀胱三角部も処置しました。術前の所見と比較すると明らかに異なる膀胱出口です。

Bns28m23543【11】
患者番号23543 28歳男性です。
平成21年6月から陰茎が痛くなりました。8月に高橋クリニックを受診し、排尿障害を疑ったので、水分制限を指示したところ、陰茎の痛みは消失しました。
平成22年になって今度は会陰部が不快になり、4月にふたたび高橋クリニックを受診しました。
2D超音波エコー検査では膀胱三角部の硬化像が認められます。前立腺の大きさは15ccで正常です。
膀胱出口・括約筋間距離は11mmと長めです。

Bns28m23543flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)ではご覧のように大波小波のダラダラした勢いのない排尿曲線を示しています。自尿は679mlですが、残尿は173mlと大量です。

Bns24428m23【12】
患者番号24428、23歳男性です。
2年前から会陰部痛(特に長時間座ると)で悩んでいる患者さんです。地元の泌尿器科で「慢性前立腺炎」と診断を受け、抗生剤、セルニルトンを処方されましたが効き目はありませんでした。唯一、α-ブロッカーであるエブランチルは効果がありましたが、全身倦怠の副作用があったので、中止しました。
超音波エコー検査では、膀胱出口・括約筋間距離14mm(正常5mm前後)で異常です。前立腺の大きさは13ccで正常範囲内です。
主要下部尿路症スコアは4点、QOLは4点でした。患者さん本人の訴えの割には、スコアは上がりません。


Bns24428m23flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、ご覧のように、20歳代の男性の尿の勢いとしては『どうでしょう?』という印象です。
エブランチルの副作用があったので、今回は水分(お茶・コーヒーを含む)摂取を控えることを治療としました。

Bns24432m26【13】
患者番号24432、26歳男性です。
3週間前から仕事中に1時間~1時間半に1回のペースで尿意を感じトイレに行くようになりました。さらに、左ソ径部も痛くなり高橋クリニックを受診しました。
超音波エコー検査では、ご覧のように膀胱出口の硬化像を認めます。
前立腺の大きさは12ccで正常、膀胱出口・括約筋間距離は11mmと長めです。

Bns24432m262超音波エコー検査正面画像では、膀胱出口のV字にそって硬化像が数珠状に確認できます。

Bns24432m26flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、中途半端なギザギザの膀胱頚部硬化症型排尿曲線です。
主要下部尿路症スコアは、仕事中のみの頻尿なので2点です。QOLは3点でした。1日1.5リットル以上水分を摂取しているので、1日1リットル~500mlまで制限するように指示しました。

Bns24373m22【14】
患者番号24373、22歳の男性です。
3年前から右の睾丸の痛みが続き、高橋クリニックを受診しました。触診上も視診上も左右の睾丸に差はなく、副睾丸炎・陰嚢水腫・睾丸腫瘍などの所見は認められません。
尿を十分にためて来られなかったので、尿流量測定検査(ウロフロメトリー)はできませんでしたが、超音波エコー検査でもある程度推理できます。
前立腺の大きさは14ccで正常範囲内です。膀胱出口・括約筋間距離は10mmと長めです。
膀胱括約筋の肥厚が認められます。膀胱三角部の表面にも硬化像が認められました。
早速、α-ブロッカーを処方し治療開始です。

Bns19135m29【15】
過去(25歳)に膀胱頚部硬化症の内視鏡手術を行った29歳の患者さんです。
内視鏡手術後1年間は下半身のしびれ感は軽快しましたが、その後再び症状が出現し、地元のクリニック(神経科・ペインクリニックなど)で治療しましたが、症状がますますひどくなり、再び高橋クリニックを訪れました。平成18年9月の手術以来初めての診察です。「手術後なぜ通院しなかった!」とさんざん注意されたのは、私の性格からすれば容易に想像できるでしょう。
この超音波エコー検査では、どこを手術したのか分からないくらい治って(再発?)います。前立腺の大きさは16ccでほぼ正常、膀胱出口・括約筋間距離は16mmとかなり長めです。膀胱三角部は台状に突出しています。
平成18年当時の超音波エコー検査所見とほぼ同じです。

Bns19135m29flowこれは平成18年当時の尿流量測定検査(ウロフロメトリー)です。膀胱頚部硬化症特有のギザギザが目立つ排尿曲線です。このとき自尿が238ml、残尿が269mlもありました。その際に再度排尿してもらい、2回目の残尿が128mlと排尿障害が強く検査に表れていました。

Bns19135m29flow2平成22年5月の尿流量測定検査(ウロフロメトリー)です。
ギザギザはなくなり左右対称のきれいな排尿曲線ですが、高さが足りません。残尿は8ml以下と前回と比較すると2ケタ違います。
本人の強い希望で、今月内視鏡手術になります。

Bns26m24110【16】
患者番号24110、26歳の男性です。
18歳の頃から残尿感と頻尿で悩んでいました。
地元の泌尿器科を受診、何と「前立腺肥大症」と診断されたのです。18歳の若者に前立腺肥大症の病名を付けた医師のセンスを疑います。
慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)は21点でした。
超音波エコー検査では、確かに前立腺は大きく、大きさ34cc(正常20cc以下)です。
膀胱出口は硬く、前立腺周囲の静脈は拡張していて、排尿障害を示唆します。
膀胱出口・括約筋間距離は21mm(正常5mm)と長く、膀胱出口の形も変形しています。

Bns26m241103d超音波エコー3D検査画像では、ご覧のように、出口が真一文字に結んだように見えます。

Urutramanまるでウルトラマンの口のようです。

Bns26m24110flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、一見正常です。
膀胱出口が固く閉ざしている割には、勢いがいいのです。おそらく、膀胱の筋力と腹圧の関係で、一見正常の勢いに見えます。まるで倒産する会社の粉飾決算のようです。

Bns22m17394【17】
患者番号17394、22歳の男性です。両側の睾丸の痛みで地元の泌尿器科を受診、精索静脈瘤と診断され、都内の有名病院で入院して精索静脈瘤の手術を受けました。
ところが、睾丸の痛みは改善せずに、次に「慢性前立腺炎」と診断されセルニルトンの処方を受けました。
睾丸の痛みは一進一退で、平成17年6月に高橋クリニックを初診されました。
超音波エコー検査では、前立腺の大きさ24ccと若干大きく、膀胱出口の硬化像を認めます。膀胱出口・括約筋間距離は15mmと長くなっており排尿障害を示唆しています。

Bns22m17394flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、一見正常の排尿曲線です。しかし、残尿が24mlと比較的多く認められます。

膀胱頚部硬化症による慢性前立腺炎症状と判断して、α-ブロッカーを処方しました。1ヶ月後睾丸の痛みは40%になり、平成17年12月(治療半年後)には睾丸の痛みは消失しました。その後も5年経過していますが、お薬のみで症状は出現しません。
慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)は19点から2点まで軽快しています。

Bns27m17255【18】
患者番号17255、27歳の男性です。
平成16年6月頃より、残尿感と尿道の不快感(ムズムズ感)があります。実は「尿道のムズムズ感」は中学3年生の頃からありました。
都内の有名泌尿器科クリニックを2軒受診し、「慢性前立腺炎」の診断で抗生剤を処方されました。しかし、症状の改善なく、平成17年5月高橋クリニックを初診しました。
超音波エコー検査では、前立腺大きさ17ccで正常、膀胱出口に硬化像、前立腺結石を認めます。膀胱括約筋の肥厚を認め、膀胱出口・括約筋間距離は9.8mmと若干長めです。

Bns27m17255flow尿流量測定検査(ウロフロメトリー)は一見正常の排尿曲線ですが、自尿380mlに対して、残尿67mlと多い事実がありました。

排尿障害による慢性前立腺炎症状と判断し、α-ブロッカーを処方しました。1ヶ月後、残尿感とムズムズ感は50%に改善し、1年後には症状はほとんど消失しました。
その後、平成18年には患者さんは結婚し、平成21年には子宝に恵まれました。
治療始めてから5年経過していますが、慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)は31点であったのが、現在(平成22年7月)5点です。

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コメント

高橋先生様

初めてメール差し上げます。当方息子(25歳)が膀胱頸部硬化症で先生にお世話になっている旨、先日初めて本人から聞かされました。
大学時代から3年間、一人でこの病気で悩み、ネットを通し高橋先生に出会い、今は手術を受けたいとのことでした。

その後私も、先生のブログを読み漁り、一縷の希望と且つ相反する不妊(逆行性射精)の心配とで 日々悩んでおります。

母の私に出来ることは何も無く、先生の手術の技におすがりし、神仏に祈るぐらいです。息子の手術を受けたいという気持ちに変わりはないようです。

つきましては、インフォームド・コンセントを受けに息子と供に近い内にお伺いしたいと思っておりますので どうぞその節は詳細なお話しをお聞かせ下さいませ。
切にお願い申し上げます。

若年性膀胱頸部硬化症に悩む息子の愚母より

【回答】
了解しました。

投稿: 愚母 | 2010/03/27 15:14

【2】の患者さんは、
とても重い症状を抱えていましたが、
手術後は1日の排尿回数は5回、
夜間は尿で起きなくなったということで、
手術は大奏効したといえます。

この患者さんは1回の手術でこのような
大好転を遂げたのでしょうか?
【回答】
手術は1回です。

また、患者さんは手術をして何日後くらいに、
症状の軽快を実感されたのでしょうか?
【回答】
手術後1週間で頻尿は10回になりました。
尿意切迫感は、下腹部のチクチク感に変化しました。
手術後1ヵ月で頻尿は4回~8回に減り、夜間は1回になりました。尿意切迫感(チクチク感)は20%~30%程度まで軽減しました。


投稿: レイニーブルー | 2010/03/29 12:36

お返事ありがとうございます。

高橋先生のブログを読んでいると、
1回の手術で自覚症状がかなり改善される患者さんと、
2回目の手術を受けても満足な自覚症状の改善が得られず、
3回目以降の手術に挑戦される患者さんがいらっしゃるようですね。

手術による自覚症状の改善のこのような違いは、
どういった要因によるのでしょうか?

手術によって患部を切開、蒸散させたときに、
それが尿意を敏感にさせている部位に
うまく命中していれば、1回の手術で十分な
自覚症状の軽減が得られる。
しかし、尿意を敏感にさせている部位を
取り除ききることができなかったときは、
自覚症状の軽減が満足できる程までは
得られないということでしょうか?

【回答】
あなたの思われる事も一理あります。
私は次のように考えています。
【1】
この病気が、センサーである膀胱三角部や膀胱頚部硬化症に依存している場合は、内視鏡手術でセンサーを破壊することで症状の軽快は容易です。
【2】
しかし、この病気が次の段階にステップアップしている場合には、センサーを破壊しても容易に症状は軽快しません。
なぜなら、脊髄レベルで症状を作るための神経回路が発達し、増幅回路のようになってしまっていると、センサーの要所要所を破壊した程度では、わずかでもセンサーの感覚が残っていれば、脊髄レベルで情報が増幅されますから、症状がなかなか軽快しないのです。

投稿: レイニーブルー | 2010/03/30 23:45

高橋先生

慢性前立腺炎の内視鏡手術についてお伺いしたい点があります。

先生のブログを拝見していると、手術中は麻酔が効いているため、あまり痛みはないとのことですが、仙骨ブロック注射をする時はやはり痛いのでしょうか?
【回答】
人それぞれです。

また、術後の痛みの方はいかがでしょうか?
【回答】
人それぞれです。

情けない質問で申し訳ございません。

投稿: yahyah | 2010/04/01 21:27

ご回答ありがとうございます。

病気が次の段階にステップアップしている患者さんは、
排尿障害を患っている期間が長いという傾向にあるのでしょうか??

1.例えば、20歳のときに頻尿症状が出た患者さんが居たとして、
この患者さんは小学校1年生のときから微細な排尿障害があったとします。

2.例えば40歳のときに頻尿症状が出た患者さんが居たとして、
この患者さんは小学校1年生のときから微細な排尿障害があったとします。

上記1.の患者さんを100人、上記2.の患者さんを100人手術したとして、
1回の手術で満足な結果が得られる確率は、
上記1.>上記2.ということになりますか?

【回答】
この考え方は、罹患期間が長ければ病気は複雑になり、脊髄神経は増幅回路として完成されて、症状が難治性になるという、一方通行の直線的な考え方です。
しかし、実際には要素がたくさん存在し罹患期間だけの要素では説明できません。
1.機能性障害による膀胱出口の振動は膀胱出口を硬化させます。その振動は膀胱の駆出力とそれを受ける膀胱出口の厚みによって様々な振動バリエーションが生じます。バリエーションがあるということは様々な患者さんの存在を示唆します。
2.振動刺激は、末梢神経の発芽を促しますが、その成長はまちまちですし、方向性も3次元的広がりを持っています。
3.硬化部と発芽した神経が結合しなければ、症状は出現しません。ですから硬化像がたくさん存在しても、症状の出現しない人がいたとしても不思議ではありません。
4.脊髄内の神経増幅回路も完成度の高い人もいれば、中途半端で終了する人もいるでしょう。すると時間がどんなに経過しても、わずかな症状しか存在しません。このような患者さんは1回の手術で治りやすい人といえます。

異常のように要素はいくらでも考えられます。ですから、単純に「上記1.>上記2.」とはいえません。

投稿: レイニーブルー | 2010/04/02 18:10

度々の質問に対して、ひとつひとつ丁寧にお答え下さり、
ありがとうございました。

投稿: レイニーブルー | 2010/04/03 23:26

これは、私の治療法ですが、結局座り過ぎて、なるのだから、座る時間を減らして運転しよう。
後は、痩せる事(私はデブで、勉強ばっかやってて、むくんでなったので)

投稿: | 2010/05/20 12:41

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