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学会報告 予告 第98回日本泌尿器科学会総会 盛岡 平成22年4月

平成20年から毎年2回の学会報告を自分に課しています。
来年の学会の申し込みが開始したので、早速、申請しました。開業医になって6回目の学会報告になります。

慢性前立腺炎の患者さんだけを診察している訳ではありません。今回前立腺ガンについて報告しようと思っています。
下記は、現在申し込んだ内容です。最終締め切りの10月までに内容は変わるかもしれません。(図はおまけです)

【テーマ】
高濃度ビタミンC治療と低用量抗癌剤の併用が有効であったホルモン抵抗性前立腺癌の1例

Pca18996m79bonescinti【症例】
80歳男性、初診時に骨盤転移による痛みで整形外科医から紹介された。初診時PSA544.5で骨シンチにて全身骨転移と両側水腎症を認めた。

Pcamicroiizaka前立腺針生検にて、poorly differentiated adenocarcinoma 、Gleason score10点であった。

【経過】
LH-RHアゴニスト治療を開始、PSA192.7まで下降するも、その後、360.0、507.0、745.5と上昇しホルモン抵抗性前立腺癌と判断した。患者が高齢であることから、低用量(1日1カプセル156.7mg)のエストラムスチンリン酸を追加開始する。1ヶ月後PSA418.5と下降するも、2ヶ月後PSA485.0と再上昇した。患者と家族との相談の上、現在の治療に「高濃度ビタミンC治療」を併用することにした。アスコルビン酸30グラム/生食水250ml毎週1回点滴とした。

Psachange5_2【結果】
高濃度ビタミンC治療開始後2ヵ月でPSA16.6と激減し、4ヶ月後15.3、6ヵ月後5.3にまで下降した。現在LH-RH治療は中止し、初診から1年4カ月経過しているが、患者は寛解状態にある。

【考察】
癌に対するビタミンC治療の歴史と現在の高濃度ビタミンC治療の現状を解説する。ビタミンCは癌細胞内に取込まれ、酸素と共同で3価鉄イオン-2価鉄イオン間の酸化還元反応を繰り返す。その際に過酸化水素を造り活性酸素を放出し、癌細胞を殺すと考えられている。

【結論】
難治性の前立腺癌治療の選択肢として、この方法の可能性を期待する。

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