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親子の慢性前立腺炎患者さん

お父上は65歳、ご子息は34歳の患者さんです。お二人でご一緒に来院されました。


お父上は、20年前に心臓のカテーテル治療を受けました。その際の膀胱留置カテーテル(俗にいうバルーンカテーテル)を抜いてから、慢性前立腺炎症状が出現しました。20年間慢性前立腺炎と闘ってきたことになります。
症状は、会院陰部痛・肛門痛・坐骨痛です。N医大病院・T大病院・J大病院・C大病院の泌尿器科と地元の泌尿器科クリニック・横浜の泌尿器科クリニック・飯田橋の泌尿器科クリニックをまわりました。肛門の病気?と思い、新宿の肛門科で有名な病院とA肛門科にも診察を受け治療しました。
最近、手と足のしびれがひどく気になり、頚椎手術で有名なD大病院で頚椎の手術をしましたが、しびれはまったく取れませんでした。

ご子息は、平成20年12月から早朝の下腹部の痛みを感じます。地元の泌尿器科クリニックで前立腺マッサージ後の検尿で白血球が1視野に17個認められ、細菌性慢性前立腺炎と診断されました。ガチフロ、クラビット、セルニルトンの投薬を受けましたが、軽快しません。飯田橋の泌尿器科クリニックで桂枝茯苓丸を処方されていますが、やはり治りません。

Cp23171m65flowこれは65歳のお父さんの尿流量測定検査(ウロフロ)の結果です。
前立腺肥大症の排尿曲線の所見です。

Cp23171m652d同じくお父さんのエコー検査です。
前立腺が緊満していて、膀胱内に前立腺が突出しています。前立腺の大きさは35ccです。正常が20cc以下ですから少し大きいようです。

Cp23172m34flow34歳息子さんのウロフロです。
やはり排尿障害のある排尿曲線です。

Cp23172m342d同じく息子さんのエコー検査です。
お父さんと比較すると、限りなく正常に近いようです。前立腺の大きさは20ccで正常です。

Cp23171m653dお父さんの2Dエコーを検討しましょう。
膀胱括約筋が肥厚しています。膀胱に飛び出そうとしている前立腺を膀胱括約筋が抑え込もうとしているようにも見えます。このタイプの前立腺肥大症は、前立腺内の組織圧力が高くなるので尿道は圧迫されて排尿障害は強く出ます。

Cp23172m343d息子さんの2Dエコーを検討しましょう。
一見正常に見える状況ですが、膀胱括約筋の上に硬化像のある膀胱粘膜が肥厚しています。これは膀胱頚部硬化症の所見です。
この排尿障害が遺伝的な形質だとすれば、恐らく20年後にはお父さんと同じ2D画像になるのでしょう。

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コメント

高橋先生いつもお世話になります。
診察券番号31356の者です。

先月初診で伺ったときこのブログ記事の「親子の慢性前立腺炎患者さん」を質問したのですが、その場で記事そのものが探し出せなく診察は終わりました。

このお父様は処方もしくは手術により手足のしびれは軽快したのでしょうか?
私と症状が似ているので気になります。

こういった質問は先生の手を煩わすことは重々承知しておりますが、もし記憶されているのであれば教えてください。
【回答】
残念ながら、この患者さんは平成21年4月に初診で診察検査しただけで、その後来院していません。」

また、本日でハルナールからフリバスに薬を変えて頂いてほぼ1週間となります。
劇的な改善は実感していませんが、どうも私にはフリバスのほうが効果があるようです。(ベタスに頼る回数が減りました)
現在
朝(フリバス50、ベタニス1錠)、寝る前(ベタス×1)で治療しています。そのほかに大豆イソフラボンを昼頃飲んでます。

ほんのわずかづつですが改善しているように思います。この治療で半年か1年過ごし(我慢できないかもしれませんが)何とか改善してほしいと願うところです。

もし、それでも改善しないようであれば、高橋先生、手術をお願いしてもいいでしょうか?
【回答】
はい。」

100%の軽快はなくても、もう少し、本当にあと少し軽快してくれればいいんです。

投稿: 博 | 2014/04/04 23:40

診察券番号31356の者です。
早速のご回答有難うございます。
感激しました。

以下余談です、暇つぶし程度(忙しいのでそんな暇はない・・・ですかね?)に読んでください。

私は東京の生まれで育ちです、現住所は広島です、中途半端な大手に入社したおかげで全国転勤ばかりで、現在は広島に定住の状況でこの地で住まいを構えました。

高橋先生にお会いし、話をさせて頂き親父を思い出しました。
親父は荒川区の生まれで育ちです。
もう他界してますが、短気で正義感だけは異常に強く、悪いことはするな、堂々と生きていけ!と。本当に怖い親父でした。

先生はちゃっきちゃっきの江戸っ子ですね。
がたがたぬかすな!俺に任せるのか?嫌なのか?話はそれからだ!のうような。
さっすがに「ひ」を「し」とは発音してませんでしたが。

がたがたぬかしません、仮に手術をお願いするときは、少しの改善でも構わない、と覚悟を決めてお願いに行きます。
しかし、一方で高橋先生を信じます。
全力で臨んで頂ける事だけは期待します。

すみません、余談でした。

高橋先生が日本人で、私と同じこの時代に仕事をされていることに感謝します。

投稿: 博 | 2014/04/05 22:32

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