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「健診での潜血反応」 2D画像の解析#15

このテーマは「慢性前立腺炎」ですが、2D画像の解析はご婦人の場合も同じようにして行います。2D解析というテーマで、男女の区別なく、ここで議論します。

15hemat22855f362d大田区の健診の尿潜血反応が陽性だったので、開業医の医師から紹介された36歳のご婦人です。
何年も前から、健診で尿潜血を指摘されていました。腎臓の超音波エコー検査では異常を認めません。
この2D画像を見て、「頻尿ではありませんか?」とお尋ねすると、ピンポン!1日に10回以上の頻尿がありました。

15hemat22855f362d22D画像の正面像では「?」の所見です。左右が対称ではありません。

15hemat22855f36flow尿流量測定ウロフロメトリー検査では、ご婦人としてかなり尿の勢いがありません。
排尿量72mlで残尿量23mlです。

15hemat22855f362dpp12時の膀胱括約筋の突出が顕著です。
赤い破線が本来の膀胱ラインだとすると、かなり飛び出ているのが分かります。膀胱の下に膣壁が強いエコーで観察できます。それにしては、6時の膀胱括約筋があるようなないような・・・?です。

15hemat22855f362d2pp2D正面像でみると、画面左側(患者さんにとって右側)が膨らんでおり、画面右側(患者さんにとって左側)が凹んでいます。画面左側の膀胱括約筋が肥厚して、膀胱の下の方まで回り込んで観察できます。

15hemat22855f362dpp22D正面像から考えて、膣壁だと思い込んでいた部分は、膀胱括約筋の肥厚・変形だったのです。この患者さんの3D画像を見たいと思いませんか?

15hemat22855f363dpp3D画像で観察すると、異常が直感的に分かります。
まず、膀胱出口が変形し、恥骨結合と同じ中央のライン(白い破線)にありません。患者さんの右側に偏位しています。
また、膀胱三角部が左右対称ではなく、左側の部分が未熟(未発達?)のように見えます。
膀胱出口周囲の形態学的異常は、機能異常すなわち排尿障害に結び付きます。当然、負荷がかかるので粘膜が充血・うっ血が生じるので、潜血反応が陽性でも不思議ありません。

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