「膀胱頚部硬化症から膀胱出口閉塞症へ・・・さらに」 2D画像から推理できる事
さまざまな2D画像の解析から、推理できることがあります。
それを仮説として、ここで披露しましょう。
まずは、2D画像では、ほとんど所見のない場合です。あっても、硬化像とわずかな粘膜の肥厚(主に膀胱三角部)です。
何らかの機能性排尿障害で、膀胱頚部にこのような所見で出現します。この状態を膀胱頚部硬化症1期とします。#10がこのタイプに相当します。
次に、排尿障害の継続は、粘膜の肥厚を進行させます。
すると膀胱出口に近い膀胱括約筋が圧迫されて前立腺方向へ迷入します。
この状態を膀胱頚部硬化症2期とします。#2の例がこのタイプに相当します。
さらに、排尿障害が進むと膀胱括約筋は退縮して団子状態に肥厚します。
排尿障害による膀胱頚部の振動エネルギーは、前立腺肥大症の発育を促し、前立腺の一部が膀胱・前立腺の境界部を越境します。この状態が、中葉肥大型前立腺肥大症あるいは狭い意味での膀胱頚部硬化症になるのです。膀胱出口に前立腺が挟まれる形態になるので「膀胱出口閉塞症」といえる病態です。
この状態を膀胱頚部硬化症3期とします。#1の例がこのタイプに相当します。
前立腺被膜が肥厚し、骨盤底からの圧力が高い場合には、前立腺が前立腺肥大症を作る前に、前立腺全体が膀胱内へ突出し、やはり「膀胱出口閉塞症」状態になります。この状態も膀胱頚部硬化症3期と考えてよいでしょう。#11の例がこのタイプに相当します。
さらに進むと、排尿障害の主役は前立腺肥大症になります。ですから前立腺肥大症と診断される場合の状態は、膀胱頚部硬化症4期と考えることもできます。#6の例がこのタイプに相当します。つまり、患者さんが自覚しているしていないにかかわらず、排尿障害がもともと持っている人が、最終的に前立腺肥大症という病気になると考えます。
その途中で、
1.排尿障害を自覚しても「若いから」とか「前立腺が大きくないから」という理由で「慢性前立腺炎」「気のせい」「年のせい」と診断される人、
2.排尿障害は自覚しないが関連痛などが前面に出たために「慢性前立腺炎」「科が違う」と診断される人、
3.頻尿があり尿意切迫感が強く尿失禁も加わると「過活動膀胱」と診断される人、
4.頻尿や関連痛などの刺激症状はほとんどないが残尿が多く「神経因性膀胱」と診断される人、
5.頻尿と痛みで「間質性膀胱炎」と診断される人、・・・
・・・と表面的な症状だけで判断され、本質を無視した病気のオンパレードになるのでしょう。
以上を表にまとめると次のようになります。
------------------------------------------------------------------
膀胱頚部硬化症の病期 その2D画像での特徴
------------------------------------------------------------------
膀胱頚部硬化症の病期【1】
膀胱出口に硬化像、膀胱三角部のわずかの肥厚
------------------------------------------------------------------
膀胱頚部硬化症の病期【2】
膀胱出口の硬化像、膀胱三角部の肥厚、膀胱括約筋の変形
------------------------------------------------------------------
膀胱頚部硬化症の病期【3】
膀胱出口の硬化像、膀胱三角部の肥厚、膀胱括約筋の肥厚・退縮、前立腺の突出
------------------------------------------------------------------
膀胱頚部硬化症の病期【4】
前立腺肥大症
------------------------------------------------------------------
| 固定リンク
コメント
4期になるまで特に痛みなどの症状が出ない人は「きっかけ」が無かったからですか?
【回答】
「きっかけ」がなくても、そのうち発症する人もいます。
投稿: | 2012/10/13 21:20
不思議な事が起こりました。
先生に手術して頂いて,排尿障害が無くなり 以前よりも楽に座れる様になりました。
そうしたら…
左手の平の生命線上,ほぼ中央にあった黒いホクロが消えました。
完全に無くなりました。
手相易学に診てもらおうかと思ったのですが… 5000円取られるので,やめました(笑)
やはり手相と健康状態は関連があるんですね
【回答】
一部が全体であり、全体が一部なのでしょう。
私は宇宙の縮図そのものの生命体ですが、その宇宙は私の一部でもあるのです。
生命は不思議です。
投稿: しのざき | 2012/10/15 18:21
この病気にかかってからいかに排尿が大切か思い知らされます。
投稿: | 2012/10/16 10:15