前立腺の上半分が膀胱の中に入り込んでいます。赤い破線が膀胱のラインです。本来、解剖学的には前立腺は膀胱の下に位置しますから、下克上的な位置の転換は、機能異常に結び付きます。
膀胱出口の硬化も著しく、下の2D正面像をご覧下さい。
膀胱出口の変形と硬化が認められます。
前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSAは、もともと前立腺細胞内の成分です。前立腺ガンの場合、細胞膜が脆弱で、細胞内のPSAが血液中に漏出するので、血液検査で高い値を示します。
ところが、この患者さんのように、排尿障害があると、排尿中に前立腺は振動刺激されますから、正常の前立腺細胞内からPSAが血中に漏出してもおかしくはありません。
コメント
#11で取り上げていただいた、PSA値が高いことでご相談に伺った者です。その際はありがとうございました。伺う前はかなり恥ずかしいものを見せることになるのだろうとか、少し痔があるので指突っ込まれると痛いかなとかいろいろと考えていたのですが、先生の診断は非常に科学的で恥ずかしいことも一切なく、まずそれで安心いたしました。
さらに画像を見られた先生の第一声が「あなたおしっこ飛び散るでしょう。」というのには全く驚きました。確かにおっしゃるとおりなのですが、それは出口のところの問題だと思っていたので、出口を見ることもなくそれを当てられるのはテレビに出ている超能力者より凄いと感心いたしました(たぶん尿道に障害物があって形が不規則なので乱流が発生しているのだろうと想像しておりますが)。
最近は病院に行っても「とりあえずこの薬を飲んで様子を見ましょう。」といった形でかえって疑問やフラストレーションが増えるケースが多いように思いますが、高橋先生の診断や説明は非常にクリアーで、100%納得の行く、まさにプロの仕事という感じで、一種感動を覚えました。とりあえず治療の必要もないということなので360ccの余分な水分を常にかかえながら生きていきたいと思っております。
ありがとうございました。
【高橋クリニックからの回答】
コメント投稿ありがとうございます。
今後とも精進するつもりでいます。
あなた様もお体を大事にして下さい。
投稿: High PSA | 2009/01/18 23:25