「頻尿」 2D画像の解析#10
この患者さんの2D画像は、ほとんど正常に近い所見です。
膀胱括約筋は肥厚も変形もしていません。その結果、膀胱三角部も正常に見えます。
気になるのが、静脈の拡張(静脈叢の発達)と前立腺被膜の肥厚です。
膀胱出口の硬化像は確認できますが、この画像からは残念ながら排尿障害を強く訴えるオーラが出ていません。
そこで、3D画像(正面像)をご覧下さい。
膀胱出口が「いびつ」なのがお分かりですか?膀胱出口の左側の平滑筋の膨らみと、右側のそれとでは左右対称ではありません。平滑筋の膨らみが大きい方が筋肉量が多いわけですから、緩みにくいはずです。なぜなら筋肉は収縮するのが仕事だからです。膀胱出口の左側の膨らみの多い平滑筋は緩みにくいので、排尿障害になるのは当然でしょう。
2D側面像の欠点は、平滑筋の非対称性による排尿障害を見つけにくいということです。なぜなら側面像は、膀胱出口がきれいに描出される所を撮影記録するので、膀胱出口の左右非対象性を判断することや膀胱の中央にないことを見ることはできません。
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