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「頻尿」 2D画像の解析#10

10bns22826m232d23歳の男性患者さんです。
3年前から尿意切迫感と頻尿で苦しんでいます。
2年前に地元の泌尿器科を受診し、「慢性前立腺炎」の診断で、セルニルトン・清心蓮子飲・八味地黄丸・ベシケアを服用していますが、改善しません。平成21年1月高橋クリニックを受診しました。
頻尿は朝から就寝まで16回、就寝から多い時で5回起きます。
前立腺の大きさは11ccで小さい方です。

10bns22826m23flow尿流量測定ウロフロメトリー検査では、ご覧の勢いのない排尿曲線です。排尿量591mlで残尿量93mlでした。

10bns22826m232dppこの患者さんの2D画像は、ほとんど正常に近い所見です。
膀胱括約筋は肥厚も変形もしていません。その結果、膀胱三角部も正常に見えます。
気になるのが、静脈の拡張(静脈叢の発達)と前立腺被膜の肥厚です。
膀胱出口の硬化像は確認できますが、この画像からは残念ながら排尿障害を強く訴えるオーラが出ていません。

10bns22826m233dそこで、3D画像(正面像)をご覧下さい。
膀胱出口が「いびつ」なのがお分かりですか?膀胱出口の左側の平滑筋の膨らみと、右側のそれとでは左右対称ではありません。平滑筋の膨らみが大きい方が筋肉量が多いわけですから、緩みにくいはずです。なぜなら筋肉は収縮するのが仕事だからです。膀胱出口の左側の膨らみの多い平滑筋は緩みにくいので、排尿障害になるのは当然でしょう。

2D側面像の欠点は、平滑筋の非対称性による排尿障害を見つけにくいということです。なぜなら側面像は、膀胱出口がきれいに描出される所を撮影記録するので、膀胱出口の左右非対象性を判断することや膀胱の中央にないことを見ることはできません。

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