秘密兵器 TURis-V
TURis-Vとは、内視鏡手術で使用する還流液を生理的食塩水利用の電気メス・システムで、従来の切開・切除だけではなく病変組織を蒸散・気化させる新しいシステムです。経尿道的切除手術(生理食塩水還流用)蒸散・気化法(Trans-Urethral Resection in saline,Vaporization)の略です。
イラストに示すように、先端部分が従来の電気メスのような金属ループではなく、レアメタルによるキノコ型(マッシュルーム型・ボタン型)の形状をしています。
スイッチを入れると、キノコ型の金属の部分が700℃近い温度になり、そこに触れた組織は瞬間に蒸発・気化します。触れた部分しか蒸発しませんから、手術が術者のイメージ通りの結果がでます。また、止血効果もとても高いので、手術中に動脈性の出血はありません。
実例をご覧に入れましょう。
この患者さんは、慢性前立腺炎症状で苦しむ膀胱頚部硬化症の46歳の男性です。
平成18年10月から両側睾丸疼痛・会陰部痛・1日10回の頻尿・夜間2回の頻尿で苦しんでいました。地元の2箇所の大きな病院泌尿器科と2軒の泌尿器科クリニックを受診し、いずれも「慢性前立腺炎」と診断されました。
服用した薬は、クラビット・ミノマイ・セルニルトン・ドグマチール・ソラナックス・ハイペン・八味地黄丸など耳にしたことのある薬ばかりです。
検査で、膀胱頚部硬化症による排尿障害を認め、ハルナールの処方と水分制限で、症状は10%までに軽減しました。しかし、患者さんが内視鏡手術を強く希望したので、今回の手術になりました。
麻酔は仙骨神経ブロック0.25%マーカイン20mlです。
キノコ型の金属部分は直径が3mm弱です。キノコの傘の厚さが1mmです。シールドされているワイヤーの横幅の外側が6mm内側が4mm、下向きのキノコの先端までの深さが3mmです。
患者さんの膀胱頚部硬化症の所以たる柵形成の部分(膀胱出口6時)に金属キノコを当てます。
スイッチを入れると、周囲の水が瞬間に沸騰し、金属に触れている組織も蒸発します。
2秒間ほど電気を流しただけで、金属キノコの直径よりひと回り(直径4mm強ほど)大きな凹みが生じます。
この操作を上下・左右・前後に繰返し行ないます。
1分ほどで、幅5mm深さ5mm長さ10mmほどの溝が形成されます。膀胱頚部の柵形成部分が完全に消失し、前立腺方向から膀胱内が直視できます。出血もほとんどありません。
この手術する直前の所見です。
金属ループの直径が5mmですから、膀胱出口が麻酔で緩んでいる筈なのに3mmしか開いていません。柵形成の部分は5mm以上の深さがあります。
手術前の内視鏡検査の観察部分と同じ方向から3D画像で観察したイメージが右の写真です。
緑の小さな矢印で示した部分が「うっ血」した静脈です。慢性の排尿障害を示唆する所見です。
黒い矢印ではさまれた部分が前立腺が納まっているスペースです。
赤い矢印で示された6時と12時の部分が膀胱平滑筋の過形成の部分です。今回の手術では、この過形成部分を除去しなければなりません。写真の中心の黒い部分(縦に10mmの長さ)が膀胱出口と膀胱頚部の粘膜の部分です。内視鏡所見では、膀胱出口は3mm×3mm程度の面積しかありませんから、膀胱平滑筋過形成部分は粘膜の下で見えていないことになります。
上の3D画像を側面から観察した画像です。
緑の矢印がうっ血した静脈です。赤い矢印が膀胱平滑筋過形成の部分です。内視鏡写真の下に見えている精丘と3D画像の精丘の位置関係を比較すれば、立体的な位置関係を把握することができるでしょう。
今回の手術直後の所見です。
膀胱出口の12時も、6時と同じ操作で蒸散しました。膀胱平滑筋過形成部分は、ほぼ消失したでしょう。術後1ヵ月ほどしてからの3D画像で確認します。
柵形成の部分が消失し、膀胱まで真直ぐ観察できるようになりました。膀胱出口も十分開いています。
患者さんの希望で、逆向性射精にならないように、また排尿に邪魔にならないように工夫して、前立腺はほとんど残してあります。
【補足】
TURis(生理食塩水還流下・経尿道的手術)は、従来の電気メスを使用した経尿道的手術と比較して、患者さんの体内に電流が流れないという特徴があります。
従来のTURでは、【高周波発生装置-手術電気メス-生体組織-体内-アース-高周波発生装置】という回路を形成して電流が流れます。電気メスが接触した組織との間に電気抵抗が生じ、電流が流れた際に高い熱量が発生します。この熱量が限られた空間で一瞬に発生するので、組織が蒸発・気化して切開できるのです。しかし、体内に電流が流れるということは、電気は流れやすい神経を経由しようとします。その際に陰部神経に高周波電流が流れると、陰部神経が障害を受けインポテンス(ED)という後遺症を作ることになるので、若い方の排尿障害の治療に従来の電気メスシステムでは敬遠になりがちでした。
ところがTURisシステムは【高周波発生装置-手術電気メス-高周波発生装置】という回路を形成し、体は回路から外されるので、神経障害ができにくいシステムなのです。
おそらく世界中のTURがこのシステムに置き換わるでしょう。
TURis-Vは、執刀医の意図したとおりにしか手術できません。直径3mmのキノコを組織に当てれば、必ず直径4mm強の凹みが生じるだけです。従来の電気システムを利用した電気メスは、電気が流れた一定の深さまでの組織が損傷します。執刀医の意図しない組織まで切れてしまうことがありました。TURisの金属ループの場合は、この現象がある程度抑えられたイメージがありましたが、TURis-Vの場合は、とことん抑えられた印象です。
ですから、執刀医のイメージからすると、粘土でできた膀胱出口あるいは前立腺の模型を「ここからここまで切除!」と言いながらヘラで粘土を除去した跡に、除去された空間がそこに存在するという印象です。通常の電気メスであると、切った断面は周囲の組織の緊張に引張られて、時間経過と共に断面がドンドン変化してしまい、カーブを描いていた断面が次第に直線になり、凹みは次第に凸になります。刻々と変化していく術野(手術している視野)に、執刀医はある程度予想しながら手術を進めて行きます。経験を積めば体得できる感覚ですが、変化を恐れる余り、手術操作が速過ぎたり(操作が速いのが上手いと思っている医師も存在しますが)、逆に臆病になって操作が極端に遅くなります。(速くもなく遅くもなく、適度な速さとリズムで・・・)
TURis-Vは、断面組織が熱で一定の厚さ凝固(固める)されるので、従来の電気メスに比較して断面の変化がなくなるのです。執刀医にとって断面の変化を予想しなくても良い環境は、精神的にはとても楽になり余裕が出るのです。余裕があると、術野のオリエンテーションがつき手術の流れが見通せて、ミスもなくなります。
TURis-Vに難点がない訳ではありません。
一つは切除しないので、切除切片による組織検査ができないことです。今回の患者さんは全てこの方法で手術しましたから、3D画像で観察された部分が、膀胱平滑筋過形成かどうかは確認できません。(今まで手術では確認・証明しているので、問題はありませんが)癌組織が潜んでいる場合には見逃すことになります。
二つ目は、組織を塊りとして蒸散・気化させる方法なので、組織の体積・容積に依存して手術時間が左右されます。前立腺肥大症が大きい場合には、従来の切除に比較して時間がかかるということです。
これら難点は、適切な患者さんを選んだり(大きくない前立腺肥大症や今回のような膀胱頚部硬化症など)、従来どおりの金属ループで数箇所か切除し組織を確保すれば済むことです。
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コメント
質問が2点あります。
1.現在の手術では、どの方法で切開を行っているのでしょうか?また、希望した場合はTURis-Vを使用していただけるのでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
2008年11月中旬になり購入できた装置です。日本の開業医の中ではとても早いほうでしょう。現在までは、最先端のTURisで手術を行なっていました。
TURis-Vの使用は、患者さんの希望ではなく、手術中の医師の判断です。
例えば、手術中に1mmの切開が必要な場合、直径3mmのTURis-Vは使用できません。
2.TURis-Vを使用した場合、手術後の出血等のリスクは減少するのでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
はい。
投稿: 患者 | 2008/11/18 22:28
KTPレーザーを利用した医療機器というものがあるそうです↓
http://www.shintoshi-hosp.com/pvp.html
「組織を蒸発(蒸散)させる性質を持っています」ということなので、
それならば高橋先生のこちらの記事のTURis-Vと同じようなもののようにも感じられ、KTPレーザーの凄さがよくわかりません。
高橋先生にはこの機器は魅力的なものに思われますか?
「血流の多い前立腺肥大症には特に有効」ということですが、膀胱頸部硬化症の手術には向かない機器なのでしょうか?
【回答】
確かに新しい器械には興味がわきます。
しかし、治療は機械の性能ではなく、その器械をどのようにして利用するかです。
高橋クリニックにもレーザー機器はあります。
当時、1500万円もしたドルニエ社製YAGレーザー器械でした。
数年間利用しただけで、今ではほこりをかぶっています。
KTPレーザーは10年近く前から存在しています。
血管内の血液に反応して止血効果が高い特徴があります。
慢性前立腺炎症状を来す膀胱頚部硬化症の手術は、正確な病的位置だけを処理するするのが目的ですが、レーザー光線は視認している以上にエネルギーが組織に侵入し、予想外の組織ダメージを来します。
前立腺肥大症などの大雑把な手術の場合は問題ありませんが、膀胱頚部硬化症のミリ単位で手術や、トリガーポイント手術の場合には逆に使いにくいのが現状です。
大学病院でKTPレーザー治療した患者さんが、頻尿や排尿機能障害が治らずに、私が再度TURis手術した経験が何度かあります。
執刀医が前立腺肥大症=前立腺肥大症の症状と誤解しているところに問題があるのです。
つまり、前立腺肥大症の患者さんも症状発生のためには、膀胱頚部や膀胱三角部に問題があり、前立腺肥大症を手術しただけでは改善しないのです。
前立腺肥大症の手術の際には、必ず膀胱頚部と膀胱三角部の処置が必要になります。
ですから、手術道具は二の次になります。
昔からある器械で十分に対処できるし、あとはテクニックの問題です。
投稿: レイニーブルー | 2012/06/16 20:38
ご回答ありがとうございます。
高橋先生の手術には、やはりTURis-Vが適しているんですね。
男性の性機能にとって重要な役割を果たしている前立腺に対する手術は、
もっとデリケートなものなのかと思っていましたが、
大雑把な手術と聞いて意外に思いました。
【回答】
昔は前立腺肥大症の手術で男性機能は犠牲にするというスタンスでした。
いままでのTURでは電気で陰部神経を痛めてしまったからです。
しかし、TURisになってからは、患者さんに電気が漏れないので陰部神経が温存されます。
若い患者さんの膀胱頚部硬化症に手術にはTURisはうってつけです。』
とはいえ、膀胱頸部硬化症手術に比べたら大雑把だということなんだろうとは思いますが。
投稿: レイニーブルー | 2012/06/18 01:00
先生にひとつご質問です。
これまでの多くの手術の中で、
「関連症状が出ている状態での手術」と「関連症状が出ていない状態での手術(もしくは症状がおさまっている時)」ではどのような違いがありましたでしょうか?
【回答】
関連痛がある患者さんの場合、手術中にトリガーポイントを探すための余分な切開が必要になります。
関連痛のない場合は、定型的な手術で終了です。
術後の経過に差はありません。』
また、先生はこれらに対してどのような見解でしょうか?
【回答】
関連痛は脊髄内のソフトウエアの違いだけであって、症状で区別するのはナンセンスです。
投稿: 慢性患者 | 2012/10/29 22:52
高橋先生いつもお世話になります。
診察券番号31356の者です。
私は仕事柄電子機器をソフトで制御する、といったシステムの仕事をしております、エンジニアではありませんが。
この秘密兵器?のブログ記事を読んで生意気ながら相通じるものを感じました。
まず目には見えない理論があり、そして目に見えるハードに手を加える。
そのハードに手を加える時、職人的な上手さがある人無い人。理論が完成されかつ経験豊かな人なら早い、しかも正確。
しかし最後は人柄が出るんもんだと思います。
私が高橋先生を信じ、委ねる理由の一つはこの部分です。
投稿: 博 | 2014/04/25 20:08
お忙しい中質問失礼します。
この秘密兵器を使う事により術後の経過が良くなった、という印象をお持ちですか?
例へば、再硬化する確率が低い。再手術になることが少なくなった、等。
【回答】
手術がやり易くなったという印象です。
やり難い、繊細な技術を要する、神経を使うなどの手術は、手術の完成度や安全性を損ないますから、そういう意味で有用です。
投稿: | 2014/06/30 22:21
高橋先生いつもお世話になります。
8月21日に手術を予定している31356の〇〇〇〇です。
手術が近づいてまいりましたので、初診(3月8日)から現在に至る状態について経過報告をいたします。
【現在の薬】
ザルティア2.5m(半分に切ってます)/1日、ユリーフ2m(半分に切ってます)/1日、デパス0.5/1日(睡眠導入剤として服用してます)
但し、αブロッカーはハルナールに変えたり、ベタニスに変えたりしております。
ユリーフを半分にする理由は極度の鼻づまりを起こすからです。
【症状の経過】
(症状) 初診時 → 6月初旬頃 → 現在 で記します。
(手足の痺れ(常時))100% → 40% → 30% (但し、無自覚の時間も有ります)
(会陰部ヒリヒリ感(座位の時))100% → 50% → 40% (椅子により無自覚の時もあります)
(肛門ヒリヒリ感(常時) 0% → 50% → 50% (激辛物を食べた後のような感覚)
(坐骨左側の鈍痛(座位の時) 0% → 50% → 50%
(陰茎根本痛(時々))100% → 40% → 20%
(睾丸痛(時々) 100% → 20% → 消失
(全体的に股間に何とも言えない倦怠感と言うか不愉快な感覚)自律神経が興奮状態にあるように感じます。
上記のように現在の主訴は手足の痺れと会陰部痛と肛門ヒリヒリ感です。
また、未病の時から持っていたこの病気に関連している気がする体質は以下の通りです。
・アレルギー性鼻炎(小学生から)
・背中の痒み、目視でも肌荒れの状態があります。(20代後半から)
・寝つきの悪さ(40歳ごろからかもしれません)
【手術に向けて】
手術に向けて準備は整いました、仕事は21日から27日まで休みを頂きました。
手術当日と翌日は近くのホテルに宿泊します、その後26日までは都内の市部(実家)に宿泊します。
私のこの度の手術に対する考えは。
完治(未病の状態)と言う目的地に到着するために電車からジェット機に乗り換える、という考えでいます。
ジェット機の到着地がまだ目的地(完治)ではないかもしれません、それからまた電車に乗るかもしれません。
それでも構いません、また術後の辛さも承知の上で覚悟は出来てます、そんな考えでいます。
とりあえずの目標はザルティア/1日だけの服用の状態です。
デパスは卒業したいと思います。ユリーフ、ハルナールは鼻づまりを起こすのでできれば卒業したいと思います。
長々とすみません。
頑張って?万全で伺います。
高橋先生を信じてついていく所存でおります、改めてよろしくお願いします。
このコメントは高橋先生にお伝えする事を目的にしたので実名を記入いたしました、申し訳ありませんご了承ください。
ブログ掲載の際はお手数ですが名前の部分を削除してください。
投稿: | 2014/08/11 16:18
東京の某クリニックのHPを見ると、「TUR-Pは前立腺肥大症だけでなく、慢性前立腺炎、膀胱頚部硬化症等にも効果があります。ご希望のかたは、ぜひ一度ご相談下さい。」とあります。膀胱頚部硬化症で排尿障害があり、慢性前立腺炎の症状が出ている場合には、膀胱頚部切開手術だけではなくTUR-Pを受けるという選択肢もあると考えて良いでしょうか?
【回答】
飯田橋中村クリニックのHPですね。
前立腺の炎症が取れなければ前立腺をTUR-Pで切除すれば良いという考え方です。
トリガーポイントは膀胱頚部や前立腺だけにあるとは限りませんから、膀胱三角部の治療も必要と考えます。
投稿: マッキー | 2014/08/12 18:55
高橋先生いつもお世話になります。
昨日電話で術後2か月の報告を致しました、
診察券番号31356の者です。
先日会社の健康診断の心電図の検査で「完全右脚ブロック」と結果が出てました。
この診断は今回に限らず前回(昨年)も前々回(一昨年)も同じ結果でした。
そして、最後のコメントには「経過観察をしましょう、毎年の健康診断は必ず受けましょう」と書かれています。
私は毎日ザルティアを半錠服用してます。
何か問題が有りますでしょうか?
健康診断の問診ではザルティアを服用してることは申告しています。
【回答】
特に心配ないでしょう。
心臓の電気的刺激は、右心房から始まって右脚と左脚という電気が流れる特殊な道に分かれて心室に流れます。
そのどちらかの電気的流れが悪いのを脚ブロックと呼びます。
貴方は、右側の脚ブロックだと診断された訳です。
左脚が健全であれば、電気的な流れは左心室から右脚を利用しないで右心室に流れるので問題ありません。
右脚ブロックの94%は正常とされていますが、左脚ブロックの場合は、狭心症や高血圧性心臓病の際に見られるので注意が必要です。
投稿: | 2014/10/16 13:23
一つ前の質問の者です。
ご回答ありがとうございます。安心いたしました。
先生のブログの「病気の145噺」いつも楽しみに読ませて頂いてます。
書店で売ってる家庭の医学やネットで見かける病気の事、薬の事。
これも有益な情報ですが、どうも無機質な印象を拭えませんし、少ないデメリットを殊更に強調してて、不安を煽るように書かれてます。
一方先生の「病気の145噺」は科学的な因果関係を理論的に解説するだけでなく、とても人間的な要素が含まれていて、楽しく読ませて頂いてます。
健康診断、心電図も読みました。
続編楽しみにしています。
【回答】
ありがとう。
投稿: | 2014/10/18 10:18
高橋先生いつもお世話になります。
2014年8月21日に手術をして頂きました、診察券番号31356の〇〇〇〇健です。
先日は保険の資料を送付して頂き有難う御座いました。
術後三ヶ月の報告をさせていただきます。
術後三ヶ月は大きな節目であると認識していること、また私自身がこのブログに大変助けれられた一人であることから私自身の経過をブログ読者の方にも読んで頂ければ幸いです。
(ブログ読者の方で私の術前の状態を知りたい方は数件前のコメントを参照下さい)
また、クリニックのスタッフ方やまごめ薬局の方々にご心配頂いた事や励ましを頂きましたので、元気に回復してきている事を報告させて頂きます。
経過状態に関してはこのブログの前文ともいうべき「真実のみを発信する」このことは忠実に守ったつもりです。
【症状の経過】(手術前を100%とします)
(症状) 手術前 → 現在 で記します。
(手足の痺れ(常時))100% → 10% (無自覚な時間がかなりあります)
(会陰部ヒリヒリ感(座位の時))100% → 10% (座位の時)
(肛門ヒリヒリ感(常時) 100% →消失 (激辛物を食べた後のような感覚)
(坐骨左側(会陰部?)の鈍痛(座位の時) 100% → 30% (主に自動車運転時、ゴリゴリした感覚)
(陰茎根本痛(時々))100% → 10% (坐骨左側の鈍痛と連動してます)
手術前には訴えていなかったが改善した症状
・尿漏れが無くなりました、トイレの後漏れてくることが無くなりました。
・ハルナールを飲んでも鼻づまりしなくなりました。
・3回に1回は軟便だった(便器の中で形を留めない程度)ですが、ほとんどなくなりました。便秘症の方の辛さを初めて知りました。
・背中の痒みがなくなりました。
現在はまさに”薄紙をはがすように”一歩一歩確実に改善傾向にあります。
まだ症状が幾らかは残っていますが手足の痺れが軽減していることが何よりうれしいです。
この痺れ感は朝起きてから夜寝るまで一日中あり最も辛かった症状です。
すべての症状に置いて三ヶ月を経過し、まだまだ改善している過程である事を感じています、もっと良くなる期待感は大きくあります。
【排尿状態】
・排尿回数 5~8回/1日
・排尿量 約200~300ml/1回 (朝一番は300~500ml)
・排尿時間 約10~20秒
・最大尿流量 約20~30ml/秒 (自作計量器で最初の100mlまでおよそ3~5秒)
術後は頻尿気味で尿意とともに強い尿意切迫感が有りましたが、手術2.5月経過後位から急激な尿意切迫感はなくなりました。
そして、蓄尿量が徐々に増えてきました。
今にして思えば、私は小学生の頃から頻尿であったのだな、と改めて思い知らされました。
現在は水分摂取量=尿量X排尿回数が一定の方程式に従っているな、と感じています。
以前は「30分前に排尿したのに?」や「尿意が強かったのにあんまり出ないな?」等が有りました。
【今の気持ち】
切除した膀胱頸部が回復すると同期するように関連痛、尿意切迫感が治まりつつあります。
術後の出血は2週間ぐらい迄(2日に1回、排尿終末時に薄いイソジン程度)あり、1ヶ月経過後は全く目視では確認できませんでした。
9月24日(術後33日)の会社の健康診断で検尿(朝一番)が有りましたが血液は認められませんでした。
射精は前に出ました。
今の所一日の中で波は有りますが、症状が出ていない時間はもうほとんど以前の自分です。
この以前の自分でいる時間が少しづつ増えています、本当にうれしいです。
他の患者さんのレポートを読むと6か月や1年経過後に良くなる、というレポートも多く見かけます。
焦る事なく、長期戦を覚悟して養生していこうと思います。
高橋先生の治療は日本で唯一無二?であろうと思いますが、膀胱頸部=頻尿(尿意)=関連痛、つながっています、間違いなく。
医学の理論を語る資格は自分にはない事ですが、高橋先生の理論とそれに基づく治療方針は間違いないと改めて自分の体を通して認識しました。
今は一ヶ月毎の先生への電話報告が楽しみでもあります。先日の報告でも「そーかー、良かったじゃなーい」等と先生は自然に言って下さいました。
嬉しかったです、本当に有難うございます。
万が一の時はまた先生に執刀して頂く事になるかもしれませんが、今の所このまま回復すれば先生に執刀して頂く必要はないように思います。
高橋先生、健康に留意されこれからも沢山の患者さんを救って下さいませ。
長文、駄文失礼しました。まずは、術後三ヶ月の状況を報告いたしました。
投稿: | 2014/11/21 13:10
先生、お忙しいところ失礼いたします。
ひとつ質問させてください。
前立腺肥大症での排尿障害の場合でも慢性前立腺炎のような病症は出てくるものなのでしょうか?
【回答】
もちろん。
投稿: | 2014/11/24 13:23
先生、いつもお世話になっています。
2年くらい前より先生のところからお薬をいただいて服薬しています。病状は会陰部の不快感、座ったときに圧迫感があり中央をくりぬいた座布団以外は座れません。排尿状態があまり良くなく排尿時、陰茎の根元付近に少し痛みがでます。2年くらい服薬していますので薬での改善はこれ以上無理かと思っています。それで先生のところで手術を受けることを考えています。私は通院に2時間くらいの所に住んでいるのですが事前の検査は脊髄注射の麻酔をするのでしょうか?
【回答】
仙骨神経ブロックです。」
また、膀胱頸部硬化症が原因なのか前立腺肥大症が原因なのかわかるのでしょうか?よろしくお願いいたします。
【回答】
膀胱頚部硬化症が一次的な原因で、2次的に前立腺肥大症に発展すると考えます。
ですから、どちらにしろ膀胱頚部硬化症の治療になる訳です。
投稿: 患者 | 2015/07/09 06:25
お返事をありがとうございました。
脊髄神経注射ですと朝早く検査して夕方帰るということになるのでしょうか?先生の所で帰宅するまでベットで横になっていられるのでしょうか?
【回答】
検査ではなく、手術です。
手術をすると決まったら、詳細はお教えします。
投稿: 患者 | 2015/07/09 17:08
先生、失礼しました。仙骨神経ブロックと脊椎神経麻酔とは違うのですね。仙骨神経ブロックでしたら検査後すぐに帰れるのですか?
【回答】
帰れなかったら日帰り手術にならないでしょう。
投稿: 患者 | 2015/07/10 06:12
先生、ありがとうございました。
後程お伺いいたします。
投稿: 患者 | 2015/07/10 17:12
術後の尿閉は傷痕が腫れるからでしょうか?
【回答】
術後出血のためと、手術によってできた新しい尿路に、生体が馴染まないためです。
投稿: | 2016/01/11 17:16
お世話になっております。診察券番号37076です。
先生にもエコーで確認してもらったのですが前立腺肥大で形が少し歪な形で肥大しているので膀胱内に突出しているような肥大で軽い排尿障害(アボルブ・ベタニス・ハルナール服用)でありますが最近慢性前立腺炎のような症状がでてきた為先生の仰られる排尿障害からくるものかなと思っています。
そこで膀胱口の辺りを膀胱出口の辺りを手術(レーザー等)で開いて頂くことは可能でしょうか?
現在PSA値は薬服用しているので大体2.7前後です。
【回答】
地元で手術してもらって下さい。
わざわざ神戸から東京に来る必要はありません。
投稿: くろうさぎ | 2020/06/15 13:21
早速の返信ありがとうございます。
もともと地元での治療に対して前進しない感があり高橋先生診察して頂いた経緯があります。
手術を考える際にはどうしても先生にお願いしたいと思っておりますのでその際にはお願いできますでしょうか?
【回答】
はい。
投稿: くろうさぎ | 2020/06/18 12:56