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患者さんからのレポート#42

高橋先生

大変お世話になっております。診察券№・・193の大阪の○○○○です。
9月に手術後1年経過の診察をしていただき誠にありがとうございました。現在手術後1年と2ヶ月を経過しております。術後を振り返っての感想をお送りさせていただきます。

◆肉体面では
術後3ヶ月は膀胱、尿道を中心とした鈍痛と違和感がありました。正直な所この時期が一番つらかったと思います。手術前よりも違う痛み有り(場所、感じ共に)3ヶ月経過後は徐々に和らいいきましたが半年が過ぎるまでは不快な状況でした。術後半年を過ぎると気にならなくなる日が徐々に増えていき現在は一日に2回~3回少し気になる程度です。大変満足しております。
おしっこの出は順調です。排尿時の痛み等はまったくありません。
関連痛に関しては下腹部痛、睾丸痛、足のしびれ等は全くなくなりました。
足の裏(ツボと呼ばれる部分)の痛みは一旦消滅しましたが、最近少し出るようになりました。
寒がりで冷え性でしたが、不思議なことに寒さに対する感じ方が変わってきたように思います。
なにか体が温まっているような感じで寒さを辛く思わなくなってきています。
胃痛、口内炎、扁桃腺炎によく悩まされていましたが不思議なことにほとんどこれらの病気にならなくなりました。本当に不思議です。
朝も夜も下半身が元気過ぎて困るぐらいになりました。本当に不思議です。

◆精神面では
正直なところ手術後半年は今までに経験したことのない痛みで不安定でしたが、先生の理論は正しく信じてついていこうと決意していましたので悩むことはありませんでした。
以前よりも集中力とやる気がアップして活力が沸いてきます。不思議なもので肉体的に改善されてくると精神的にもポジティブになってきます。何が人間にとっての幸せかと考えると今この時が健やかであればこれ以上の幸せはありません。
人間に与えられた時間はあまりにも短いので、悩みながら過ごす人生よりも積極的に治療をし病気と戦い打ち勝つ選択をしたことは間違いではないと思います。

高橋先生には本当に感謝しております。
もし先生に治療していただいていなかったら未だに悩み苦しんでいたと思います。
先生の研究と理論は多くの人々を救うことができると信じています。素人考えですが胃潰瘍のピロリ菌の発見等と同じぐらいの成果であると思います。一日も早く先生の理論が広がり多くの人々が救われますよう祈ります。
先生もあまり無理をせずがんばってください。

P.S.いつもブログを楽しく拝見させていただいております。

【補足】
平成16年ごろから左下腹部が痛くなりました。
平成17年には痛みがさらに強くなりました。
平成18年11月には左睾丸の上が痛くなり、地元の市民病院泌尿器科と労災病院泌尿器科を受診し、「慢性前立腺炎」と診断され、セルニルトン・クラビット・ミノマイの処方を受けましたが改善しませんでした。

平成18年12月29日に高橋クリニックを初めて受診し、排尿障害・前立腺結石を認め、「膀胱頚部硬化症」の診断で、ハルナールを1ヵ月処方しました。
Bns20193m40e【超音波エコー検査】
前立腺は大きくありませんが、前立腺結石を確認できます。
Bns20193m40【尿流量測定ウロフロメトリー検査】
大きな振幅の腹圧性排尿曲線を示しています。

ところが・・・

ところが、下記のメールが届きました。
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高橋先生
お世話になっております。
昨年暮れの12/29に診察していただきました○○○○です。診察カード№は・・193です。
お忙しいところ恐縮ですが相談があります。
先生に診察していただき本当に幸せに思います。先生に処方していただいた薬をもらう時薬剤師の方に一生飲みつづけなくてはならないと言われ少し不安を覚えました。だんだん効かなくなるとも教えてもらいまた。
正直に話します。
あの薬の効用も神経回路のことも先生のホームページで読みました。思い起こしてみれば、先生に診察してもらう前は頻繁におしっこに行っていたと思います。現在5時間おきぐらいに溜めてからいくようにしています。
薬は現在飲んでいません。回復してきているのでしょうか、完治するか心配です。意識をおしっこのほうに考えると少し違和感があるようにおもいます。出はよいです。
先生の指示に従わなくて誠に申し訳なくおもいます。どうか今後どうすればよいか教えてください。
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ハルナールの服用で、症状は30%~40%までに軽快しました。
患者さんは内視鏡手術を強く希望され、平成19年9月に手術になりました。
術中の所見は、柵形成・尿道内の炎症性ポリープ・膀胱三角部炎・血管増生・コイル状血管・二重平行血管を認めました。膀胱頚部硬化症・間質性膀胱炎の所見です。切除した膀胱頚部の組織は0.3グラムで、この患者さんは体重が80キログラムでしたから、体重の0.00000375%だけを切除したことになります。
平成19年10月に術後出血になり、地元の泌尿器科にてカテーテル処置で止血しました。このことはレポートで省かれています。おそらく私の立場(執刀医としての)をおもんばかっての配慮でしょう。(ありがとうございます)

Bns20193m402本年9月に手術後1年で来院されました。
病気の具合が良くなると、遠方にお住まいの方は来院されないのが一般的です。この方はわざわざ大阪から報告に来院されました。執刀医としては、とても嬉しいことです。
術後の尿流量測定ウロフロメトリー検査の結果です。当院に初診の頃と比較すると、全く正常に見える排尿曲線です。

胃痛、口内炎、扁桃腺炎によく悩まされていましたが不思議なことにほとんどこれらの病気にならなくなりました。本当に不思議です。』
胃痛については、原因不明の慢性胃痛の患者さんのトリガーポイント手術で説明したように、関連痛です。
口内炎は、膀胱への負荷を制御するために分泌腺が抑制されます。そのときに涙腺と唾液腺が抑制されます。涙腺の抑制は「ドライアイ」となり唾液腺の抑制は口腔内の環境を悪化させ「口内炎」となります。
扁桃腺炎については、体内の水分バランスの影響で白血球が興奮しやすい結果、化膿しやすい体質の表れです。

『朝も夜も下半身が元気過ぎて困るぐらいになりました。本当に不思議です。』
排尿には陰部神経がかかわっています。尿道括約筋を常に指令しているのが陰部神経です。陰部神経の他の役目は、ペニスを勃起させることです。排尿障害の治療で陰部神経が十分に休息できるので、勃起の仕事にエネルギーを配分できるようになったからです。

『以前よりも集中力とやる気がアップして活力が沸いてきます。不思議なもので肉体的に改善されてくると精神的にもポジティブになってきます。』
慢性前立腺炎の症状として「抑うつ気分」について解説しました。慢性的な内臓の興奮は、脳・脊髄を介して内臓の興奮を抑えようとしますが、その抑制が脳・筋肉に襲い掛かると、「抑うつ気分」になります。
この患者さんが初めの内、ハルナールを服用しなくなった考え方は、この病気が作った思考様式なのです。患者さんを責める訳にはいきませんが・・・短気な私はツイツイ責めてしまうのです。

『寒がりで冷え性でしたが、不思議なことに寒さに対する感じ方が変わってきたように思います。』
慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんは、冷えが悪いと思っておられます。確かにそのような病状の時には、寒いと症状が悪化します。しかし、この現象は、先の「抑うつ気分」に関連していて、内臓の興奮を抑える余波が、自律神経の温度調節許容範囲を極端に狭めたので、「冷え」が諸悪の根源であり、ご自分は「冷え症」だと錯覚するのです。ですから、排尿障害の改善で、「冷え」にも無関心でいられるのです。

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