学会報告#2 2008年9月 第73回日本泌尿器科学会 東部総会
学会報告#1の続きです。
タイプ2は、膀胱出口閉塞型です。
これは、前立腺腺腫が膀胱内に侵入し、膀胱括約筋を無理矢理周辺に追いやったイメージの排尿障害です。
周辺の膀胱括約筋は塊となり弛緩できなくなります。
そのため尿道を含めた腺腫の部分が、膀胱括約筋によって嵌頓状態に陥り、排尿障害になるタイプです。
膀胱出口閉塞型の実例です。
3D画像では、腺腫(線維腺性過形成)は水分を多く含んでいるので透明にしか見えません。そのかわり周辺に追いやられた膀胱括約筋が硬いドーナツ様に観察できます。
このタイプの別の方です。
腺腫の膀胱内侵入はそれ程ではありませんが、腺腫が膀胱括約筋にサンドイッチになっています。
タイプ3は、線維筋性過形成型です。
一見、タイプ2と似ていますが、排尿障害のキーポイントは尿道を取り囲む線維筋性過形成による尿道の直接的な圧迫です。
このタイプの2D画像です。
線維筋性過形成の硬さが、ハイエコーとして観察できます。
2D画像のシルエットでは、タイプ1の膀胱出口閉塞型もタイプ2の線維筋性過形成型も同じように見えますが、3D画像では明らかな違いを確認できます。
線維筋性過形成型の実例です。線維筋性過形成の構造が確認できます。まるで巻貝の様です。
画像断層診断をすると線維筋性過形成の構造が前立腺中央の深さで途絶えていることが分かります。
これは、前立腺の解剖学的領域の移行領域から線維筋性過形成が発生していることが分かります。
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