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急性前立腺炎から慢性前立腺炎という誤解

年間400人近い慢性前立腺炎の新患の患者さんを診察しますが、急性前立腺炎から慢性前立腺炎に移行したという患者さんにほとんど遭遇しません。
急性前立腺炎から慢性前立腺炎に移行したという患者さんは、存在しても1%足らずでしょう。初めから慢性前立腺炎症状の方がほとんどです。恐らく「急性」と「慢性」という言葉のイメージから「急性→慢性」という根拠のない病態生理が常識となったのでしょう。誤解というものは恐ろしいもので、急性前立腺炎は細菌性ですから、慢性前立腺炎は「急性→慢性」という荒唐無稽の根拠から、細菌性でなければならなくなったのです。
慢性前立腺炎で悩んでおられる読者の中で、発熱があって、血尿があって、尿の出しぶりがあって、残尿感が強く、尿の最後の強い排尿痛がある急性前立腺炎になった方がどのくらいいるでしょうか。そのような記憶のある患者さんはほとんどいないでしょう。中には気がつかないうちに急性前立腺炎にかかったと言われる人もいますが、症状のない急性前立腺炎はありません。

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コメント

以前高橋クリニックに参りました。しかし手術に踏み切る事が出来ないで現在に至っております。懸命にやられている先生の批判はする気持ちは到底ありませんが、依然改善されない陰部の痛みに日々まいっております。一つだけ質問させてください。細菌性・非細菌と区別しようが結局治療法も確立していないのが現状なのですが、ネットを見る上でかなりの人数の人がこの病気に苦しんでいるのがわかります。
先生が医師になりたての頃もかなりの人数の患者は存在したのですか?
【高橋クリニックからの回答】
はい。

あとよく検査で出てくるクレブシエラ・エンテロコッカス・セラチア
等は必要以上の抗生剤により腸内細菌が前立腺に住み着いたものですか?又、仮にこのような連鎖腸球菌は実際前立腺に住み着いたとしたら前立腺は炎症するのですか?まー白血球が基準値内であれば炎症とはいえませんか???
【高橋クリニックからの回答】
私は、どんな細菌も白血球も診断的価値はないものと考えています。

投稿: クラーク | 2008/07/03 20:59

横からまた失礼します。確かにアメリカの誰やらの論文で前立腺液中に健常者にも白血球が出たというようなことがありましたね。自分も意味ないと思います。なぜなら白血球が出た時も出なかった時でも症状はほぼ同じですから。ただ慢性前立腺炎は自己免疫の暴走で免疫を上げてはいけないというのがよく分かりません。分かりやすく、詳しく解説してもらえないでしょうか?

【高橋クリニックからの回答】
免疫のお話が主体だったので誤解されたのでしょう。
慢性前立腺炎の原因は排尿障害から生じる振動などの物理的刺激です。この物理的刺激は、慢性的に繰返されれば、免疫システムに探知され、リンパ球や白血球が集まるのは理解できますよね?
例えば、転倒して頭にできた1回だけのタンコブの組織を調べれば白血球が集まっているのが分かります。しかし、慢性的にトンカチで頭をたたいていれば、転倒してできたタンコブと異なり、リンパ球も白血球も免疫抗体も集合しています。その時に、タンコブの原因が自己免疫の暴走とは思いませんよね?トンカチで慢性的にたたいた物理的刺激が原因と判断します。しかし、そのタンコブの痛み症状・火照り・ジンジン感、組織内の血管拡張・血管増生(瘀血)は、自己免疫システムの反応に他なりません。
排尿障害というトンカチで、振動という形でたたかれた前立腺に、免疫システムが反応して白血球が検出されても不思議ではありませんし、そのために前立腺症状が出現しても不思議ではないでしょう。でもこの反応は生理的な正常な反応です。免疫機能を上げたり下げたりでコントロールできるような代物ではないでしょう。結果、排尿障害を治す=トンカチを消滅させるのが、免疫システムにかかわらない安全な手段と私は考えるのです。
免疫システムが、宿主の人間にとって都合の良いことだけを行なうとは限りません。人間の免疫システムは、善悪の判断のできない感情のない意志を持たない単なる器械的システムです。免疫を上げれば健康になるという誤解が、様々な病気の治療に弊害を生むことになるのです。強いて言えば、免疫システムの「適度なバランス」が健康の維持に必要なのでしょう。

身体のあらゆるシステムがバランス良く働くのは、30歳代まででしょう。なぜなら哺乳動物としての人間の寿命はどう考えても30年くらいが妥当だからです。現在のような長寿にあっては、保障期間をオーバーしています。

投稿: ゆう | 2008/07/03 22:34

そうですか?そこまで行くと素人の俺には今よりも免疫を上げることが正しいのかどうか判断できません。今免疫が下がってそれを上げる為にやっているのがそういう意味での免疫を言っているのか。その当たりを聞いて詳細を追って報告させて貰います。

【高橋クリニックからの回答】
報告お待ちします。

投稿: ゆう | 2008/07/04 10:08

先生の排尿障害理論でいくとかなりの人数が排尿障害ですよね??一般論から考えて数十万人の慢性前立腺炎患者が排尿障害とはどうしても合点がいきません。
【高橋クリニックからの回答】
数で真偽は問えません。
糖尿病が予備軍も含めて、日本で500万人~1000万人存在するのです。日本人の5%~10%になります。慢性前立腺炎症状にならないだけであって、隠れた排尿障害は数百万人以上は存在するでしょう。

当然細菌感染説も肯定できませんが、但し物理的炎症には納得します。(トンカチの話です)打撲や関節の曲がったところに炎症が残るのもありますし、神経に伝わった炎症による痛みは一般的な痛み止めでは到底治りませんし、治療にもなりません。
先生はこの病気に必死に取り組んでいるので本音は感謝しています。他の医者なんて効かない薬を出して何年も経過して、しまいには私には治せませんで終わるんですよ。そうなると患者は地獄ですね。
ちなみに私は漢方の調合で長年の痛みが軽減してきました。本当にうれしい次第です。でもこの調合漢方に行きつくまでにかれこれ10年ですよ。西洋医学の医者の何も出来ない何もしないの犠牲者でありました。何が学会なのか何が医者なのか、患者からしたら何のための学会なのかよくわかりませんね。本当に愚痴ばかりであります。ちなみに先生の治療は漢方で痛みが軽減した場合でも有効ですかね??あともうちょいで治るような気がするのです。
意見をお聞かせ下さい。
【高橋クリニックからの回答】
排尿障害という原因を治すので、内視鏡手術によって改善すると考えます。

投稿: りんりん | 2008/07/08 10:57

先生も開業したてのころは慢性前立腺炎の治療は抗生剤だったのですか?
【回答】
もちろん。

投稿: | 2012/11/01 22:34

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