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関連痛再発の仕組み

Recurrence3再発の理由を以前に解説しましたが、関連痛の再発の仕組みをここでもう少し深く掘り下げましょう。
右のイラストは、手術をしたにもかかわらず、関連痛が再発をしてしまう仕組みを分かりやすく描いたつもりです。

手術前に、膀胱出口に存在した硬化組織は、脊髄神経と連絡しています。脊髄内の関連痛症状を形成する増幅回路とつながり関連痛症状が出現します。前回の「胃の痛み」の患者さんは、下部尿路の刺激が胃の感覚神経と混線して、胃の痛みとして症状が出ていたのです。

内視鏡手術で硬化組織を切除します。脊髄回路と連絡が断たれれば、関連痛症状は消失します。
ところが、時間が経過すると(ここでは仮に術後3ヶ月としましょう)、膀胱出口に硬化組織が再発してきます。硬化組織の影響で、排尿時に膀胱出口が再び振動するようになります。振動エネルギーは断線した神経の末端を刺激し成長を促進します。そして、ついには硬化組織と神経が接合して、脊髄神経回路とつながり再び関連痛が再発するのです。

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コメント

巷の医者は前立腺マッサージ後の尿検査で細菌か非細菌かを判定していますが、仮にエンテロコッカスフェカリス等の病原菌が+3~5で培養された場合でも細菌感染でないのでしぉうか?
これが不思議です。あと抗生剤を飲んで一時的に症状が治まる人もいます。この場合も細菌でないですかね。これが私における現在の不思議です。

【高橋クリニックからの回答】
エンテロコッカス・フェカリスは、一般的には腸球菌と呼ばれる連鎖球菌です。この菌は、もともと抗生剤に強く(耐性菌としてではなく)、胆汁の中でも死なずに、60℃30分加熱しても死なない細菌です。こんなにとても強い細菌が、元来消化管の中に生息している「常在菌」です。わざわざ身体に人間が住まわせている「常在菌」です。なぜかといえば、腸内で乳酸発酵してくれるからです。無くてはならない存在です。
そんな菌が直腸の隣にある前立腺にいたとしても不思議ですか?このような強い細菌が消化管に存在するのに、なぜ消化管は炎症や腐らないのでしょうか?理由は簡単です。私たちは細菌と共生しているからです。身体は共生仲間として認め、この細菌を住まわせているのです。ですから、何かの原因で前立腺に負担がかかれば、共生仲間として白血球と一緒に、この細菌も出張っているかも知れません。なぜなら、エンテロコッカス・フェカリスは乳酸という酸を出して、他の細菌を駆逐しようするからです。
全ての細菌=悪者という誤解があるのです。慢性前立腺炎の検査で見つかる細菌は、「お助けマン」かも知れないと考えられませんか?当たり前に見える当たり前の現象は、私たち人間の陳腐な科学の誤解かも知れない可能性があります。

炎症は、白血球が作るのであって、細菌が炎症を作るのではありません。白血球がいなければ炎症は起こらずに組織は腐っていくだけです。抗生剤は、細菌を殺しますが白血球をも抑えるので、炎症が鎮まるのです。
物理的刺激で、白血球と腸球菌が前立腺組織内に浸入して、細菌性の炎症を起こしたとしても有り得ることでしょう。抗生剤の投与で炎症が治まっても、物理的刺激がなくならなければ、白血球と腸球菌が常にペアとなって何回でも浸入するでしょう。

あなたが、大事な人間と共生しているエンテロコッカス・フェカリスになったつもりで考えて下さい。この細菌の本当の生き方が理解できるかも知れません。

細菌感染については、下記のブログをご覧下さい。
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/urology/2008/02/post_b7f1.html

投稿: ムーラン | 2008/06/16 19:21

深い。今まででこんな深い説明はなかった。感謝します。ついでにもう一個質問させてください。エンテロは理解しましたが、クレブシエラやセラチア菌はどうなんでしょうか?これは検査時のコンタミになりますか。このときは+2でした。でも炎症のメカニズムはよくわかりました。嬉しい次第です。
【高橋クリニックからの回答】
他の細菌も、エンテロコッカスと同じと考えてよいでしょう。

投稿: ムーラン | 2008/06/17 14:58

有難うございました。慈恵医大では先生の手術はできないですか?母校であれば可能ではありませんか?でも派閥や教授の承認がおりないか!!

投稿: ムーラン | 2008/06/17 18:33

有難うございました。慈恵医大では先生の手術はできないですか?母校であれば可能ではありませんか?でも派閥や教授の承認がおりないか!!

【高橋クリニックからの回答】
大学の先輩や後輩に、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の手術をすすめますが、誰も興味を示しません。
エビデンスが確立した段階で、みんな参加するのでしょう。

投稿: ムーラン | 2008/06/17 18:34

あーまたエビデンスですか・・・・・
あー悲しや悲しや。常在菌についてですが
元はいない場所に常在菌がはびこった場合
炎症を起こすんだなんて定説があるようですが、その辺はいかがですか??????
【高橋クリニックからの回答】
そんな都合のよい定説は怪しいと考えます。
常在菌はおそらく人それぞれでしょう。「元はいない場所」というのが怪しい・・・。

腸の細菌は腸の中では悪さをしなくて、前立腺にいた場合は悪さをするという理論だそうです。それにしちゃー白血球の基準値が+4以下ですからおかしいですね。こんなのはコンタミと思うんですよ。白血球基準値内で細菌が常在菌+2位という検査結果を
耳にしますが、こりゃどうみたって細菌性
でないのにみんな細菌性と疑うわけですよ。でも抗生剤が効かないし。本当にこの理屈のエビデンスを解決する事を大学病院
に臨みたい。病気は癌や肥大ばかりではないのである。前立腺炎だって年に100万使う
患者だっているわけですから、もー癌や肥大に匹敵しますよ。何とか呼びかけたい。
願うばかりです。先生の力をおかしく下さい。

投稿: ムーラン | 2008/06/18 10:01

関連痛の再発する場合はどのような対処をされますか?
【回答】
内視鏡手術を行った患者さんであれば、仙骨神経ブロックやステロイド注射、再度の内視鏡手術になります。
内服治療だけの患者さんであれば、内視鏡手術を選択肢として考えます。

投稿: | 2013/08/13 00:05

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