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メール相談#22

突然のメール失礼いたします。いくつか質問とお考えを聞かせて下さい。

1) 前立腺症について
私は今前立腺症と言われております。検査では白血球基準内範囲で細菌反応なしであります。しかしもー10年以上もこの病気に苦しんでいます。最初は細菌性慢性前立腺炎でした次に非細菌性前立腺炎になりました。そして最後にこの前立腺症です。今は痛みがありひん尿はそうでもありません。高橋先生にお聞きしたいのは細菌→非細菌→前立腺症というパターンはあるのでしょうか?
【回答】
このパターンもあるでしょうし、非細菌→細菌→前立腺症でも、前立腺症→細菌→非細菌でも、どんなパターンでもありです。検査したときに細菌が培養されれば「細菌性」、細菌が培養できなければ「非細菌性」、「白血球」が確認できなければ「前立腺症」と診断されるだけであって、現在の教科書に沿った検査と診断結果というだけです。
もしも細菌が常在菌で、病気とまったく無関係であれば、培養された細菌は何の価値もありません。白血球しかりです。

細菌性の時は確かに細菌性でありました。抗生剤も多々飲んだのですが結局再発を繰り返すのみで一向に改善はありませんでした。検査はエコー・MRI・尿検査・尿流検査・内視鏡・尿道消毒を行いましたが改善なしです。
【回答】
再発を繰返すという事実で、細菌性を疑ってみる価値があります。
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【追加質問】 
すいません。上の文面で細菌性を疑うとありますが尿検査の培養では今ではまったく細菌が検出されません。
現状では医学的には前立腺症という事ですか?これでも抗生剤を飲まなければいけませんか?
【回答】
言葉が十分ではなかったですね。「細菌性」という「診断」を疑ってみる価値があるということです。
つまりは、細菌性も非細菌性も前立腺症も、その診断の根拠がとても希薄だということです。

【追加質問2】
細菌性を疑う価値があるという事ですか。培養検査で出ない細菌をどうゆふうに検査すればいいのですか?
又、今の状態でも抗生剤は必要なのでしょうか?唐突ですが痛み系の前立腺炎でも先生の手術で回復の見込みはありますか?
少しでも回復の見込みがあれば是非受けてみたいです。申し訳ございません細かく質問できず、よろしくお願い致します。
【回答】
まだ誤解されていますね。
「細菌性という診断を疑ってみる価値がある」すなわち「細菌性という診断が間違っている可能性があります」と、説明しているのです。ですから抗生剤は不要です。
慢性前立腺炎の症状を「痛み系」と「頻尿系」に分けていますが、本質的にはどちらでもよいのです。
例えば、胃潰瘍の患者さんを例に上げましょう。胃潰瘍の患者さんの症状は次のようです。
1.胃が痛い
2.胃がもたれる
3.ゲップが出る
4.胸が痛い
5.背中が痛い
6.大便が黒い
7.食欲がない
8.下痢する
9.慢性蕁麻疹が治らない
10.口臭が臭い
11.吐きやすい
12.吐血した
私が経験した患者さんの症状だけでこのくらいの数があります。そしてこれらの症状を患者さんは単独で持っているか、あるいは複数で持っているかの違いです。外科医は症状に合わせて治療するのではなく、原則として胃潰瘍を治療するのです。胃潰瘍を治療すれば、これらの症状は全て消えます。
慢性前立腺炎も同じです。症状は多彩ですが、症状に応じて治療するのではなく、慢性前立腺炎の原因を治療するのです。多彩な症状に応じて慢性前立腺炎の多彩な原因があるのではないので、一つの原因を治療すれば慢性前立腺炎症状は消えるのです。
手術に関する質問ですが、慢性前立腺炎の原因が手術で解消される場合に限って、手術の適応になります。ですから、貴方の慢性前立腺炎・前立腺症の原因が、私の手術適応の「隠れ排尿障害」でない限り、私には治療できません。
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こんなさなか自身で思った事を書きますと、前立腺前の括約筋近辺に痛みが走る場合がほとんである事と、前立腺外線部にしびれを感じる時があります。今後私は中医学的発想として前立腺外線と括約筋に間接的に刺激を与えて痛みの拡散が出来れば糸口が見つかるのではと考えるものです。
【回答】
自覚できる感覚と解剖学的位置は必ずしも一致しません。なぜなら関連痛は脊髄の中で神経が混線していますから、前立腺の右の刺激が左陰嚢感覚として出ることがあります。また前立腺の前の刺激が肛門感覚として出現することもあります。

高橋先生の理論は膀胱平滑筋の手術ですが、前立腺に接している筋肉の問題かと個人的には思う今日この頃です。
【回答】
正確には膀胱括約筋です。膀胱括約筋は前立腺に食い込んでいます。
「前立腺肥大症のブログ」の図をご覧下さい。

確かに細菌性であるか否かの論議は私自身も不明ではありますが、現代医学的なアプローチでは何ら解決すらされていないことを考えると細菌説はどうも?ですね。仮に耐性化された細菌としたなら症状は前立腺部位のみでとどまらないような気がします。
【回答】
全身の常在菌はほとんど耐性菌です。ですから「耐性」だから何?というのが私に印象です。「耐性」菌だから慢性前立腺炎は治らないというのであれば、抗生剤・抗菌剤による治療はお手上げです。

ただ言えることは性感染症であるクラミジアの既往を訴える方がほとんである事が疑問です。私なりに推測すればクラミジアによって前立腺機能が破壊されクラミジア菌は死んだが、その後の合併症で前立腺炎が存在するとしたらと考えるのです。前立腺全部とっても改善されない人がいる以上この理屈あっているような気がします。
【回答】
原因は何でもよいのです。ギックリ腰をきっかけに慢性前立腺炎になる方や全身麻酔を使用した腹部手術でカテーテルを尿道から留置した時から慢性前立腺炎になる方もいます。

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コメント

はじめましてモヤシといいます。先週末から前立腺あたりと睾丸のあたりがが痛いくて泌尿器科に受診しました。先生には前立腺炎症って言われました。
前立腺マッサージをすると大分よくなったんですが陰部上あたり(下腹)がいたくなりました。
段々と痛みがましてきたのでもう一度泌尿器科に受診しました。そしたら大丈夫ですよって言われました。尿検査だけしかしてくれませんでした!
薬はセルニルトンとシプロキサン200を服用してます。
痛みの症状として体を動かすと痛かったり痛くなくなったりします。
かなり悩みでて正直辛いです。アドバイスの方をよろしくお願いします。メールのほうにでも連絡してくれれはありがたいです。
【回答】
私の考える慢性前立腺炎は排尿障害が原因ですから、セルニルトンも抗菌剤も効かないと思っています。
排尿障害の治療としてα‐ブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフ・フリバスなど)が効果的です。

投稿: モヤシ | 2012/12/07 18:14

ご相談させて頂きます。陰部亀頭の下の伸び縮みする皮膚が赤くなり、擦れると痛みがあります。元々20年前から赤みがありまして皮膚が薄いと診断されましたが日常性生活に問題はありませんでした。今年3月に風俗で性交渉を持ってから悪化しまして複数の皮膚科、泌尿器科で軟膏を頂きましたが一向に改善されませんでしたが、皮膚医院で7月18日にカンジダ菌と診断され、アトラント軟膏1%を5gと、亜鉛華(10%)単軟膏‹ヨシダ›5gの配合軟膏を3ヶ月以上塗っておりますが多少赤みは薄くなりましたが、擦れるとヒリヒリ感は残っております、このまま上記の薬を使用を続けて宜しいでしょうか。宜しくお願い致します。
回答】
おそらく続くでしよう。
一度炎症が起きると、患部の細胞が炎症の対応するための細胞に変化して、永遠に過敏になるのです。
シッカリと治したいのであれば、電気焼灼手術でその細胞を死滅させます。いわゆる火傷を作るのです。すると、欠損部分を補充するために周囲の正常細胞が増えて、新たな正常の皮膚になります。

投稿: 笠谷  | 2020/11/01 07:59

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