排尿のメカニズム 膀胱輪状筋の真実
そこで、以前にブログの中で掲げたイラストを上の図のように描きなおしました。恐らく、このイラストの方が、より真実に近いものだと考えます。
輪状筋の円形は尿がたまるに従い、だんだん大きくなり膀胱三角部は引き伸ばされます。もちろん輪状筋も引き伸ばされ細くなります。
外尿道括約筋が排尿のために収縮すると、膀胱三角部は出口に向かって引張られ膀胱頚部は漏斗状に変形し、輪状筋は収縮して、輪郭幅の太い小さいな円形になります。輪状筋が同心円状に小さくなるので、膀胱底部の漏斗変形はより一層強化されます。
排尿が終わると、膀胱三角部も輪状筋も元の状態にリセットされるのです。
このようにドーナツ状の輪状筋が収縮すると考えた方が、ブーメラン状の輪状筋が収縮すると考えるよりも、自然です。横紋筋(骨格筋)のように、一つの筋肉が「力点-作用点」というスタイル(骨の付着部から他の骨の付着部へ)で存在しない場合には、解剖学的に「リング状」や「らせん状」のスタイルにしか存在し得ません。特に内臓の平滑筋がそのスタイルです。ブーメラン状形態では、ブーメランの端の部分がどこに付着しているの?という感じになります。リング状のドーナツ型であれば、自己完結スタイルで、純粋に収縮-弛緩を単純に繰返すだけでよいことになり、筋肉としての本質の動きになります。
慢性前立腺炎の患者さんにとっては、排尿のメカニズムはどうでもよいでしょう?しかし手術などの治療する側の観点からすると、ここが治療の肝のように思えて仕方がありません。これからもグダグダと慢性前立腺炎と一見無関係なお話をするかも知れません。おつき合い下さい。
平成19年8月から始めた3D4D超音波エコー検査です。3D4D画像から得られた知見で、新たな理論展開しました。その限られた範囲内の理論では全く問題がありません。しかし、理論の範囲を広げると、他の事実との整合性が保てなくなります。そのような場合には、今回のように理論を臨機応変に変えます。変えたことが分かるように、過去のブログはなるべくそのままに、私の考え方の変遷が分かるようにしています。私は常に発展途上です。いわゆる無常です。「以前の理論と違う!」などとお怒りにならないようにして下さい。
| 固定リンク
コメント